連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

あつまれ ワクチンの村──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。リリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップパーソンのために、週次でウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──

土日にまとめて読みたいニュースを、毎週金曜日に更新中。

今週ピックアップするのは、この4つだ。

・あつまれ ワクチンの村

・ビルゲイツが教える「2021年夏に読むべき本5冊」

・日本にはなぜユニコーン企業が少ないのか

・Voicyとスタディプラスがタッグ

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あつまれ ワクチンの村

よく“スタートアップは村社会”などと揶揄されることがある。しかしここにきてその村社会としての性質が良い方向に働いているのではないか。新型コロナウイルスのワクチン接種である。

Coral Capitalが6月4日に、投資先スタートアップ企業のためのワクチンの職域接種を実施する体制を整えたことを発表したことは記憶に新しい。これを皮切りに、アディッシュが発起人となり、ガイアックス、ショーケース、グッドパッチ、エーピーコミュニケーションズ、シェアリングエコノミー協会の6者が「共同職域接種実行委員会」を結成し、50社を超える企業とのパートナーシップを結び、7月より5,000人規模の共同職域接種を実施する

またディー・エヌ・エー(DeNA)も自社の従業員のみならず、ベンチャー支援のためWeWork Japanなどと連携し渋谷スクランブルスクエアの入居メンバーにも接種を開始するという。

このように職域接種の申請に必要な人数を確保するために、複数の企業間の連携がこうもスムーズに進行している背景には、やはりスタートアップ特有の“村社会”的な文化に要因があるのではないだろうか。今回の一致団結によりコロナの脅威を乗り越えようとする動きを称えるのみならず、これにより生み出された新たな“繋がり”から新たなイノベーションが起こるのではないかと期待してしまう。

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ビルゲイツが教える「2021年夏に読むべき本5冊」

FastGrow読者の方には、愛書家の方も多いであろう。成功者には愛書家が多いとよく言われるが、その中でも代表的な人物として、ビル・ゲイツ氏が挙げられるだろう。彼は年間50冊以上の本を読んでおり、2012年からは毎年、自身のブログ「Gates Notes」を通じて、彼が読んだ本の中から数冊を推薦書として公開している、 毎年この推薦書リストを楽しみにしている方も多いのではないか。

先日「2021年夏に読むべき本5冊」が発表され、例のごとく日本スタートアップ界隈でも大きな反響を呼んだ。

どんな情報も瞬時に手に入る現代において、なぜ多忙な経営者たちは読書に時間を割くのだろうか。この問いに対しては、『読書大全 世界のビジネスリーダーが読んでいる経済・哲学・歴史・科学200冊』を著した堀内勉氏が素晴らしい考察を残しているので紹介したい(記事はこちら)。

端的にまとめると、「ビジネスリーダーとしての、あるいは人間としての“洞察力”を高めるため」であるという。

シリコンバレーの最強投資家と言われているベン・ホロウィッツも過去に「(会社経営という)数多の困難なことの中で、一番のハードシングスは、普遍的なマニュアルが全く存在しないことである」と述べている。このことからも、危機的な状況に立たされたときに付け焼き刃で読む、お手軽なノウハウ本だけでなく、常日頃から人間としての練度を高めるために読書は欠かせないということがわかる。

起業家や経営者だけでなく我々ビジネスパーソンも“忙しい”と言い訳せず、人間として基礎体力を養うため、「自分が読むべき本」を見定めて精進したいところである。

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日本にはなぜユニコーン企業が少ないのか

スタートアップ界隈でよく議論される、「日本はユニコーンが少なすぎる問題」。

しかしこれは、決して日本企業がユニコーンとしてのポテンシャルを持っていないということではない。1000億円以上の企業価値をもつまでに上場せざる負えない、日本の資金調達市場が問題であったのだろう。

改めて、ユニコーン企業の定義は「1000億円以上の企業価値をもつ未上場企業」である。つまり、ポテンシャル的には十分ユニコーン企業になりうるが、スタートアップの投資額が小さかった日本では、IPOによる資金調達が構造的に必要不可欠であったのだ。

Coral Capitalもこの日本スタートアップへの間違ったイメージに対し、意義を唱えた。

近年日本においてもVCのファンド組成規模は年代拡大している。先週にはSmartHRがユニコーン入りしたことで、注目を集めたことも記憶に新しい。そして今週にはビットキーがシリーズB1ラウンドで約32億円の資金調達を発表した。

スタートアップへの投資が加速する日本において、もはやユニコーンが生まれにくい構造は解消されつつある。今後SmartHRに続くユニコーンはどこか、目が離せない。

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Voicyとスタディプラスがタッグ

Voicyとスタディプラスが連携し、”大学に特化した”音声配信サービスの提供を6月1日から開始した。

コロナ禍も相まって、多くの企業で導入されている「インターネットを活用した音声配信」。今回のサービスでは大学でも「高校生をはじめ高校教員や保護者向けにブランディング・興味関心の向上、長期的な関係構築を目的とした音声配信」ができるようになるという。

実際に新潟医療福祉大学では毎回大学教員が「健康になれる話」や「ちょっとした健康雑学」など、日々の生活に役立つ健康情報の配信を行っていく予定だという。

気になる大学のリアルな声や雰囲気などは、オープンキャンパスに出向く必要性があり、遠方の大学を希望する高校生にとってはかなりの負担となっていた。

なるべく多くの学生に魅力を伝えたい大学側と、リアルな様子を手軽に知りたい高校生、両者が待ち望んでいたこのサービスの実現に今後も期待が高まる。

さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?緊急事態宣言は解除されるようですが、まだまだ「まんぼう」は続くようですね。まだまだご自宅にいることも多いと思いますので、ぜひとも、FastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2021年06月18日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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