連載週刊スタートアップ通信──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

NFTブーム、その行く末やいかに──【5分まとめ】注目ニュースがまとめ読みできる週刊スタートアップ通信

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。リリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップパーソンのために、週次でウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──

土日にまとめて読みたいニュースを、毎週金曜日に更新中。

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加熱するNFTブーム、あなたは正しく理解できているか

NFTというワードを目にする機会が急増している。2021年に入り、Twitter創業者・ジャック・ドーシー氏やTesla創業者・イーロン・マスク氏がNFTをオークションにかけ、それぞれ数億円単位の入札が行われた。Voicy代表取締役CEO緒方憲太郎氏はエイプリルフールにかこつけて、「最初の声の配信」のNFTが3億円で取引されたとのジョークを披露。日本でもSNS上で話題を呼ぶなど、注目が集まっていることを裏付ける出来事となった。

日々情報収集を怠らない皆様は、既にこの加熱ぶりに辟易としていることだろう。しかしここであえて問いたい、「NFTについて、正しく理解できていますか?」と。話題になっていることは分かっても「たかだかTweet1つ、音声データ1つに数億円もの価値がつくのはなぜか」を正しく理解できていない方も多いことだろう。そこでそもそもNFTとは何なのか、注目を集める背景や、今後の予想される動きについてこの機会に調べてみよう。

NFT(Non-Fungible Token)とはそもそも何なのか?という問いに対しては、この記事が詳しい。参考にまとめると、唯一無二の『一点もの』を生み出せるトークンであり、1.コピーできないデジタルデータを作成可能、2.データの所有者は自由に二次流通を行える、という二つの大きな特徴を持つ。つまり「偽造不可な鑑定書&所有証明書付きのデジタルデータ」ということだ。

大きな注目を集めるNFT、今後どのように広がりを見せるのだろうか。現在既にスポーツ、音楽などの身近な分野にもNFTは浸透している。ビットコインのイメージが強いあのコインチェックもNFTに本格的に参入しており、「誰もが知っているような出版社、スポーツ系の球団、ゲーム会社、芸能事務所などの版権・コンテンツを保有しているIP事業者様からかなり多くの問合せを頂いている状態」だという。

同社の共同創業者で執行役員の大塚雄介氏も、Twitterのプロフィールに「日本のメジャーコンテンツをNFTで世界に売り込んでいきたい」と記載するなど、NFTへの強い期待をうかがわせる。

以前はNFTを作るには少なからずプログラミングスキル、ブロックチェーンに対する知見も必要とされていた。しかしNFTの広がりとともに、専門知識がなくともNFTを作れる環境が整っている。現代アーティストの村上隆がNFT作品を出品したことで注目を集めた、マーケットプレイス『OpenSea』では、クリエイターは画像をアップロードし、簡単な説明を書くだけで出品が可能だという。

2020年後半から、企業が仮想通貨を資産とみなし買いつけることが増えたことと同様の事態が、NFTについても起こると予想される。この記事を執筆・編集中の2021年4月2日にも、暗号資産交換所として世界最大手のCoinbaseが4月14日に米ナスダックへ上場することも明らかになったほか、日本ではあのメルカリがブロックチェーン関連事業を推進する新会社メルコインの設立を発表した。ブロックチェーン界隈の盛り上がりは加熱が続く。暗号資産やNFTが、個人や企業が保有する資産としての地位を築いていくのか、この動向を知らずに事業運営などできなくなる、そんな日も意外と遠くないかもしれない。

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ジェンダーギャップ指数G7最下位の日本ー
──起業家こそ「健全な倫理観」を

男女格差の大きさを国別に比較した、世界経済フォーラム(WEF)による「ジェンダーギャップ指数2021」が3月31日に発表された。日本は調査対象となった世界156カ国のうちなんと120位(前年121位)。主要7カ国(G7)では引き続き最下位だ。

この順位の理由は、日本の経済と政治の分野のスコアが著しく低いためである。経済は117位(前年は115位)、政治は147位(前年は144位)である。

この結果を見れば、多くの読者が落胆や不満を覚え、「恥ずべき事」と感じることだろう。しかし、だからといってこうした日本の現状を是正するために、何か行動を起こせているだろうか?本当に、身近な問題として捉えられているだろうか?他国や他人についてとやかくいう前に、まずは自分自身に問うてみてほしい。

FastGrowでは、スタートアップにおけるジェンダーギャップについて取り上げたい。スタートアップ業界における女性のリーダーの少なさは深刻である。日本経済新聞社が、推計企業価値100億円超の未上場58社に聞いた「NEXTユニコーン調査」(2019年)によると、女性役員の比率はわずか約6%だという。そんな中、投資家サイドからこの状況を変えるための動きを見せるのが、上記でもツイートを引用した江原ニーナ氏である。国内の独立系VCとして初めて、投資先社数の2割を女性起業家の会社とする投資方針を定めたANRIにて、当プロジェクトの推進の中核を担った。

江原氏はとあるインタビューにてこう語る。

起業家だけでなく、投資家・VCサイドも男性がすごく多い。女性起業家からは「事業について相談をするのにハードルがある」「起業家コミュニティから歓迎されていないと感じる」という声を多く聞く。現状を踏まえればまず「私たちは女性起業家へ積極的に投資します」というメッセージを出すこと自体に大きな意味があると考えている。

引用:きっかけは「全員男性」の登壇依頼。投資先の2割を女性起業家の会社にしたANRIの話(ハフポスト日本版)

レガシーな企業や組織だけでなく、スタートアップ界隈でも、「男子校ノリ」とでも呼べるようなやり取りを目にしたことのある読者は多いだろう。被害を受けた女性起業家の声にクローズアップする記事は年々増えてきており、批判も大きく、経営に与える影響も当然のことながら大きい。

売り上げや利益を大きくする力ももちろん重要だが、見えにくい差別意識と闘い、世を正していくような健全な倫理性を持ち合わせていなければ、経営者としては問題外である。こうした当たり前のことを、いちいち記事にすることがなくなるような世の中になることを強く願い、FastGrowも模索して行動を続ける。

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THE SEED、最大15億円の2号ファンドを設立。
進むスタートアップハブ化

シードステージに特化したファンド「THE SEED」は29日、2号ファンドを最大15億円規模で組成することを発表した。今週にファーストクローズを迎え、潜在的LPとの口頭ベースでのやりとりまで含めると、現在10億円ほどの調達が見えているという。

2号ファンドの LP には大広、ギフティの他にも、個人投資家としてメルカリ共同創業者富島寛氏、カンカク代表取締役松本龍祐氏、適格機関投資家として村口和孝氏らが名前を連ねる。

THE SEED代表廣澤太紀氏が二年半前に組成した5億円規模の1号ファンドは、十数社への投資を実行済。出資先には、AI カフェロボット『√C(ルートシー)』開発のNew Innovations、アグリテックSaaS『AGRI Suite』運営のAGRI SMILE、京都のVR/ARゲームデベロッパーCharacterBankなどが挙げられる。

京都・洛北にCharacterBankのオフィスとのシェアでインキュベーションオフィスを設けているTHE SEED。京都大学の学生起業家、スタートアップに関心を持つCADデザイナーらが多く立ち寄り、スタートアップハブ化が進んでいるという。

若い才能を発掘し、経営者として成長する過程に寄り添い続ける存在であることを再認識したと語る廣澤氏。昨今のコロナ禍で面会や移動の制限がある中、若い起業家にとっては厳しい状況となるが、今後THE SEEDがどのようにして起業家を支援していくか、注目である。

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本田圭佑代表Now Do、シードで総額4.8億円を調達
──教育革命への前進なるか

本田圭佑氏が代表取締役を務めるNow Doは31日、シードラウンドにて総額4.8億円の資金調達を実施したと発表。ダルビッシュ有氏やロンドンブーツ1号2号・田村淳氏、キングコングの西野亮廣氏、「ひろゆき」こと西村博之氏などの著名人が個人投資家として名を連ねる一方、スタートアップとの連携も積極的である点に注目したい。

ゲーム事業を手がけるアカツキ、クラウドファンディングサービスを展開するマクアケなどのスタートアップが出資するほか、Gunosy創業者・現LayerX代表取締役CEOの福島良典氏もエンジェル投資家として出資している。

「だれもが夢を追い続けられる世界を創る」をVISIONに掲げる同社。これまで、世界中の中高大学生が無料から受講できるオンラインスクール『NowDo』、スポーツ庁との実証事業におけるスポーツトレーナーとユーザーとのマッチングサービス『NowEX』、音声SNS『NowVoice』などを展開してきた。

今後も教育格差問題の改善に向け、事業をより加速させる方針だという。他の注目スタートアップとの連携も含め、今後の仕掛けに目が離せない。

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日本のスタートアップに海外マネーが続々流入ー Paidyが新たに130億円

金融緩和による豊富な海外マネーが国内スタートアップに流入し、成長を後押している。

後払い決済のPaidyはシリーズDラウンドで、米資産運用会社のウェリントン・マネジメントなど4社から約130億円を調達したと発表した。国内スタートアップによる累計資金調達額としては最大規模だという。関係者によると本ラウンド後の推定バリュエーションは13.2億米ドルで、ユニコーンクラブ入りしたともいえる。

国内のスタートアップ投資は近年米国の40分の1程度で、海外マネーの取り込みが課題であったが、昨年以降日本でも海外投資家の存在感が強まっている。

ECサイト開設支援のヘイは昨年8月に米ベインキャピタルから70億円を調達。同10月には施工管理アプリを運営するアンドパッドが米セコイア・キャピタルなどから20億円を調達したことは記憶に新しい。

海外投資家の日本への進出の要因は世界的な金融緩和にあるという。スタートアップ支援を手掛けるシニフィアン共同代表の小林賢治氏は「世界的な過剰流動性で、グローバル水準の成長をみせている一部の日本企業にも資金が集まる」と分析している。

日本のVCは近年、年金基金など機関投資家からの出資の受け入れを増やし始めている。一方で、機関投資家からの資金供給が3分の2を占める米国と同水準の投資規制を日本政府が設けることができるのかといった意見もある。マネーが有望なスタートアップに十分行き渡るような仕組みづくりが急務である。

さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2021年04月02日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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