「Hardthinkする者だけが生き残る」
ヘルスケア領域に風穴を開けるスタートアップ MEJ

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インタビュイー
古賀 徹

1986年生まれ、福岡県出身。学生時代に父の死を乗り越え起業。個人でメディア広告事業を開始する。2008年に株式会社MEJを設立、代表取締役社長。シリコンバレーでの2ヶ月間の修行や孫正義門下での学びを経て、現在もビジョナリーカンパニーの経営に従事する。

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保守的な大手企業が牛耳っているヘルスケア領域に、MEJが変革を起こす。

オリジナルブランドECは、年間10万物流以上を生み出すサービスへと成長。今後もIT×ヘルスケアをキーワードにさまざまな事業を展開していく予定だ。ヘルスケア DtoC No.1という目標でも、まだ小さい。世界を変えることを目指す同社では、“Hardthink”できる人材が求められている。

  • TEXT BY MISA HARADA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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倒産寸前で気づいた“志のなさ”

2016年にベストベンチャー100社、2017年にはEO Tokyo Growth No.1に選出され、ますます勢いを伸ばしているMEJの前身となったのは、古賀が専門学校を退学したときに立ち上げたゲームの攻略サイトだ。

もともとは父親が建築関連のビジネスを営んでいたため、建築家志望だった古賀。高校時代に父親が亡くなり、高校卒業後しばらくは自分で働いて学費を稼ぎながら建築の専門学校に通っていたが、両立が難しくなり退学。

いったん学費をしっかり貯めようと考え、20歳のときに始めたのがゲームの攻略サイトだった。

流行のゲームタイトルを調べ上げ、SEOを意識してコンテンツを更新。そしてアフィリエイトやアドネットワークを駆使した結果、収益は順調に増加し、1年ほどで法人化した。

やがて、もっとスピーディに売上と収益を伸ばしたいと考え、リスティング広告やSEO対策を請け負う広告代理事業へと事業転換した。若くして数人で数億円を売り上げる企業へと成長したが、逆風が突然吹く。

古賀“MEJショック”って呼んでいるんですが。Googleで大幅なアルゴリズム変更があったことが原因でサイトが飛び、数千万円あった売り上げがゼロになったんです。それでどんどん人も辞めていって、資金繰りも大変になって、最終的に消費者金融から借金して。なんとかしのいでいたんですが、2011年の東日本大震災が決定打になりました。

もう倒産した方がいいというくらい最悪の状況に陥り古賀は、「なぜこの会社をやっているんだろう?」と自問自答する。

再スタートを踏み出すきっかけとなったのは、司馬遼太郎による小説『竜馬がゆく』の一説、「世に生を得るは、事を為すにあり」という言葉だった。

そうだ、自分には志がない──。会社のビジョンも存在せず、事業は他の社員に任せて過ごす日々。正直、「一生このままで楽に暮らしてもいいんじゃないか」と考えながら経営をしていた。だから失敗したんじゃないか。

己を不甲斐なく感じた古賀は、1、2年間、で1000人以上の経営者に会い、働く意味や、会社を経営する意味を聞いて回る“志を探す旅”をした。

やがて出した結論は、「企業というものは、社会問題を解決するためにある」ということ。そして、現在の「社会問題を解決し、人類の進化に貢献する」というMEJのミッションが誕生したのだ。

当時行っていた広告代理事業は、「クライアントにとって他社よりも価格が安い・対応が早い」という価値提供しか出来ていないと感じていた。

もっと自分たちにしかできないことをやろう。そう考えた古賀は、受託事業を辞めることを決意。さらに、社会問題を解決するという観点から、ヘルスケア事業に舵を切ることを決断したのだった。

当初は広告代理事業と並行してスタートさせたヘルスケアEC事業だが、翌年の2012年に広告代理事業からの完全撤退を実現させた。

古賀自分の父親が早くに亡くなったことに対する、未然に病気が防げたんじゃないか、もっと長生きできたんじゃないか、という想いが原体験としてあるんです。やはり明確に事業をやる目的、つまり志がある状態だと、それがない状態と比べてエネルギーの量が全然違う。今からすると、過去の自分はかなりぬるい姿勢で仕事をしていたと思います。

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大手ヘルスケア企業にはない“ネット広告ノウハウ”&“KPIへの執着”

MEJが行っているのは、一般的なECとは一味違う。通常は他社の製品を仕入れて販売するBtoCだが、MEJのビジネスモデルは、“DtoC”(Direct to Consumer)。

自社が作ったプロダクトを直接販売する業態だからこそ、大幅なコストカットが可能になり、高付加価値を維持した状態でユーザーに提供することができる。

提供:株式会社MEJ

さらに将来的には、「ヘルスケア×AIでビッグデータを解析し、顧客が患う可能性の高い病気を予防するための情報や、パーソナルサプリメントを提供する」というような事業を構想している。

その他にも、「お風呂やトイレ、ベッド等にIoTセンサーを設置して、健康状態をスマホでチェックできるようにして、そのデータをもとに、医師からチャットでヘルスケアのアドバイスをもらえるプラットフォームを作る」というように、志をもった古賀からはアイデアが尽きない。

つまり、EC事業は、古賀の考えるヘルスケア×ITの構想の第1歩に過ぎないということだ。

「社会問題が解決できるなら、ヘルスケア領域にこだわらない」と語る古賀だが、古い業界に風穴を空けることには面白さを感じている。

古賀昔からある大手企業が上位を占めているせいで、ヘルスケア業界は変革が起きていません。非常にレガシーな会社が多い領域を変えていくためには、私たちのようなベンチャーが立ち上がらないといけない。AIやIotなどのテクノロジーを駆使すれば、もっと顧客に価値提供できるサービスが作れると思うんです。そして、世界のヘルスケア文化を創造することが我々のビジョンです。

老舗大手もEC事業を行ってはいるが、古賀からすると、「上手くITを活用できていない」という。

従来通り、ハガキやDMで販促していれば、これまで獲得してきた数百万の会員たちは、いつも通り商品をリピート購入してくれる。そんな甘えから、ECに本腰を入れる必要もないというわけだ。

実際、ヘルスケアメーカーTOP10を見てもECがメインの企業は1社もない。それどころか売上は横ばいか下降トレンドの企業が多く、ここ10年ヘルスケア業界は大きな変化を見せていないという。そして、15兆円の市場規模になってもなお、成長を続ける、ECへのパラダイムシフトが、ここ数年で必ず起こるという。

また古賀は、大手ヘルスケアメーカーがEC事業に転換しない裏には、ネット広告の仕組みもあるのではないかと分析する。

たとえばテレビであれば、広告予算を拡大していってもある程度の費用対効果は維持できる。

一方、ネット広告はもっと複雑な世界だ。多様な広告手法や出稿先が存在するインターネットの上では、プロモーションにかけた費用と効果は正比例しにくいオークション制である。

1,000万円出稿して得られた効果は、その10倍の1億円を投下したところで全く10倍にならず、費用対効果が合わない可能性が高いのだ。

そこで強みになるのが、MEJの“ネット広告に対する意識の高さ”。もともと広告代理事業を行っていたからこそKPIへの執着はどの同業他社よりも強い。

どのチャネルから流入してきた購入者が、どの商品を、どれだけ買ったのか。約30万件にものぼるビッグデータから得られるインサイトを活用しながら、デイリーの購買情報を経営チームや現場の社員が分析する。

そのネット広告への高い意識が、顧客獲得効率を維持したまま、ネット広告の露出拡大を可能にしている。FacebookやInstagramなどのSNSが、爆発的に普及したこともあって、なんとスマホ向け広告にかける予算は、単月で億単位に迫る勢いだという。

古賀ヘルスケアECでスマホ広告に単月で億単位の資金を使っている企業は非常に少ない。そこがMEJの優位性に繋がっています。

今はまだプロモーションの場といったらテレビのイメージが強いですが、2020年くらいにはネットの広告費がテレビのそれを超えると言われています。また、購買の中心も、今後店舗からECに変わっていくでしょう。日本のEC普及率はたったの5%ですが、中国など15%以上も普及している国もあり、まだまだ劇的に伸びます。

今の若い世代が年を取って、お年寄りもスマホで買い物をするのが当たり前になったとき、どの会社がメインストリームにいるかというと間違いなくMEJ。そう確信しています。

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社会問題を解決する事業家集団の“Hardthink”なカルチャー

古賀は、国内のヘルスケア領域だけではなく、世界全体を変えるインパクトのある会社を作ることを目指している。その想いの発端となったのは、学びのために訪れたシリコンバレーでの出来事だ。

MEJで初めて新卒採用を行った直後、優秀なメンバーを束ねるためには自分ももっと成長しなければと考えた古賀は、シリコンバレーに飛んだ。

しかしそこで、現地の起業家たちから、「シリコンバレーには世界を変えようと思っている人間しかいない。」と軽くあしらわれたという。せいぜい日本を変えたい程度の目標しかなかった古賀は、自らの視座の低さにショックを受ける。

古賀世の中を変革して、世になくてはならない企業を作りたいと思いました。FacebookやGoogleは数兆円を売り上げているのだから、世界を変えるためには、我々も1兆円規模のグループへと成長しなければ世界は変えられない。

そして、世界レベルの会社になるためには、世界レベルの採用をしないといけません。少なくとも日本で一番優秀な人を採用しようという意識を常に持っています。

“社会問題を解決する事業家集団”を目指すMEJは、とにかく志が高く優秀な人材を採用することに本気だ。将来はグループ年商1兆円を目指し、100人の起業家を育て100個の社会問題を解決すると、古賀は豪語する。一流の採用をするために、中途はヘッドハンティングしかしないというMEJでは、有名企業で圧倒的な成果を出した社員が続々とジョインしているそうだ。

優れた人材を採用するためには投資が不可欠という考えのもと、過去には採用に費用をかけすぎて赤字になったこともあった。

古賀は、「まだ売り上げが小さかった3、4年前から、累計1億円以上もの利益全てを採用に使っていました」という。しかし、だからこそ一流企業の内定をもらった新卒の学生が、それを断ってMEJを選ぶそうだ。

同社が新卒採用に積極的なのは、「ECは新しい業界なのだから、未経験で柔軟な発想の出来る人材の方が力を発揮するのではないか?」と考えているためだ。

また、彼らがスマホネイティブの世代であることも大きい。新卒もマーケティングや商品企画といった仕事の上流で活躍しており、「スマホで育った世代の方がクリエイティブで頭もよくて、私たちよりも全然優秀なんじゃないかな」と古賀は謙遜する。

そんな同社が重視しているのが、“Hardthink”というカルチャーだ。

がむしゃらに働いて気合で乗り切る時代はもう終わった。労働と生産が比例しない時代では、とにかく頭を使って、自身が発揮する価値を最大化しないといけない。

古賀限られた資源で世の中を変革していくために、自分自身を10倍、100倍とどれだけスケールさせられるか。そこを意識して働ける人材にしか来てほしくありません。

たとえば新卒で会社に入ったら、最初はテレアポなどの雑務を任されるかもしれない。僕はそれを文句ひとつなくやれる人の方が怖いんです。『これって必要ですか? アウトソーシングすれば、そのぶん僕は他の業務ができますよね』と言えるメンバーじゃないと、Hardthinkのカルチャーには合わないでしょう。だからこそMEJでは、企業で当たり前に存在している電話も会議も朝礼も禁止しています。

Hardthinkは、“社会的義憤”と言い換えてもいいかもしれない。1人1人が社会的義憤を持って、世の中に対する苛立ちや憤りなどのエネルギーで、世の中を変えていくというのが僕の考える理想の社会。これからの変革期を生き残るのは、Hardthinkできる社会人と企業だけです。

こちらの記事は2017年12月25日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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藤田 慎一郎

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