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世界が注目するトップメーカーを支える、グローバル製造業の裏方。
56年前から製造業を変革し続ける、ミスミを知っているか?

インタビュイー
中川 理恵
  • 株式会社ミスミ(現・株式会社ミスミグループ本社) FA企業体 代表執行役員 企業体社長 

2003年、FAメカニカル事業部 FA国際チーム ディレクターとして株式会社ミスミ(現:株式会社ミスミグループ本社)にジョイン。現在海外の事業展開へ積極的に取り組んでいる同社のFA事業をFA企業体 代表執行役員 企業体社長として統括。

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スタートアップ界隈で、「ものづくり産業」が注目を浴びはじめている。ロボットや IoT 機器など、自動化・データ化を駆使した最新テクノロジーで既存産業を変革する、ものづくりスタートアップが隆盛しつつあるのだ。

しかし考えてみれば、かつては世界第2位の経済大国であった日本にとって、ものづくりは「得意中の得意」である領域だ

そして、日本の製造業を裏方として支えてきた、この企業をご存知だろうか──精密機械部品を扱う、ミスミグループ本社(以下ミスミ)だ。

創業56年のミスミの主力事業は、FA用部品(工場の自動化を支える自動機の部品)や金型用部品(自動車や電子・電気機器に使われる金属の部品)の製造・販売。国内企業のみならず、世界トップクラスの製造メーカーとも多数取引している。製品とサービスの品質の高さは、海外の顧客から「インダストリアル・スタンダード」と評されているほどだ。さらには、メインの機械部品のカタログ販売事業の媒体を「紙→Web→CAD」と移行させ、エンジニアに向けた新規サービスを仕掛けるなど、世の中の潮流に合わせて挑戦を続けている。

本記事では、“世界のミスミ”の裏側に迫る。2019年10月現在、世界104拠点を擁するミスミがグローバルで高いプレゼンスを発揮し続けられる理由と成長の軌跡、そして若手にも積極的に海外経験や裁量のあるポジションを任せていく組織環境まで、ミスミのFA事業を統括する中川理恵氏に訊いた。

  • TEXT BY ISSEI TANAKA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY MASAKI KOIKE
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新興企業が製造業界に参画しても、ミスミが“揺るがない”理由

「製造業はいま、大きな変革期を迎えています」

中川氏はそう切り出す。ドイツが推進するものづくりの革新「インダストリー4.0(第4次産業革命)」の余波を受け、AIやIoT技術などが日本の製造業にも導入されつつある。

唱えられているコンセプトは、「スマートファクトリー(考える工場)」。工場内のあらゆる機器類や管理システムをインターネットに接続し、生産工程を自動化することで、コストの最小化やマスカスタマイゼーション(顧客ニーズに合わせた一つひとつのカスタム製品を、大量生産と同等の生産効率で製造すること)の実現を目指す。創業から50年以上、製造業の第一線を走り続けているミスミにとっても、この動きは見逃せない。

また、目まぐるしい業界変化に伴い、ものづくりのためのプラットフォームやスタートアップ企業の参入も見られる。中川氏は「予想もしていなかったような、ものづくりプレーヤーが現れています、これはとても面白い動きです」と迎しながら、「けれども負けるつもりはありません」と自信をのぞかせる。

株式会社ミスミグループ本社 FA企業体 代表執行役員 企業体社長 中川理恵氏

中川創業から56年もの間、日々のご注文に対して短納期で生産し、お客様とお約束した納期に確実にお届けし続けてきたミスミの現場力は、どこにも負けません。

ここまで言い切れる自信の源は、どこにあるのだろうか。その答えは、ミスミのコアコンピスタンスや革新の歴史を紐解いた先に隠されていた。

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50年以上前から、「時間削減」にコミット

ミスミの事業について、中川氏はその本質を「時間削減」の一言で表す。

中川創業から一貫して、お客様の「時間削減」に寄与することにコミットしています。装置設計のエンジニアが手がける作業には、部品情報の収集や調達といった、「必要だが、低付加価値」なものも多く含まれている。

そこでミスミは、お客様のムダな時間を削減する商品やサービスを通じ、世界で戦うエンジニアにより創造的な生産活動に集中してもらうための「時間価値」を提供しています。つまり、製造業全体の生産性を高めているんです。

ミスミが取り組む事業は、大きく2つ。ひとつが、メーカー事業だ。FA製造装置用の部品や金型部品などの製造・生産プロセスの効率化、商品領域の拡大を進めている。もうひとつが流通事業。他社ブランド製品を含めて品揃えを拡大することで、「製造現場で使用する多種多様な部品をワンストップで調達したい」といった顧客の要望に応えているのだ。

取引する企業数は、海外企業18.5万社、国内企業11.6万社。日夜メディアを賑わせ、世界中のビジネスパーソンが一挙手一投足を注視しているようなグローバルメーカーとの取引も多い。国内はもちろん、海外の大手顧客からも「ミスミが僕らの納期を支えている」、「自社が発注する装置メーカーには、納期が確実なミスミから部品を調達してもらうようにしている」など、「製造業の納期を支えるインダストリアル・スタンダード」として絶大な信頼を寄せられているというから驚きだ。まさに、日本を代表するグローバル企業といえよう。

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製造プロセスの常識破り。標準納期2日を実現

ミスミが製造業界で揺るぎないポジションを築けている要因は、FA事業の「4つの強み」にある。「標準化設計力」「MTO(Make To Order、顧客のオーダーを受注後に生産するビジネスモデル)でも確実短納期」「設計ソリューション」「グローバルネットワーク」だ。

これらを根底で支えるミスミの生命線が、確実かつ迅速な納品を何よりも重視する「時間戦略」だ。この戦略が、メーカーからの指名を集められる理由でもある。しかしながら、この「時間戦略」を磨き上げるまでの道のりは決して平坦ではなく、“挑戦の歴史”だったという。

中川実は40年前までは、部品が手元に届くまで、2週間から4週間ほどを要するのが常識でした。お客さまは、必要な部品を一つひとつ図面に描き起こし、数多くある部品製造メーカーに見積もりを依頼。都度、価格や納期を確認していたんです。

ミスミは「標準規格化」によって、その実状に大きな革新をもたらした。

まず、部品の製造手法を革新した。従来は、部品一つひとつについて、詳細な図面を書いて注文する「特注対応」が常識だった。しかし、ミスミは主要な部品の規格を「標準化」したのだ。数字やアルファベットの組み合わせで800“垓”(「垓」は数字の単位で、1兆の800億倍)もの注文パターンを用意することで、Web上や紙のカタログから材質や寸法を指定するだけでプロセスを完了することが可能になった。

図面作業や価格・納期の見積作業といったプロセスを、大幅に削減したのだ。とある顧客企業は、ミスミの標準規格化によって、300枚も作成していた類似の部品の図面を「たった2枚」のカタログページに集約し、70%のコスト削減を実現したという。

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競合を圧倒する「納期遵守率99%以上」。リアルタイムに届ける生産、情報、物流の最適化

さらに、ミスミが競合を圧倒するのはスピードだけではない。「納期遵守率99%以上」が端的に表すように、納期の確実性も群を抜く。どんな競合でも、あらかじめ決められた量なら短納期で完成させることは可能だが、「いつ、どれだけの量の注文が来ても確実に届ける」ことは容易ではない。

どのような状況でも「安定的に確実短納期」を実現するために、ミスミは生産だけでなく、トータルサプライチェーンの磨き込みを行っている。

まずは生産の効率化だ。膨大な商品バリエーションから受注する部品を確実短納期で届けるための鍵は、生産過程の部品「半製品」だ。ミスミの大規模な生産拠点の一つ、ベトナムの工場で大量生産される半製品は、各消費地の工場に送られる。そして顧客の注文に応じ、最終商品に仕上げるという。

また、特にこの数年間は、「2つの投資」を強化しているという。ひとつは情報システム。地域別顧客ニーズに最適化した新ECサイト展開を、前倒し実行中だ。もうひとつは物流だ。世界各地での確実短納期を強化するため、物流拠点の拡充や在庫の拡張を実施。サプライチェーン全体で、日々「いかに早く、確実にお客様に商品を届けるか」を追求しているという。

何より、ミスミがこうして効率化を徹底できるのは、「納期遵守率」への高い意識が浸透しているからだ。

中川各部品の納期遵守率は、KPIとして定量的に計測されています。達成できなかった場合は、必ず要因を振り返り、改善を重ねる──こうした習慣が、現場との接点を持つ全ての社員、さらには仕入先・取引先の協力メーカー全員にまで浸透しているのです。

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紙からWeb、そしてCADへ。若手も積極活用し、最新テクノロジーを導入

ミスミは若手の育成にも積極的であり、「若手の成長を後押しする文化が醸成されています」と中川氏。その鍵となるのがミスミ独自のふたつの制度だ。ひとつが「がらがらポン」。1年に1度、自分の行きたい部門・チームを選び、その上司と直接面談できるのだ。未経験の仕事へ挑戦したり、海外拠点への異動も希望したりできる。

もうひとつが「手挙げ昇格」だ。上司からの推薦を待つのではなく、自ら手を挙げることで昇格のチャンスが与えられる。能動的に機会を勝ち取ろうとする若手を全社で支援する空気はもちろん、制度化することで、そのカルチャーをより強固にしている。

若手社員の支援や活用を見ても伝わるように、創業56年を経てもなお、ミスミには「新しい挑戦」に取り組むスピリットが絶えることはない。

中川新しい取り組みと既存事業が入り混じり、会社として非常に面白い、変化に富んだフェーズです。メーカー事業や流通事業を強化するのはもちろん、製造業の最前線に立ちながら業界をリードする経験も積めます。「画一的なことをやりたくない」と思う人にはうってつけの環境ではないでしょうか。

デジタルマニュファクチャリング(製造工程のデジタル化)の加速に対応した3D CADへの注力も、挑戦のひとつだ。

ミスミの販売網を支えるカタログの変化に、革新の軌跡が垣間見える。紙のカタログからスタートしたが、時代が進むにつれてWebサイトへの掲載も開始。そして現在は、顧客の3D CAD(設計支援ツール)ソフトにつながり、簡単にCADデータが取り込めるCADデータライブラリー『RAPiD Design』を提供している。構想設計から部品選定、図面作成、見積・発注まで、設計者のあらゆるプロセスの時間削減に貢献しており、実際に設計時間は92%削減されたという。

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“世界のミスミ”が注目する中国。「あの凄まじいスピードを体感してほしい」

そんなミスミはもちろん、グローバル市場においても高いプレゼンスを発揮している。1988年にアメリカで現地法人を作ったことを皮切りに、海外展開をスタート。現在はアジア、米州、欧州を中心に営業拠点64ヶ所、物流拠点17ヶ所、生産拠点23ヶ所にまで拡大した。なかでも市場成長の早い中国は、戦略的に重要な地域だ。

順調に拡大してきたように思えるが、「当初は全然上手くいってなかったんです」と中川氏は明かす。

中川最初は日本で作った部品を、海外の顧客へ輸出していましたが、国内と比べるとどうしても納期が長くなってしまうし、確実性も弱くなる。ミスミの武器である確実短納期を中国で実現するにはどうすればいいか、試行錯誤していました。

そして2014年頃、ある試みが成功し、転換期を迎えた。ミスミが現在徹底している「現地主義」だ。

中川進出当初からあったコールセンター、流通センター、営業所に加え、「自分達が理想とする工場」を現地で構えるようにしたんです。結果、中国のお客様から「ミスミなら必ず短納期で品質の良い部品が届く」と信頼を獲得できるようになりました。

中川氏は、海外の現地で事業を進めるなかで、特に中国のスピード感には圧倒され続けているという。

中川スタートこそ、諸外国の“モノマネ”だったかもしれません。しかし、「失敗を前提にまずは始めてみて、ダメなものはすぐに改善する」ことを日々続けることで、圧倒的な成長を実現しました。経営者の思い切りの良さは、世界的に見ても群を抜いていますね。

若い人ほど、早いうちに中国のようなスピード感ある市場でのビジネスを経験した方がいい。経済力の差が広がり続けることを直で感じ、日本企業の変化の遅さについて危機感を覚えるべきです。だからこそミスミでは、若手でも海外赴任に挑戦する機会を用意しているんです。

海外展開の加速も相まって、ミスミグループは2001年度比で約6倍という加速度的成長を続け、2018年度の売上高は3,319億円を誇る。だからこそ、「若手が活躍できる環境とポジションが用意されている」と中川氏は言う。

中川既存事業と新規事業の急成長に伴い、新たに必要となるポジションが自然と生まれています。だから「人が足りない」と嬉しい悲鳴があがり、自然と若手に期待する環境が出来上がるんです。

中国、アジア、米州、欧州を中心に、加速度的に拠点数を拡大し、グローバル顧客数は30万社以上にも達しているミスミ。既存のカタログ事業に3D技術を導入し、デジタル革命をもたらす新規事業をはじめ、次々と挑戦を続ける。

取材冒頭、中川氏は「新興企業に負けるつもりはない」と自信をのぞかせていた。インタビューを終えたいま、その自信の根源たる事業・組織の強さを理解できている感覚がある。ものづくり産業の“裏方”として挑戦を続けてきたミスミは、次にどんな一手を打つのだろうか。

こちらの記事は2020年01月17日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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Presented by

執筆

田中 一成

写真

藤田 慎一郎

編集

小池 真幸

編集者・ライター(モメンタム・ホース所属)。『CAIXA』副編集長、『FastGrow』編集パートナー、グロービス・キャピタル・パートナーズ編集パートナーなど。 関心領域:イノベーション論、メディア論、情報社会論、アカデミズム論、政治思想、社会思想などを行き来。

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長谷川 賢人

1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。

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