連載一風変わったイノベーター集団 ITANDI(イタンジ)の秘密

執行役員は学園祭で目覚めたビジコン優勝者!
イタンジに集う異端児たち

Sponsored
インタビュイー
角 高広

1989年生まれ。株式会社Speeeにて法人営業で会社のギネス記録を塗り替え、2年目で不動産流通サービス「イエウール」を立ち上げる。事業責任者として、1年で黒字化、2年で上場企業相当の売上利益創出、3年で業界NO.1まで成長させる。MVP等受賞多数。前職に在籍中、イタンジと半年間のコンサルティング契約を締結。その期間を経て2017年4月、イタンジにジョイン。イタンジでは経営管理を中心に、nomad事業責任者、人事、広報、総務、経理業務を兼務。(2017年8月22日時点)

野口 真平

早稲田大学教育学部卒。同大学在籍中、早稲田大学主催のビジネスプランコンテスト優勝、同年に学生向けSNSを作成し起業。その後、IT企業に入社し、エンジニアとしてシステム設計を担当。2014年2月、イタンジ株式会社に入社。 同社でWEBマーケティング、不動産仲介業務、システム開発(rails)、管理会社向けシステムのコンサルティング業務を経て、2016年4月、執行役員に就任。

関連タグ

イタンジには、前記事でインタビューした同社CEO・伊藤氏に引けを取らない異端な人物が多く在籍する。

その中でも特に異彩を放つ2人が語る同社のカルチャーとは?

皆伊藤社長に負けず劣らず異端だった。

  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
SECTION
/

学園祭出店経験からビジコン優勝、そしてイタンジへ

伊藤さんと同様に、野口さんも学生起業の経験がありますよね。どういった経緯で起業することになったのでしょうか。

野口驚かれるかもしれませんが、大学1年時の学園祭での出店がきっかけです。その時に初めて物を作って売るという行為をした経験から、ビジネスの楽しさに気付きました。そこから友人とビジネスコンテストに出場するということまで発展し、幸運なことに優勝。そして、そのアイデアを形にするため起業に踏み切りました。

意外にも、学園祭の経験がルーツとは。そのビジネスコンテストはリブセンスの村上さんも優勝したことでも広く知られていますね。優勝を勝ち取ったサービス内容について教えてください。

野口学園祭は本当に良い経験でした。ビジコンで優勝したサービスは簡単に言うとインスタグラムに類似した写真中心のSNSです。モバイルに特化した形で開発しました。優勝したことで注目が集まり、多方面から出資の誘いがありましたが、最終的にエンジェル投資家からの資金調達を選択しました。

その後会員数は増加したものの、アクティブユーザー数が頭打ちに。鶏が先か卵が先か問題ですが、投稿数が減り、サイト訪問数が減り……という悪循環に陥ってしまい、マネタイズまで漕ぎつけることなく会社を清算することになりました。

会社を畳んだ後はどうしたのでしょうか。

野口当時はまだまだ若く、経験不足でした。会社を畳んだあと、SIerの会社に入社したのですが、就業規則が無いも同然の会社でした。月400時間労働も経験しました。プロジェクト中は、出向先近くに泊まり込みで、徒歩1分のところに出社。朝から晩までひたすら開発をしていました。

400時間……毎日出勤しても1日13時間労働ですね。

野口2ヵ月程でしたからそこまで苦ではありませんでした。没頭できるタイプなので業務中は黙々と働きました。労働時間はそれほど気にならなかったのですが、業務内容に今後の展望を見いだせなかったため退職を決意。その後起業準備をしていたのですが、ある日突然大学時代の知人から電話がありました。

開口一番、「日本にこれからすごい会社が立ち上がるぞ、とりあえずそこのCFOに代わる」と言われ、イタンジの元CFOと会話することに。

彼に、「3年以内に1000億円企業を作る。是非一緒にやろう」と誘われました。いきなりのことで戸惑いましたが、元CFOとは以前から面識があったので直接会って話を聞くことになりました。

すると、外資出身者をはじめ、優れた経歴の3人が不動産領域で事業を始めたということが判明。起業しようとしていた英会話サービスよりも規模が大きいですし、何よりおもしろそうだったので、伊藤社長と会うことにしました。

約束の当日、伊藤社長は現れるや否や私に対して、「君はどんな過去を歩んできたんだ?なんでウチに入ろうと思ったんだ?イタンジのいいところはどこだ?」と畳み掛けてきました。勝手に面接が始まり驚きました。一言も面接とは聞いてなかったので。

さすが伊藤社長。

野口面食らいました。ただ話をしていく中で、「確かにこの人の言っていることは間違っていない」「この人なら実現不可能に見える壮大な事業構想でも実現しそう」と考えている自分がいました。気付けばその場で入社を決めて、オフィスに直行していました。

とても伊藤さんらしいエピソードです。説得力がありますよね。信念や強いコダワリのようなものを感じるからでしょうか。

野口わかります。説得力があるのは、大局観が優れていることも要因として挙げられるでしょう。伊藤さんはトレンドに敏感で勉強家ですから。

SECTION
/

破壊しないイノベーションが重要

野口角さんは前職で事業開発の経験をお持ちです。事業に関して意識していることがあれば教えてください。

日本で行う意味があるイノベーションかどうかを常に意識しています。

まず、イノベーションを2つに大別して認識しています。未来引き寄せ型と課題解決型。未来引き寄せ型は、無くても支障はないがあると生活を大きく改善させるポテンシャルを持っているもの。例えばドローン事業が当てはまると思います。

正直、日本では未来引き寄せ型のイノベーションは創造しづらい。

GoogleとかAppleが起こしたような未来引き寄せ型のイノベーションを目指すのであれば、海外で勝負した方がいい。

一方課題解決型は、負を解消するイノベーション。個人的に日本で狙うべきは課題解決型だと考えています。業界の負の大きさも重要ですが、マーケット規模も考慮に入れるべきでしょう。いかに優れたプロダクトであったとしてもニーズがなければ事業として成り立ちません。

その観点で業界を選ぶとすれば、少子高齢化の進行により労働者不足が顕著な農業。高齢化社会に伴いインフラ整備が急速に求められる医療。それから電話、FAXでのやり取りが依然として主体である不動産が該当すると思います。

野口さんはどうお考えでしょうか。

野口私も日本だと課題解決型が成功しやすいと考えています。年金問題のように、顕在化した問題に対しては対処しようとするからです。

また、日本の新領域において事業創造が難しいという意見にも賛成です。まず規制が多い。それから保守的な国民性からか、新規のプロダクトに抵抗を持ちやすい。ただメルカリが成功したようにイノベーションに対する理解に変化の兆しもあるのではないでしょうか。個人的には世界で共通化する仕組みを構築できれば成功するのではと考えています。

野口私は未来引き寄せ型の中にも文化創造型があると捉えていました。日本はアニメ、漫画という新しいコンテンツ産業を生み出した国。必要ではなかったものを一大産業に成長させた過去を持つといえます。ただ、テクノロジーとなるとイノベーションは誕生していないのが現状です。

アニメを代表とするコンテンツ産業は、既存産業を破壊する存在ではないため広く受容されたのだと思います。日本人の気質として、既存プレーヤーを代替してまで新事業を生み出すことはどうしても難しいのではないでしょうか。

なるほど。間違いなくコンテンツ産業は日本から起きたイノベーションです。代替されてしまうものが存在しない状態であれば、日本からも未来引き寄せ型のイノベーションが起こりうるかもしれません。

SECTION
/

主体的であれ。異端児であれ

イタンジの良さって何でしょうか。会社のことは深く理解しているつもりですが、古参の筆頭格である野口さんの意見をお聞きしたいです。

野口そうですね、まず倒産危機を乗り越えているメンバーが相当粘り強いことでしょうか。何としても会社を再建しなくてはならない状況で、当時のコアメンバーをはじめとして多くの人が会社を去りました。逆に今残っている人は、その逆境を乗り越えてきた仲間。これほど信頼できる人たちはいないでしょう。

それからイタンジは挑戦する文化の中で数々の失敗を経験してきている。中には手痛い失敗もありましたが、そのすべてが会社の中に蓄積され新規事業を立ち上げるときの強力な武器になっています。昔と比べて事業の精度が高くなっていると実感します。

角さんは良い部分はどちらとお考えですか。

主体的なカルチャーです。ランチ制度とかマッサージチェア導入のような福利厚生は差別化要因とはならないと考えています。すぐ他社が模倣できることですから。しかしイタンジの異常な主体性だけは唯一無二だと断言できます。

野口異常な主体性、上手い表現です。

20~30人くらいの会社規模であるにも関わらず2、3人の創業期の感覚で皆が仕事しているといえば分かりやすいでしょうか。業務フローやプロダクトレベルの改善であれば上司に報告せず実行します。「いつの間にか機能追加されている」なんてことも日常茶飯事です。

常に自分で最善を考え、実行できる人しか合わないといっても過言ではないでしょう。

野口まさにそうだと思います。角さんが言っている通り、相当自由に仕事ができる。個人の目標を応援する文化が根付いているのも良いところです。私自身、仕事に没頭しすぎる性格で、他社じゃ受け入れられない部分もあると思いますがイタンジではそんなことはありません。

個人のキャラクターは尊重すべきものです。皆が同じである必要なんて全くありません。

野口いわゆる普通の会社における、画一化されたルールに適合できないタイプの人間もいます。私もですけど、伊藤さんも同じだと思います。ただ、そんなことは全然能力には関係ない。伊藤さんであれば、0→1の稀有な能力を持っています。

「各自が出来ることを全力でやればいい。自分が出来ないことは得意な人に任せる」

これがイタンジでの常識です。

私はこの会社名、”イタンジ”が大好きなんですよ。偶然か必然か、本当に異端児が集まっていますから。

こちらの記事は2017年08月23日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

記事を共有する
記事をいいねする

写真

藤田 慎一郎

おすすめの関連記事

会員登録/ログインすると
以下の機能を利用することが可能です。

新規会員登録/ログイン