連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

五反田スタートアップが湧いた、セーフィー上場承認──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。

当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信しいていく。

題して、週刊スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたいニュースを、毎週金曜日に更新中。 今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。

「クラウド録画、なぜ伸びる?」

「LegalTech急進へ、コラボ施策等次々発表」

「沖縄の星、現る」

「オンラインワクチンパスポートで簡単に外食を」

について見ていく。

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クラウド録画、なぜ伸びる?

五反田発スタートアップのセーフィが上場する。 同社は、クラウド録画サービスを提供するスタートアップ。2014年、「映像から未来をつくる」というビジョンを掲げ設立した。防犯カメラなどの映像端末とインターネットをつなぐだけで、いつでもどこでも現地の映像・音声を確認することができるクラウドサービス『Safie』を展開する。

導入先はオフィスや店舗などから、製造業の現場まさまざま。クラウドサービスだけではなく、カメラ本体もセットで提供する。端末での試聴や動画のダウンロード、検知通知の基礎サービスの他に、オプションで人物の属性推定や顔認証によるロック解除、映像から人数を自動で把握する機能など、次世代のサービスを展開する。

また、五反田発スタートアップという点にも注目したい。

セーフィーは、freeeやトレタ、ココナラなど、日本を代表するスタートアップが参画する、五反田バレーの一員でもある。この五反田バレーは、スタートアップ拠点が終結する街として注目を集めており、毎年のように『五反田バレーマップ』 が作られるほど、有名となっている。

有名な企業で言えばfreeeが五反田バレーの理事企業となっており、FastGrowでも過去に取り上げたユニラボやFindyが会員企業だ。他にも、HERPやログラスなどが立地している。

セーフィーの上場を受け、ユニラボでの勤務経験がありかつ以前は五反田にオフィスを構えていたYOUTRUSTで現在は働くかどまいさんは「五反田時代は、五反田バレーなどおせわになりました!!」とツイート。

今後の五反田発スタートアップの躍進にも期待がかかる。

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LegalTech急進へ、コラボ施策等次々発表

法律×ITのリーガルテック企業が、次々と新たな攻め手を発表している。
トラブル解決支援のミドルマンは、法律系出版社の新日本法規出版と業務提携を結んだ。合わせて、5,000万円の資金調達を発表した。

ミドルマンは、オンライン上で敷金トラブルや離婚などの争い事を解決するチャットサービス『Teuchi』を開発、提供する。運用には正しい法的な解釈が必要で、書籍というコンテンツに加えて専門家との広いネットワークを持つ老舗出版社とのタッグによって新たな価値を生み出すきっかけを多く創れると意気投合し、今回の提携へ至ったようだ。

新日本法規出版は以前から、法律の専門書を手がけるかたわら、リーガルテック系スタートアップとの協業を進めてきた。2021年2月には、ビジネス文章作成をサポートするサービスを展開する日本法務システム研究所と共同で、社会保険労務士向け規定管理サービス『スマキテ』を開発。その他にも、スタートアップとの共創プログラムに参加するなど、積極的な姿勢を見せる。

背景には、出版市場の縮小と、リーガルテック市場の好調がある。リーガルテック市場は、矢野経済研究所によれば、2018年時点の国内市場は228億円。2023年には353億円の市場予測が立っている。社会的にも注目を集めている市場と考えることができる。

また、弁護士・法律事務所向けクラウド案件管理システムを展開するレアラは、DNV VenturesとSalesforce Venturesから総額1億円の資金調達に成功した。

同社は、クラウド案件管理システム『LEALA』を展開する。顧客情報や案件、タイムチャージなどを一元化。弁護士・法律事務所の組織基盤形成を支援する。

他にも、契約マネジメントシステムを展開するHolmesは、社名をContractSへ変更。サービス名も『ContractS CLM』へ変更した。国内初の契約ライフサイクルマネジメント企業として、契約の本質的な課題を解決するソリューション開発の加速と経営体制の強化を推進するという。

さまざまな動きが目立つこの領域。今一度見てみると、事業創造に関わる新たな学びが発見できるかもしれない。

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沖縄の星、現る

沖縄を代表するスタートアップ、と聞いて思い浮かぶ企業はあるだろうか?「あまり浮かばない」という人がまだ多いのではないだろうか。 そんな現状を変えていくかもしれない面白い動きがみられた。衛生データの解析を手がけるSolafuneが、Microsoft for Startups に採択されたのだ。

今回の協業により、Microsoftの持つインターネットインフラ基盤を活用し、実用化に向けた開発を強化する方針だ。Solafuneは、衛生データ活用を目的としたオープンソースであるデータ解析コンテスト「Solafune」の運営を通じ、アルゴリズムライセンス事業を展開する沖縄発スタートアップ。

創業たった1年で、独立系VCのANRIとEast Venturesから資金調達を実施(調達額は非公表)するなど、投資家からも評価を受ける。国内では、衛生データの利活用サービスはブルーオーシャンの領域。同じく沖縄県を代表する起業家、マイネット代表取締役社長の上原仁氏がTwitterにて「沖縄発スタートアップの星です」とコメント。

上原氏もエンジェル投資する、今後期待がかかるスタートアップだ。沖縄県では、インキュベーション施設「Startup Lab Lagoon」を軸にスタートアップエコシステムを形成する。他にも琉球銀行や沖縄タイムスなどの地元企業がスタートアッププログラムを主催。沖縄を支え、革新的で競争力のある次世代の起業家育成を進めている。

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オンラインワクチンパスポートで簡単に外食を

新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種証明書「ワクチンパスポート」に、新たな動きが出てきた。生体認証セキュリティサービスを開発するCLEARは、デジタルワクチン接種証明カード『Health Pass』の提供を開始。Health Passは、デジタル版のワクチンパスポートだ。

海外ではワクチンパスポートの導入が進むが、偽造や不正発行が課題となっている。この対策として同サービスでは、得意とする画像認識技術を用いた本人確認と、身分証明書を組み合わせたオンラインワクチンパスポートの発行を開始。

TechCrunchの取材によると「画像認識を用いてCDCのワクチン接種記録カードの写真であることを認識し、不正行為に対するセキュリティレイヤーを設けています。このプロセスを通すことで、CLEARのデジタルワクチン接種証明カードはユーザーの認証済みIDと直接結びつくことになり、不正行為の抑止に役立ちます」とのことだ。

外食との連携も図る。オンラインレストラン予約サービスを提供するOpenTableは、『Health Pass』と連携し、客がレストランに入店できる条件を満たしているかどうか「認証」できる仕組みを整えた。ニューヨークやサンフランシスコなどの都市では、屋内で飲食をする客に対してワクチンパスポートの提示を求める動きが強まる。

今後、日本でもワクチンパスポートの発行は行われるだろう。業績が低迷する飲食店を手助けする意味合いでも、デジタルワクチンパスポートの需要はあるはずだ。


さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2021年08月27日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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