連載FastLabel

「ぶっちゃけAIスタートアップってどう?」──時代を先取りする希少なキャリアの選び方、その本音をFastLabelの現場中核メンバーに訊く

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インタビュイー
梶野 瑛介

株式会社プログリットに入社後、英語コンサルタント/カウンセリングに従事し、大手コンサルティング、エグゼクティブ層をメインに担当。その後、株式会社Speeeにてフィールドセールスで、株式会社アペルザにてインサイドセールス及び営業企画に従事。2023年1月よりFastLabel株式会社に1人目のインサイドセールスとして参画し、インサイドセールス部門の立ち上げやSales Ops構築を担う。

小田 萌未

新卒で株式会社ワークスアプリケーションズに入社後、首都圏の大手企業様向けにERP・人事業務システムの法人営業に従事。2019年8月に株式会社ヤプリへ転職、福岡支社のフィールドセールス部門の立ち上げに携わる。2022年12月よりFastLabel株式会社に1人目のフィールドセールスとして参画し、アノテーション代行事業の営業責任を担う。

塚本 賢一郎

上智大学大学院理工学研究科修了。新卒で株式会社ワークスアプリケーションズに入社後、東海エリアにて主に大手製造業を中心にERP・人事業務システムの法人営業に従事。2022年9月よりFastLabel株式会社に参画し、パートナーアライアンスを統括。

菅沼 慈英

新卒でWebサイト制作会社に入社後、エンジニア兼ディレクターとしてサイトの構築・運用に従事。その後、SaaSスタートアップの株式会社Magic Moment にて、フロントエンドやバックエンド、インフラ、CI/CD など幅広い領域を経験。2023年1月よりFastLabel株式会社に参画し、 データセットおよび アノテーション領域におけるSaaSプロダクトの新機能開発を担当。

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社会にAIの衝撃が走っている。直近のニュースや出版から、ビジネスやサービスの中核を担うテクノロジーとしてAIが急速かつ深く浸透しつつあることは一目瞭然だろう。一方、その技術開発には避けて通れない学習のプロセスがあり、そこで求められるのが大量かつ精度の高い教師データだ。アノテーションは、この教師データの作成にあたる業務である。

このアノテーションに着目し、企業のAI開発を支援することで急成長を遂げたスタートアップがFastLabelだ。なぜアノテーションに挑むのか、そしてどんな未来をめざすのかをCEO上田氏に聞いた連載1記事目の記事では、FastLabelを取り巻く市場と事業戦略の確度について理解を深めた。そして連載2記事目では、同社のビジネス組織を統括する藤原氏と営業責任者の平野氏が、コンサルティングという業務を通じて見えるFastLabelの魅力と得られる経験の価値を熱く語ってくれた。

そして今回登場するのは、FastLabelの事業開発、セールス、そして開発を担う現場の中核メンバー4名だ。現場を担うメンバーのリアルなエピソードから浮かび上がる、FastLabelの実態と魅力を体感していただきたい。

  • TEXT BY YUKI YADORIGI
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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AI領域に挑むなら「今だ」とほうぼうから集った精鋭たち

前回の記事では、ビジネス組織を統括する藤原氏や営業責任者の平野氏のように、外資系コンサルティングファーム出身者が、前職の経験を活かして事業を牽引していることが明かされた。それに加え、同社代表取締役CEOの上田氏がエンジニア出身であること、AI領域の中でもアノテーションというユニークな領域で事業展開をしていることから、組織の構成比がプロフェッショナル人材に偏っていると見受けられたかもしれない。

しかし、同社には実に多種多様なバックグラウンドを持った人材が前職の経験を元に活躍している。今回はそれを象徴するように、事業開発、セールス、そして開発を担う現場の中核メンバー4名を招待した。

まずは4名のプロフィールと転職経緯を聞いていこう。それぞれ異なる職種と転職軸を掛け合わせてキャリアを歩んできたメンバーだが、FastLabelジョインまでの間に経験してきたことの密度は相当に濃い。

小田私は代表の上田と同様にワークスアプリケーションズでキャリアをスタートし、約3年間首都圏のエンタープライズセールスを担当していました。その後ヤプリに転職し、福岡支社のフィールドセールスの立ち上げを経験しています。

当時の転職理由としては、地元である福岡で、東京と同水準の条件で働きたいというのが正直なところでした。そのような考えで会社を探していたところ、ヤプリ福岡支社の立ち上げの話を聞き、前職の経験も活かせるので最適だと考えるに至りました。

しかし、当時地方にはまだSaaSそのものが浸透しておらず、東京の価格帯で売ることにはかなり苦戦しました。もちろんその経験自体は非常にチャレンジングだったのですが、改めて東京のお客様に対するセールスに挑戦したいと感じていた頃、代表の上田から「リモートでエンタープライズセールスができる」と声をかけてもらい、願ってもいない条件だと思って転職を決めました。

AI Data Operation Department / Field Sales Unit 小田 萌未氏

梶野プログリットでは、英語コンサルタント・カウンセラーとして大手コンサルティングファームのエグゼクティブ層のお客様を主に担当していました。その後に転職したSpeeeでは関西エリアのフィールドセールスを経験し、アペルザに転職後はインサイドセールスや営業企画を経験しました。

このキャリアの中で今の仕事に一番活きていると感じるのは、プログリット時代、ある意味スタートアップらしいプレッシャーのかかる環境を経験できたことでしょうか。プログリッドに入社した当初はまだメンバーも数える程度で、サービスもあるようでないような状況でした。「明日までになんとかこの仕事を形にしなければ」というような日々が、どんな状況でも「やらねば」と思える強さを育んでくれた気がします。

菅沼僕も前職のMagic MomentでシリーズAからシリーズBまでのスピード感を経験したことが、現職に役立っていますね。梶野が言っていたような厳しいオーダーも結構あったので、その対応力のようなものが身についたかな、と。

塚本私の場合は前職のワークスアプリケーションズでエンタープライズセールスを経験し、そこでビジネスマンとしての基礎体力を鍛えられました。右も左もわからない中で、お客様と会話するときの期待値コントロールや営業スキルを学べたことは、今に活きていると思います。

なるほど、4名ともスタートアップ特有の荒波やSaaSにおけるセールスの難しさなどを体感しながら、ビジネスパーソンとしての素地を鍛えてきた面々ということだ。キャリア形成の重要さや得られるスキルについても高い感度を持つ中、転職時はFastLabelの事業領域にどのような期待を寄せたのだろうか。同社が「AIインフラを創造し、日本を再び『世界レベル』へ」をパーパスに掲げていることを前提に、当時の思いを振り返ってもらった。

菅沼AIに対しては、漠然とですが「面白そうだ」と思っていました。AIやSaaSを扱う前提としてソフトウェアエンジニアのスキルが重要で、フロントやバックを開発してきたスキルをベースにAIに携わることができる点に興味を持ちました。今ここに関わっておかないともったいないなと。

小田確かに、「今」というのはありますよね。私が入社を決めた頃はまだ『Chat GPT』 などの話題性に富んだプロダクトはありませんでしたが、20~30年後を見据えたとき、AI領域は間違いなく伸びますし、競合も少ない今から挑んでおけばキャリアの価値が高まりそうだな、という感覚でした。

特に私の場合は福岡で働き続けたいので、独自のポジションを築いていくことが大切だと考えていまして。エンタープライズセールスとAIを掛け合わせれば、希少な人材になれると確信しました。

梶野なるほど。僕は前職のアペルザでの経験が、二人と同じような「今だ」という確信をもたらしました。

製造業界向けのマーケティング支援をやっていて、お客様からAIに対する注目が集まっていたことを目の当たりにしたことがきっかけだったんです。あるお客様の外観検査の処理速度が速いことに驚いたとき、その裏側をFastLabelが支援していたということを知りまして。その2ヵ月後にはFastLabelに応募しました。製造業界はちょうど昨年の2022年がAI元年とも言われていましたが、まさに先行者利益を得られるタイミングだな、と。

Marketing & Sales Ops Department / Inside Sales Unit 梶野 瑛介氏

塚本私の場合、実は、転職にあたってAIというキーワードをそこまで意識していたわけではないんです。ただ、成長していく会社に身を置きたいという気持ちはありました。非連続的に成長し、新しいポストが生まれるような会社で経験を積みたいと思ったんです。そういう観点でFastLabelがやっている事業は業界でも非常にユニークだったので、今後の将来性が期待できると思い、転職を決めました。

小田塚本が言うように、新しいポストが生まれてくる、あらゆるフェーズを体験できるのは面白いところですよね。私の場合、1社目のワークスアプリケーションズでは100からどれだけ拡大できるかというフェーズ、2社目のヤプリでは10→100フェーズ、そしてFastLabelでは現在1→10フェーズを経験できています。

また、FastLabelでは今後どんどん0→1フェーズにも挑戦していくので、私自身そこに関わっていきたいなと感じています。

そもそも、社会を大きく揺り動かすAI領域に先行して取り組めることは、キャリア形成という観点で大きな価値がある。それに加えて、広く業界にアプローチできる事業を持ち、0→1と1→10両者の事業を持つFastLabelには、さらにキャリア形成の観点で“旨み”がある。そんな確信が4名それぞれの転職を後押ししたようだ。

それぞれの転職ストーリーを知れば、自身の人材価値を高めるためにどんな環境と経験が必要かを日頃から考える読者は、ホットなAI領域かつ非線形な成長曲線を描く企業に身を投じることの価値が伝わったのではないだろうか。

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事業領域、経営思想、経営戦略、ぜんぶが「面白い」につながる

「将来性を確信できるAI領域で、自身のキャリア的価値を高めるスキルを磨こう」。このキャリアの方向性には、共感する読者も多いのではないだろうか。とはいえ、それだけで転職の選択肢を絞りきるのはやや軽率かもしれない。実際にFastLabelに入社したからこそ見えた風景について聞いていこう。

塚本入社前に代表の上田と話した時、教師データの価値の高まりやAIの仕組みについて理解を深めることで、FastLabelが取り組む事業の必然性や将来性に対して非常に納得できました。目の付け所がユニークかつシャープだなと思ったんです、投資家目線みたいで偉そうな感じですが(笑)。

実際に入社してから、課題感の根深さやペインの大きさを痛感しました。そしてお客様と対話を重ねていくことで、課題の内容に対する解像度も上がってきて、改めてパイプラインが見えてきている実感があります。

Business Development Department / Partner Alliance Unit 塚本 賢一郎氏

小田FastLabelの事業戦略について言えば、「シリーズAを生き残るための戦略がすぐれているな」と思いましたね。

エンタープライズのお客様を対象にすると、プロダクトの提案を始めてから、実際に導入が決まり、運用が始まって対価を得られるまでの長いリードタイムが、スタートアップにとってなかなか取り組みにくい理由になりがちです。

ですがFastLabelは、アノテーション代行やデータコンサルティングといった、短期で対価を回収できる受託案件にも強みがあるので、それを起点にエンタープライズのお客様と信頼関係を結びやすい流れができているんです。シリーズAでしっかり資金調達しつつ、お客様からもフィードバックをいただき、プロジェクトの改善につなげていける仕組みがすごいな、と。

この事業戦略の確度についてより紐解きたい方は、ぜひ連載1記事目で語られた上田氏の経営方針に込められた想いについても併せて読んでみてほしい。企業がAI開発に苦しむ姿を目の当たりにしてきた上田氏だからこそたどりついた戦略は、各部署の中核メンバーが納得感をもってスキルを最大限に発揮できる環境の礎になっているようだ。

FastLabelの魅力をトークテーマとして対談はさらに盛り上がり、それぞれの実体験も含めたエピソードが続いた。

梶野それと、僕が入社して感じた魅力としては、意思決定の速さや営業手段の柔軟さがあります。例えば、AI関連の展示会に来場者として参加しても、「意思決定者は誰か?」などと気をもむ必要がないので、「その場で“逆営業”をかけられそうだな」といった発想を柔軟に持つことができます。中堅・大企業だと足取りが重くなるプロセスもストレスなく進められるところは、自身の仕事のやりやすさにつながっていますね。

菅沼私が感じたのは、経営者のバックグラウンドによって、プロダクトに対する目線や定義の決め方も変わるということです。私は前職でも自社プロダクトの開発に取り組んでいたのですが、代表が営業出身だったこともあり、プロダクト開発は上から降りてきた方針を形にしていくような印象がありました。

一方、FastLabelは代表の上田がエンジニア出身です。Fastlabelでは実際にお客様の声を聴いてプロダクトを作る、ユーザー志向の開発に結びついているのかもしれません。もちろん、技術領域に対する理解の深度にも違いを感じます。

Development Department / Dataset Unit 菅沼 慈英氏

塚本特にアノテーション領域はお客様によって向き合うテーマが大きく異なりますからね。小さくプロダクトを出して、フィードバックをいただいて改善して……という作り方が合っているのでしょう。

菅沼そうですね。アノテーション領域はAI開発の下地にあたる部分だからこそ感じられる面白さがあります。業界を幅広くカバーできること、そこでお客様と向き合いながらプロダクト開発に反映させていけることは、魅力だと思います。

どこまでもお客様の課題に真摯に向き合うプロダクト作り。そこに交差するアノテーション領域という独自のポジション取り。その交点にある価値を現場でダイレクトに体感しながら働く4名からは、FastLabelだからこそ得られる働きやすさや事業に対する納得感といったものがひしひしと伝わってきた。

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アノテーション「だけ」じゃない、得られた新しい視点と経験

アノテーション領域を通じてAI開発プロセスの基盤を支えるという構想はFastLabelの独自性であることは言うまでもないが、現場で働く中核メンバーはその意義や、働く妙味をどのように理解しているのだろうか。

連載2記事目に登場した藤原氏と平野氏は、「本質的なコンサルティングができる」という喜びを踏まえつつ、その先にあるAI領域のリーディングカンパニーとしての抱負を語ってくれた。彼らが語ってくれた文脈との違いも味わいつつ、それぞれの言葉に耳を傾けてみよう。

小田最初はFastLabelをアノテーションの会社だと思って入社しましたが、実際の提供価値はそれだけではありません。少しかっこよく言えば、「データでAI開発を安定させて、世の中を良くしていく会社」なのかな、と思います。

というのも、AIにおけるデータと結果の相関性を明らかにしていけることこそ、FastLabelの独自性だからです。

梶野FastLabelがAI領域全体の裏側を支えている会社だからこそ、身近なAI技術の裏側がどうなっているのか理解できるというのは入社して気づいたことのひとつです。

例えば、水族館に行ってスマホをかざすと魚の種類の解説が出てくるといったようなサービスを目にすると、「このサービスにはこんな技術が使われているな」「アノテーションがこの精度を支えているんだな」と考えるようになりました。

日々の生活の中で目にすることも多くなったAIを活用したサービスやプロダクトの数々。それらすべての精度向上を支えるアノテーションに自身が当事者として関わることは、社会に対するまなざしの変化にもつながっているようだ。一方の菅沼氏と塚本氏は、もうすこし実務に近いところでFastLabelに対して感じることを語ってくれた。

菅沼エンジニア視点ではフルスタックな経験が積める会社だな、と感じています。これはアノテーションだからというわけでもありませんが、やはりフロントとバックが分かれてしまうとコミュニケーションコストのようなものも大きくなってくるので、一貫しているからこそ出せるパフォーマンスのようなものはあると感じています。

塚本私の立場ですと、関われるステークホルダーが幅広い会社だと感じています。まず、AIを扱う企業や研究機関、大学など、さまざまな立場の方々と新しいことに取り組める。そして、多岐にわたる業界のコア事業を支えることができる。さらに海外マーケットまで視野を広げるケースもある。

その都度コミュニケーションの仕方や関わる業界の“イロハ”が変わっていくので、日々頭のスイッチを切り替えていくところが面白いんですよ。

梶野わかります。塚本さんの話に加えると、多彩な業界に携われるからこそ、言い換えれば特定の業界課題を解決する知見も得られるとも思うんですよね。

前職でAIに興味を持ったきっかけが、いわゆる英語のテストを作ろうというプロジェクトが立ち上がったときでした。あのとき、もっとデータベースに関する知見や発想があれば、当時の構想を実現することができたのかもしれません。ですから、何らかの業界課題を解決していきたいという想いをもつ方もFastLabelで経験を積むと、解決策を見つけられる面白さを感じられるのではないかな、と思います。

AI開発に挑む企業であれば、どんな業界であってもアプローチできる。そんな網羅性を特徴とするアノテーション領域だからこそ、フルスタックな経験や幅広い人々との交流、そして自身の課題意識に紐づく発見といったものが得られる。繰り返し彼らの口からこぼれた「面白い」という言葉は、熱量高く働けていることの証とも言えるだろう。

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100社以上の実績で重ねた信頼と、新規事業で拡張する提供価値

4名の実体験や想いを重ねていくことで、現場視点でのFastLabelの解像度がだいぶ高まってきたのではないだろうか。ここで一度、同社が今どのようなことに取り組んでいるのか、実績ベースで見ていこう。

塚本現在、Fastlabelは100社以上の実績・事例があり、多岐にわたる業界に対してノウハウを持っていることをお客様に訴求することができる状況です。

例えば、ミニトマトの自動収穫ロボット開発に取り組むお客様に対してアノテーションデータのクラウド一括管理ソリューションを提供したり、デジタルマーケティングに取り組むお客様に対してSNS投稿データ分析用のアノテーション支援を行ったりと、各業界のニーズに応じた解決策を提示してきた実績を豊富に持っています。

梶野一例を挙げると、医療系AIサービスにおいて注目されるスタートアップ企業、ユビー様に対し、医師と患者の会話からカルテを自動生成する新サービスの精度向上に資する会話コーパス作成支援をさせていただきました。

医療系AIは個人情報を多く含むデータを扱うため、法的な観点をクリアするハードルが高いだけでなく、現場の医療従事者の方々にアノテーションの作業をお願いすることはコスト観点から現実的ではありません。こういった業界ならではのペインに対し解決策を提示できたことは、他の医療業界の皆様への営業においても高く評価いただいている部分です。

ちなみに連載1記事目の上田氏のインタビューでは、FastLabelが提供する“データの質”というテーマに触れつつ、これまで提供してきた実例にも触れている。そちらも併せて読んでいただけると、FastLabelの実績の幅広さがより理解できるだろう。

ここに加えて、塚本氏が率いるデータアセット事業については、アノテーション支援とは異なる“データ活用の幅”といったテーマでの面白さも見えてくる。

塚本データセットの販売事例として、日本人の感情解析向けデータセットがあります。話者の音声から、悲しみ、焦りといった数種類の感情を識別することを目的として、大手通信系企業のコールセンターの対応効率化に導入いただきました。

また、ユニークな事例としては、噓発見器を開発するお客様にも本データセットの引き合いを頂いたりしています。このデータセットはプロの声優さんに声を入れていただいて作ったもので、非常に精度は高いものの本物の感情は反映されていません。そのデータアセットの特徴を生かし、本物の感情と偽物の感情の区別を進められています。

データセット事業という新たな矢が放たれたことで、ますますAI開発に対してFastLabelが提供できる価値の幅は広がっていることがうかがえる。こうした支援する手段やノウハウの豊富さに加え、お客様から獲得した信頼を基盤としたビジネス拡張の兆しについて小田氏が紹介してくれた。

小田最近ですと、各部署でさまざまなAI開発・研究に取り組む大手総合電機メーカーのお客様から、複数部署のアノテーションを担当してほしいというご相談をいただきました。やりとりしていた担当者の方から社内に口コミが広がったことが、こうした引き合いにつながっていることをうれしく思います。

また、直近ではある建設会社から建築現場における作業者の危険を軽減するためのアノテーションについてご相談いただきました。現在はアノテーションのみを行っているのですが、FastLabelには高い期待を寄せていただいており、今後ここから新たな事業創出といった広がりについても検討しています。ひとつのご相談から次の商談が見えてくる流れが増えていることに、FastLabelが展開する事業の確度を改めて感じます。

これほど多くの期待を寄せられ、引く手あまたの環境に飛び込むことは、セールスや事業開発、そしてプロダクト開発に携わる読者にとっては、魅力を感じるところではないだろうか。連載2記事目で藤原氏と平野氏が語ってくれた「コンサルティングを担う者が感じる魅力」と重ねて、今回紹介された実績を振り返ると、改めてお客様の課題に対して具体的な解決策を提示できるFastLabelの魅力が引き立ってくるだろう。

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「お客様のために」が当たり前のように共通言語に。
それが生み出すストレスフリーな部署を超えた連携

しかし、実績を振り返ると気になってしまうのは、これほど多くのニーズに応えなければならない事業モデル、そして外資系コンサルティングファーム出身者がVPを務める組織であれば、その実行を担う現場は、さぞ殺伐としているのでは?ということ。

FastLabelのカルチャーはどんなものなのかおそるおそる4名に聞いてみると、そんな不安を払拭するエピソードが返ってきた。

塚本現在データセット事業のラインナップを増やしていくフェーズなのですが、その中で機能開発の相談を開発の菅沼にしています。菅沼の仕事はとても丁寧で、疑問点を先回りして回答を準備してくれるケースも多く、本当に助かっていますね。

菅沼Bizメンバーとの連携がスムーズなことは、私自身のやりやすさにもつながっています。どう販売していくか、ビジネスとしてどう展開していくかといったエンジニア側が見えていない視点をくれるので、それを受けた機能の方向性を検討できます。

小田二人が申し上げた通り、ポジション問わず、コミュニケーションにおけるストレスがかからない組織ですよね。全員が「お客様のために」というスタンスを共通して持っているからこそ、やるべきことはみんなやる。それはある種のキラキラした“スタートアップ”の印象から離れた地道な仕事なども含めて、です。

塚本小田の言っていること、すごくわかります。FastLabelには落ちているボールを拾いに行く文化が根付いています。だから、「やらなければならないこと」を、全員がめっちゃやるんですよ。性格として素直な人ばかりが集まっている組織だな、と思います。

梶野本当にそうですね。とはいえ今はまだカルチャー醸成の途中…成長過程の組織ですから、これからジョインする方は、事業立ち上げや組織拡大のプロセスも経験できるでしょう。いろいろな景色を見られることも含めて、楽しみな会社だと思います。

「まだカルチャーが確立されていないが、落ちているボールは全員が拾いに行く」という話は、実は連載2記事目でも登場していた。決してぬるい環境ではない。しかし「お客様のために」という共通言語があるからこそ、そこにストレスはない。この実感は、ポジションを問わずFastLabelのメンバー全員が感じていることなのだろう。

ポジティブにハードシングスを乗り越えていける連携力は、FastLabelのカルチャーとして芽吹き始めた種子なのかもしれない。

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マーケットとデータの乗算、その解は無限に描ける

各ポジションからFastLabelの“今”を推し進める4名は、実に多くのエピソードと多角的な視点からFastLabelの魅力を語ってくれた。これでも十分読者に伝わるものは多かったと思うが、最後のSECTIONではこれからジョインしたいと思う読者に向けて、FastLabelが今後歩んでいく未来のほんの一部を、それぞれの目標を通じて垣間見せよう。

梶野アノテーションに強みを持つことはFastLabelの最大の特徴ではあるものの、今後はそれだけにはとどまりません。塚本がリードしているデータセット事業を確立していったり、アノテーション領域以外のAI開発プロセスにも挑戦したりしていく予定です。何と何をかけ合わせ、どう立ち上げるかを考えていくところは、今後ますます面白くなっていくでしょうね。

塚本梶野が言ってくれたことは、つまり戦略を立てることなんだと思います。現在、マーケットに対してデータを軸に戦略を立てるというところは、まだやりきれていない部分でして。例えば音声のアノテーションや既成のデータセットをどのマーケットにどう販売していくか。そこを見極めていくことが大切なのかな、と。

菅沼私としては、開発組織をスケールさせていきたいですね。有難いことにお客様から沢山の要望をいただいているので、それらをしっかりと形にしていき、お客様にとって価値あるプロダクトを提供する。それにより、FastLabel は更に進化していくと考えています。あとは、エンジニアとしても成長、進化できる環境を作っていきたいですね。現状に満足せず、先々を見据えたチャレンジングな組織を作りたいです。

小田事業拡大に対して私が今後できることを考えてみると、改めて「プロダクトをどう作るか」というところにも携われることが思い浮かびますね。

一般的な営業は、すでにあるプロダクトをどう売るか、商談のストーリーを描くことが重視されるものだと思います。一方FastLabelは、セールスチームが持つビジネス側の視点を、プロダクト開発にも反映することができる環境です。どんなプロダクトを作り、どう届けていくべきか。その視点を持ちながらこれから働いていけることは、営業に携わる者として貴重な経験だと思います。

FastLabelがアノテーションの先に描く事業展開については、連載1記事目、そして2記事目も併せて読んでもらうことで、さらに解像度が高まるはずだ。そしてそれを実行に移していく立場で今回4名がここまで語ってきた体験談や想い、そして目標は、この記事をここまで読んできた読者が今後ジョインすることで体感できるであろう等身大の言葉だ。

今、FastLabelにはご覧の通り多くの魅力的なボールが転がっている。それらをすぐにでも自ら手に取りたいと思った方は、ぜひFastLabelの一員になっていただきたい。

こちらの記事は2023年05月19日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

宿木 雪樹

写真

藤田 慎一郎

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