急成長の鍵は働きやすさ。
CRO市場で存在感増すベンチャー企業のモットーとは?

「社員一人一人に向き合い、働き方を設計する」という株式会社UNCOVER TRUTHのHRチームリーダー藤尾健司氏に取材を行った。

  • TEXT BY FastGrow Editorial
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成果にこだわるプロフェッショナル・スタートアップ

「関西在住のためリモートワークで働きたい」、「子供のクラブ活動のサポートに注力したいので週3日で働きたい」といった社員の声に耳を傾け、柔軟に就業規則を見直しているのがUNCOVER TRUTHだ。

同社は、WEBサイト内でのユーザー行動を可視化するヒートマップツール『USERDIVE』の開発・提供およびWEBサイト改善のコンサルティングを手掛けるスタートアップ企業としてCRO(Conversion Rate Optimization、コンバージョン率最適化)と呼ばれる新たな市場で存在感を増している。

CROとは、商品の購入や資料請求といった「WEBサイト上のゴール」に到達するユーザーの割合を向上させることで企業のWEBビジネスを成長させるという、マーケティング上の考え方だ。

藤尾社員一人一人に多様な生活環境があり、既存の勤務体系で働けないのは仕方ない。個々の能力が最大限に発揮される就業環境を会社側が考えればいい。

UNCOVER TRUTHでは、プロフェッショナルとして働く限り、自分のライフプランに合ったスタイルで働くことが出来る。その勤務体系の柔軟さゆえ、

藤尾UNCOVER TRUTH以外の会社で入社やキャリアアップを断念した優秀な社員を確保できている。

実際、リクルート出身の社員は5時までの時短勤務制度を活用し、ソフトバンク役員の直下で実務経験をもつ女性は、週3日のみ勤務という希望を会社に伝え、受け入れられた。

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オープンコミュニケーションで社員の相互理解を促進。業務効率化のメリットも

組織の設計思想として「オープンコミュニケーション」を掲げるUNCOVER TRUTH。

一部の社員が変則的な就業規則で働くとき、その理由を他の社員に伝えない企業も少なくはない。その結果、事情を知らない社員から「あの人だけ早く帰るのはずるい」等の不満が出てしまうこともある。

UNCOVER TRUTHではこのような不満も、コミュニケーション(情報)をオープンにすることで解決している。

藤尾社員の相互理解が深まれば、自然と相手を尊重できるようになる。

情報をオープンにするのは、勤務体系に対する理解のためだけではない。

「業務上生じるやり取りは全てコミュニケーションツールのチャット上で行い、必要に応じて他の社員からもタイムリーなサポートをしてもらえるようにする」

「個人情報に関わること以外(で業務上必要と思われること)は全社員に共有し、何かあった時にスムーズに対応できるようにする」

といったように、日々の業務から"オープン化"を徹底することによって業務効率をも向上させるのがUNCOVER TRUTH流だ。

情報のオープン化によって、2つのメリットが生まれている。

1つは、全社員がいつでも・どこでも情報を取得できるため、リモートで働く社員も不便なく業務を進められること。

2つ目は、Slackなどのビジネス用チャットツール上で関係メンバーが即座にフィードバックしあい、アウトプットの質を向上させることが出来ることだ。これは同時に意思決定のスピードアップも実現している。

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新制度で大切なことは“まずはやってみる”& 細かいフィードバック

同社が制度を作る上で、"オープンコミュニケーション"の他にもう一つ大切にしていることがある。それは"まずはやってみる"という精神だ。当然のことながら、新制度は導入してみるまでうまくいくのか、何が課題になるのかわからない。

藤尾まずはやってみることが大事です。そして細かいフィードバックを重ねながらアジャストしていく。このスタートアップ×プロフェッショナルカルチャーが、人事制度にも生きています。

例えばリモート勤務を希望する社員がいた場合、

藤尾リモートで勤務する際の障害は何か。それを社員が乗り越えるために会社としてどのようにサポートできるかを考えます。新制度を導入し、成果が出るのか、本当に働きやすくなるのかなんて、やってみるまでは誰にもわかりませんから。

重要なことは、そのような勤務体系を実現したうえで成果を出すための方法を模索することだ。

もちろん新しいことに挑戦する分、失敗する施策もある。

「栄養価の高いものを朝から食べて社員の健康増進をはかり、生産性を向上させよう」というコンセプトのもと導入された『朝食会』がその例だ。

「体に良い栄養価は何か」、「何時に食事すればいいのか」、「社員の食べたいものは何か」という点を考慮し、有名食品企業や某国大使館のメニューの監修経験者に朝食作りを依頼して実施。

入念な準備を経て実現にこぎつけた取り組みだったが、いざ実施してみると「朝食会に参加すると朝の通勤ラッシュと被るため行きたくない」という意見が出る等、残念ながら社員からの支持を得られず、この取り組みは早々に中止されることとなった。

この失敗は、トライ&エラーの重要な経験値として、その後の制度企画に生かされている。

このように、社員の希望を可能な限り受け入れるUNCOVER TRUTHだが、社員は何の制限もなく自由が与えられているわけではない。

自由と責任は同居する。自己の業務に責任を持ち結果を出すことと、仲間に配慮した行動をすること。自由な働き方が認められているからこそ、この2点への妥協は許されない。

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社員1人1人が働きやすい環境を整備し、最大の結果を出す

「あくまでもプロフェッショナルであること」

そもそも自由が与えられているのは、楽に働くためではなく、社員1人1人にとって働きやすい環境を整備することで、最大の結果を出すためであるからだ。

1年前には時短で働く社員もいなければ、週3回勤務の社員もいなかった。数年後、この組織はどういった変容を遂げているのだろうか。

藤尾優秀な社員たちが、個々のライフスタイルを維持しながら働くためにはどうすればよいのか。会社としてできることがあればすべて試す。それが社員の生産性を上げることになり、結果として会社の成長に繋がると信じています。

こちらの記事は2017年06月26日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

FastGrow編集部

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