身を置くべきは、覚悟の伴う意思決定を重ねる環境だ──事業経営を続ける本質を、“意思決定力”向上の事例から学ぶ【Speee伊藤大貴・増田隆洋】

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インタビュイー
伊藤 大貴
  • 株式会社Speee デジタルトランスフォーメーション事業本部 事業開発グループ 

新卒では大手製菓メーカーに入社し、自社売り上げを1年で7倍に成長させるも、1年で退職。2014年からSpeeeにジョイン。イエウール創業期に参画し、営業プレイヤーとしてMVP営業部門を獲得。営業チームリーダーを経て営業部門の責任者に従事し、事業と組織の成長を推進。入社5年目に事業開発グループに異動し、新規事業を0から立ち上げて牽引し、Speeeで最速単月黒字化を実現。個人的な目標として「半年~1年単位で、0から新規事業を立ち上げ続けること」を掲げており、現在は、2プロダクトの事業責任者を担いつつ、新規事業企画に取り組む。14期における全社ベストマネジメント賞を受賞。

増田 隆洋

関西出身、九州大学文学部出身。学生時代はエンカレッジやGoodfindなど4団体で延べ300名以上に就活支援を実施しつつ、友人とクラウドソーシングの会社を立ち上げ、採用や組織設計を経験。2017年の4月に株式会社Speeeに新卒入社し、メディアの新規営業・コンサルを1年半経験後、現在は人事を担当。

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働き方が多様化し選択肢が増えた昨今、社会課題を解決したい、日本にインパクトのある事業を立ち上げたい、そう考える20代のビジネスパーソンは増えた。それ自体は頼もしいことだが、いつの間にか「立ち上げる」ことが目的化し、本来成し遂げたいことを達成できないままになっている例も少なくない。

そこで注目すべき考え方に、「事業経営」がある。連鎖的に事業を立ち上げ、スケールさせていくことで大きなイシューを解きつくし、産業規模の四方に立ちはだかる問題を事業という解法をもって解決していく。読者にとってはまだ耳慣れない言葉かもしれないが、Speeeでは「10年後には誰もが当たり前に考え、目指すべきビジネスの考え方になる」と考えている。

難度の高い社会課題をビジネスで解決していくために必要な力とは、何だろうか。営業スキル?マーケティングノウハウ?プロダクトマネジメント力?確かにそうしたスキルや知識も、必要ではあるだろう。だが、最も必要なのは「良質な意思決定」を続けられるかどうかだ、と強く指摘するのが、この2人だ。

事業経営のパイオニアであるSpeeeの伊藤大貴氏と増田隆洋氏。「意思決定」という、日々接するこの言葉が持つ真の意義について、実践例も交えた議論が展開された。「良質な意志決定」とは何だろうか?意外と理解されていない、その本質に迫る。

  • TEXT BY TAKASHI OKUBO
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「意思決定」は「選択」ではない──目的志向に立った最良の決断である

増田伊藤さん、そもそも「意思決定」って、何だと思いますか?

伊藤Speeeで複数事業の責任者を務める私にとって、意思決定とは「事業の行く末を左右する大きな決断を下すこと」、ですね。ただし、決断を下しさえすればいいわけではありません。常に意識すべきは、その決断の後、実際に行動を起こし、結果の見直しまで含め、仮説検証を繰り返していくことだと思います。

伊藤意思決定が大事だ、なんてことは、誰でも簡単に言えます。本当の大切さを理解することは、実際に現場での意思決定を何度も経験していかない限り、難しいと思いますね。私もまだまだ学んでいる途中です。

増田そうですよね。さまざまな経営リソースがある中で、目的達成のためにどんな人を採用するのか、そして人的資源や予算を一つの事業のためにどのように使うのか、といったことを決めるのは、「意思決定の中の一つの要素」に過ぎません。ぜひ、学生さんや、自身のキャリアを考えている社会人の皆さんに、本当の意思決定とは何か?を伝えたいですね。

意思決定について深く考える機会がある、という読者はどれくらいいるだろうか。2人が語ったように、実際に経験していないと、説明だけ聞いたところで、実感がわかないかもしれない。だからこそ、ここではしつこいくらいに「意思決定とは何か?」についてじっくりと聞いていきたい。

ところで、例えば「選択」という言葉がある。ビジネスパーソン一人ひとりが、日々「選択」をしているだろう。それは、新たな施策の検討や、想定する顧客の特定、あるいは戦略の策定まで、多岐にわたる。特に、責任ある立場の人間の「選択」はたしかに、事業や社会に大きな影響を及ぼす。

そんな「選択」とは性質を異にするものが「意思決定」であると、伊藤氏と増田氏は強調する。

「選択」
いくつかの選択肢の中から、新たな考えや動きを決めること
「意思決定」
経営や事業推進といった高い視座と広い視野で、あらゆる選択肢を考慮し、それぞれのリスクやメリット・デメリットをすべて検討したうえで、目的志向に立って最良の決定を下すこと

伊藤私も新卒1年目から「意思決定」を意識して日々の仕事に取り組んできたつもりでしたが、思い返せば、そのほとんどは「選択」だったと感じます。例えば、目的にしっかり立ち返ること、あるいは取りうる手段についてあらゆる可能性を考慮すること、そうした「事業経営的な検討」がまったく足りていませんでした。

増田Speeeが求めている「意思決定」とは、様々な選択肢に対してのメリット・デメリットやリスクをすべて検討する中で、目的志向で最良の選択を行うことです。

ただし、この検討に長い時間をかける余裕は、刻一刻と変化する市場の中ではありません。より本質的に検討すべきものを選び、考え抜いた先に決断することが必要です。

ビジネスパーソンとしてキャリアアップをしていくためには、この「意思決定」の数と質をしっかり経験し続けることが重要だと思います。

「選択」と「意思決定」の区別をしていないビジネスパーソンのほうが、おそらく多いだろう。だが、この2人に言わせれば、それでは本質的な事業経営などできない、というわけだ。Speeeが「事業経営」という考え方にこだわる理由の一つがこのような、「意思決定」に対する高く深い意識なのだ。

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意思決定力は、スキルでもマインドでもなく、「覚悟を持った経験」で創られる

さて、「選択」との違いが少し見えてきたので、より実践的な議論に入っていきたい。良い意志決定をし続けるための能力は、どのようにすれば身についていくのだろうか。増田氏は「意思決定をすることそれ自体でしか、身につかない」と繰り返す。

増田意思決定力を座学で身につけるのは無理でしょう。とにかく実践して体得するしかありません。立場や環境によって、その難しさは大きく変わるものですから。

もちろん体得していくために後押しとなる履修項目みたいなものは、あるといえばあります。ファイナンスや組織開発、マネジメントといったビジネスの知見・経験ですね。ただ、意思決定力を高めるために意識すべきは、逆説的ですが、履修項目を意識しないことや手段から考えないこと、になるでしょう。

「経営論がわかっている」「営業ができる」「市場分析ができる」という人でも、いざ意思決定をしたところで失敗も多くするわけです。知識だけを積み重ねても、それが良質な意思決定につながるわけではありません。

抽象的ですが、難度の高い課題で成果を出し、顧客の悩みをより広く解決するには「履修項目は当然の前提として持ちつつも、それらに頭を囚われず、覚悟を持った決定が出来るかどうか」だけを考えるべきです。

伊藤増田さんが言った履修項目は、知識として不可欠ではあります。ですが、一度学んで経験すれば良いというものではありません。知識も経験もアップデートしていく必要がありますよね。自分の変化より、社会の変化のほうが明らかに速い時代ですから。

そのうえで、これから起業したり、世の中にインパクトのある事業を展開したいと考えている人なら、さまざまなビジネスの知識がつく環境よりも、「覚悟を持った意思決定」ができる環境に身を置くことこそが最重要です。そういった環境を探し、選ぶための行動をとり続けるべきです。受け身で待っていても、絶対に訪れません。

増田学生なら就職活動という中で、本当に人生の岐路に立って不可逆な意思決定をすると思います。そこはまず一つの経験になるでしょう。ぜひ、可能な限り突き詰めて考え、取り組んでみてほしいですね。

そして社会人なら、失敗したら取り返しの付かなくなるような事業の岐路にあたるチャレンジや、関係者を大勢巻き込んで進めるプロジェクトの経験が良いですね。

本質的な選択肢を網羅的に見て、メリットやデメリットを精査しながらもスピード感を維持し、覚悟を持って決めるという経験。これをどれくらい積み重ねられるか。この経験が、「良質な意思決定の力」を磨くと思います。

「事業経営」のための意思決定力を高めていくために、必要なのは座学でなく、経験。意思決定の難しさは「できるようになるまでの過程」にあるからだ。そしてそのなかでは、目の前の課題に対して、世の中に存在する他の誰よりも集中するという覚悟が試される。

伊藤言い方を変えれば、自分のキャリアや成長だけを考えていたら、事業に大きく影響するような責任の伴った意思決定なんてできません。なぜなら、価値を届けるべき顧客にとっては、その人の成長や評価は関係ないからです。

自分の市場価値は、「顧客に対してどれだけ新たな価値を提供できるか」あるいは「全力を尽くして成果に集中できたか」といった行動の結果によって決まります。戦略を考え、毎日変わる環境変化を鑑みて、どのように動くかを決める。だからこそそこに集中していると、キャリアについて悩んでいる余裕なんてないはずです。

私も常に高い基準を目指し、実現する方法を考えながら行動し続けることで、失敗もしましたが、その分だけ大きな成功体験を得られました。だから、目の前のことに集中することが大事だと、実感を持って言えますね。

事業経営のために意思決定力を高めたことで、結果的に自身のキャリアの市場価値を引き上げていると実感しています。

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正解を見つけるのではなく、作り出すことが、「意思決定」の本質

伊藤氏や増田氏が考える「意思決定力」が、そう簡単には身につかない最大の理由は、結果よりもプロセスこそが重要という点にあると言えそうだ。

「良質な意思決定」になっているかどうかのチェックリスト例

□ 不可逆性の高い決断として覚悟ができているかか
□ 大きな責任が伴う決断になっているか
□ 覚悟の必要性は高いか
□ 本質を広く深く追求し尽くした上での決断になっているか
□ 目的志向・結果志向に立てているか
□ 本当に「自分」で決めたか

これらのことを、めまぐるしく変わる事業環境下で考慮していくことを想像してみてほしい。実際の現場ではスピード感を持った意思決定が求められる上に、いくつもの課題が同時進行で進んでいく。

今でこそ伊藤氏も、「意思決定」について熱く語っているが、当初は失敗だらけだったと苦笑いを見せる。どのように学び、経験を積むべきか。失敗も振り返りながら話してもらった。ここから2つのセクションにわたって紹介する。

伊藤「良質な意思決定」を続けられるようになるためには、知識やマインドももちろん重要ですが、実際に立ち向かって経験を積み上げることが最も重要です。そんな実地経験の中でどのように動くべきか、私の経験から改めて考えてみたいですね。

ポイントは、周囲との関わり方です。

事業責任者が関わる相手は、現場メンバーや経営陣、社外のステークホルダーなど、さまざまだ。その中で伊藤氏が強調したのは、「経営陣や先輩の存在」だ。

伊藤絶対に譲ってはいけないことが、「最後は自分で決める」という点です。何があっても、「経営陣が○○と言ったからこうした」となってはならないし、「○○さんと○○さんとみんなで決めた」となってもいけません。

それでも、経営陣や先輩の意見や知識を借りるべき場面は少なくないです。だから、関わり方がものすごく大事です。

増田Speee カルチャーにある「脱・受け身」や「他責の否定」が色濃く出る場面ですね。経営陣の意見だとしても、それを指示だと感じたり、ましてや正解と思うなんてことがあっては、良質な意思決定にならないということでしょうか。

伊藤まさにそうです。経営陣はもちろんのこと、自分より経験を多く積んだ事業責任者の先輩の意見や考え方を聞いてしまうと、その影響を強く受けてしまうことは自然だと思うんです。でも、意思決定の責任を負っているのであれば、そうあってはならない。1つの意見や考え方として受け止め、フラットに扱っていくべきです。

では、むしろ周りを頼らないほうが良いということなのだろうか。いや、先輩の意見も貴重なはずである。そんな疑問を感じていると、伊藤氏は具体的な関わり方を紹介した。

伊藤状況をしっかり整理することが不可欠です。理想は、自分の中でしっかりと仮説を組み立てたうえで、わからない点を明確にし、それらをありのままに伝えることですね。

例えば最近の例では、私の頭の中でも確からしい仮説はある、けれども、そう信じるに足るだけの根拠がやや少なく、信じ切ることが難しい。そんな状態で、先輩に「一般論として、こういう場合はどのような検討がなされると思いますか?」という聞き方をしました。

「どのような仮説があり得るでしょうか?」だとか、「この場合、どうすべきでしょうか?」といった、個別の正解を求める聞き方をしてしまうと、良くない影響を受けてしまうと思うんです。

増田「一般論」を聞くことで、伊藤さんはどのように、良質な意思決定につなげたんですか?

伊藤この時は、中長期的な成長を成し遂げるための意思決定に悩んでいました。求めていたのは、材料です。

事業責任者として走り始めたばかりの時期だったので、自分の経験が濃いセールス分野のことはよくわかっていましたが、マーケティング関連の考え方には課題感を強く感じていました。この部分を緊急的に補いたかったんです。そういう意味での材料集めを、先輩数人に手伝ってもらいました。

知見や経験をお借りして、事業目標の引き直しや新規施策の実行に関して、それまでにはできなかったレベルの意思決定をすることができたと感じました。こうしたことの繰り返しが大切なんだと実感しますね。

意思決定は、決して一人で完璧にできるものではない。周りからのサポートを的確に受けることも、意思決定の責任を負う者に求められる資質の一つである。そんな想いを滔々と語っていく伊藤氏。

だが一方で、その事業における意思決定の主体が自分以外にあってはならない、とも伊藤氏は強調する。そこには2つの大きな理由があった。

伊藤意思決定には“エアポケット”が生じてはならない、といつも言っています。言い換えるなら「責任の所在があいまいな意思決定は、事業に悪影響しか及ぼさない」といったところですね。その理由として大切なことが2つあります。

1つ目は、良質な意思決定を1回するだけでは必ず不十分である、という点です。

事業経営では、良質な意思決定を繰り返す必要があります。そのことによってのみ、連鎖的に事業やプロダクトを開発し続けることができ、結果として難度の高い課題の解決につながっていくわけです。なので、1回目の意思決定に対して責任を果たすために、2回目以降の意思決定も特定の人物によってなされていく必要があると考えています。

2つ目は、意思決定とは、その決断を自分で正解にしていくところまで含まれるということです。これが最も大事なことだと言えるかもしれません。

意思決定とは、目的志向になって最良の決定を下すことだと、先ほど言いました。ですが大抵、実際に始めてみると予想外の出来事も多く、想定通りには進みません。それでも自分で責任をもって仮説を検証するPDCAを回し、その決断を正解に導いていくことが求められるんです。

増田そうですよね。良質な意思決定とは、新たな課題に直面するその場その場で独立して発生するものではないと考えています。常に継続が必要で、ただしさまざまな環境変化を加味していかなければならない。

この点に着目して「非連続な意思決定が、事業経営をかたちづくる」という捉え方をしています。

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結果とプロセス、すべてにこだわる執着だけが、良質な意思決定を生む

意思決定力が不足すれば、大きな失敗が待ち受けている。伊藤氏らが実際に経験した事例から、これらのプロセスに関するリアルを知ることができる。事例を基に「どのように意思決定を行っていくのか」を見ていこう。

伊藤私の実体験で、「追加予算が想定されていない中で、価値提供を加速させよ」という事業課題に直面したことがあるので、その事例をもとに実際の意思決定の状況をイメージしてもらいましょう。

当時、私としては目先でできる打ち手を全てやり尽くし、行き詰まったような感覚になっていました。取り得る選択肢は、もう「人的リソースを新たに確保する」しかないという状況です。そこで社内の異動調整や相談を進め必要な人材の調達も進めましたが、どれだけ努力しても、エンジニアリングのリソースが不足しそうでした。

これでは無理だ……と思ったのですが、そこで下した意思決定は、「そもそもの前提を疑うことで、追加リソースを獲得する」ことです。

事業計画の作り直しや、MVP(Minimum Viable Product)の機能要件の考え直しによるスケジュール調整など、様々な選択肢を考慮したうえで、追加のリソース確保を訴えた伊藤氏。「自分は今、本当に目的志向で考えられているのか?無意識に制約を設けていないか?」という思考を突き詰めることで、前提の打破に成功した。予算を新たに確保できたのだ。

伊藤現場目線と経営目線をしっかり考慮したうえで、事業計画と費用対効果を再計算することで、予算確保の正当性を伝えることができました。以前の計画は、あくまで以前のものです。それを超えるほど良い投資対効果が得られる計画を新たにつくることができれば、前提をひっくり返すことだってできるというわけなんですね。

予算の策定は、経営陣だけで進めるわけでも、事業現場だけで進めるわけでもない。それぞれの目線で、事業にかかる投資の期待とリスク、企業全体や社会に与えるインパクトの大きさ、長期的な成長戦略を考えることが必要になる。

だが、伊藤氏は再び課題に直面する。

ブラックオーシャンでの事業は、不確実の連続であり、予測がつきにくい。確保した予算に対して、実績がなかなかついてこない日々を送ることとなった。「上手くいく」と確信のあった計画と実態にずれが生じる。達成度16%という絶望的な未達状況にも陥った。

伊藤見立てが甘いと、日に日に予想と現実が乖離していくので、自分に対する落胆が増していきます。そんな状況に追い打ちをかけるように、事業撤退も含めた新たな意思決定が迫られます。

ここでも様々な選択肢を検討します。自分は退き、他の方に任せるのか、もしくは、直面している現実に即した目標を再設定して立て直すのか、あるいは……。妥協せずに考え抜きます。

ここでの私の決断は、当初の計画をなんとか達成するため、さらなる新規事業の企画立案を進めることでした。

当時を振り返り、伊藤氏は「それまでとは明らかに異なる、『攻めの意思決定』をしたんです」と語る。

伊藤約2年間の見通しで、当初の計画を達成できるリカバリープランを作成しつつ、その中で新規事業を並行的に創出して実績を押し上げるという、「攻めの意思決定」をしました。

以前の予算追加確保以上に、社内外の多くの関係者に納得してもらう必要がありました。計画のロジックはもちろん、先ほどから触れている「あらゆる選択肢を検討すること」に加え、私自身が責任者として発する熱量も重要な要素になってきます。

その実行を認めてもらい、がむしゃらに取り組みました。結果として、事業上のKPIは連続的に100%を越えることができ、2つ目の事業も順調に利益を創出しながら立ち上げられています。

増田こういう意思決定が続けば、社会課題を次々に解決していく事業をどんどん立ち上げていけると感じませんか?

予想のつかない状況や危機的な状況でも、良質な意思決定ができればしっかりと立て直すことができる。私たちが目指している「事業経営」においては、意思決定力の強化が大事だと、改めて感じさせられますね。

窮地に陥った時でも、現状に甘んじるのではなく、攻めの意思決定を実現させることで、立て直しとその先の成長が見通せるようになる。

そのために、責任者一人ひとりのマインドも重要だと、伊藤氏は述べる。実地経験が浅いと、どうしても現状維持に近い意思決定になりがちだ。事業経営をしていく上で、それでは物足りない。

伊藤事業経営者にとって一番重要な資質は「結果に対する執着」です。なんとしても結果を出すための意思決定を、常に目指して動き、考え続けるんです。

リスクを伴いつつも、大きなリターンを獲得していくような大胆な決断。それを意識して続けられるかどうかが、事業経営者としてブレークスルーするための大きなポイントだと言えそうですね。

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事業責任者の「大き過ぎるほどの裁量」が、事業経営を実現する

複数事業を展開するSpeeeが、まさにその好例といえる事業を行っている。だから、「意思決定」にこだわっているのだ。

増田ちょうど先日のイベントでタイトルにも使いましたが、私たちが事業を起こしているのは、いわば“ブラックオーシャン”なんです。業界や市場が抱える問題の普遍性が高く、解決難度は高い事業領域です。

この領域には、成功事例がほとんどありません。それなのにプレイヤーは乱立しています。環境変化も大きくて、急速です。

だからこそ、大きなインパクトを生み出す事業となるわけなのですが、とにかく難度が高い。だから、質の高い「意思決定」を、数多く積み重ねていかなければなりません。このチャレンジをしたいと感じる人を、仲間に増やし、社会にも増やしていきたいと思っています。

ブラックオーシャンで事業を創出し、グロースし続ける。そのための意思決定力を身に着けた者こそが、Speeeが輩出しようとしている「事業経営者」だ。

その道を歩むために最適な環境は、スタートアップにも大企業にも、存在しないことはないだろう。だが、周りのメンバー一人ひとりが同じように事業経営を志し、切磋琢磨する環境は、あまりない。それを創りつつあるのが、Speeeという企業のもっともユニークな点だと言える。

例えば同社では、事業ごとに、事業責任者がミッションやビジョン、バリューを設定している。こうした点を知ると、より重要な意思決定を経験できる環境があると感じるのではないだろうか。

伊藤ミッション・ビジョンを掲げての組織づくりは、本当に奥が深い。私は、事業戦略や組織文化までつくり上げようと意識することが、事業責任者のイシューだと捉えています。普通は会社レベルで考えることですが、最も顧客のニーズに応えられる事業特性を創ろうと思うと、事業レベルで責任者が考えることが望ましいはずなんです。

ミッションとは、事業の不変的な存在意義であり、ビジョンは3年程度の戦略目標。これらがあって初めて、戦略や売上目標を的確に策定できる。Speeeは昔から、「利益の再投資をどうするか」「再投資をして、どう事業展開するか」まで、事業責任者が決めています。

増田SpeeeはWebマーケに特化している、というイメージを持つ読者さんも少なくないかもしれません。確かに得意分野ではありますが、そこに当社の本質はありません。そうではなく、持続的に事業経営者を志す者を仲間にし、育つ環境を整え、社会に増やしていく。それがSpeeeという企業の本質だと、ぜひこのタイミングで知ってほしいですね。

産業領域もビジネスモデルも、多角的にどんどん広げています。だから、全てをトップダウン的に代表が全部決めているようでは遅いんです。各所で適切に早く、そして強度の高い意思決定ができることを重視しているので、事業経営者を加速度的に増やしていく必要があります。

事業ポートフォリオや組織体制、常に本質を突き詰めるカルチャー、権限移譲の仕組み、そして一人ひとりが抱く事業経営への志。これらが揃い、実際に動き始めていることこそ、Speeeの最大のユニークネスなのだ。

増田これからの時代、真にテクノロジーを発展させていく人が、リーダーシップ・オーナーシップを持って解決していくべき領域は、間違いなく、「ブラックオーシャン」と呼ばれる領域にあります。ここで課題解決を繰り返せる人たちが、日本経済を支えていくと思います。

10年後には当社だけでなく、皆が普通に事業経営という言葉を使っている。そんな世界観になっているのではないかと思います。だから「意思決定力」こそ、早く身に着けようとして動く必要があるでしょう。速く、濃く、その経験を積み重ねられる環境に身を置くことを、ぜひもっと意識してみてほしいです。

こちらの記事は2022年02月28日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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執筆

大久保 崇

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