連載週刊スタートアップ通信──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

「第3のエグジット」とは?非上場株式の市場がついに生まれる──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。

当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信しいていく。

題して、週刊スタートアップ通信──。

今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。

・非上場企業の株が売買できる株主コミュニティが誕生

・今注目の若手起業家は?Forbes JAPAN 30UNDER30発表

・Sequoia Capitalがファンドストラクチャを大きく変更

・10月31日は投開票!各政党のスタートアップ関連政策は?

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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非上場企業の株が売買できる株主コミュニティが誕生

「ベンチャー企業に投資するならFUNDINNO〜♪」の株式投資型クラウドファンディング『FUNDINNO』を運営する日本クラウドキャピタルが、非上場ベンチャーの株取引が行えるセカンダリーマーケット『FUNDINNO MARKET』を2021年12月8日に開始すると発表した。

非上場企業の株式を売りたいと思っても、市場が存在しないため、買い手を見つけるのが難しいだけでなく、適正な売買価格を算出するのも難しかった。また、買いたいと思っても、「売りたい」と考えている人を見つけることがそもそも容易ではなかった。しかし、売買することへのニーズは存在すると見込んだ日本クラウドキャピタルは、その市場を創出する手法を考えだし、実現に向けて動き出した。

具体的には、日本証券業協会が提供する「株主コミュニティ」という制度を利用する。これは、地域に根差した非上場の企業等の株式を売買したり、その株式の発行により資金を集める仕組み。この制度をオンラインサービス化することにより、「個人投資家がいつでもベンチャー企業の株式を注文する事が可能となる国内初のサービス」を生み出す。

注目すべきは、『FUNDINNO MARKET』が、スタートアップに「第三のエグジット」という道を提供し得るという点だ。

ITメディアにて日本クラウドキャピタルCEOの柴原祐喜氏が発言。現状、スタートアップのエグジットといえば「上場(IPO)」と「事業売却(M&A)」の2つ。これに加えて、非上場のまま一部の株式を現金化することで、創業メンバーやVCが多額のキャピタルゲインを受け取れるようにする、というかたちの新たなエグジットが誕生するという見方だ。

リリース文ではこのサービスを「事業計画や資本政策など、資金調達に必要な流れや書類作成を支援する、未上場企業向けのサービス」と説明している。活用方法を探りたい起業家やCFO、キャピタリストは少なくないはず。当初は3社ほどに絞って丁寧に展開していくといい、どんな企業がどのように活用するのか、今後の動きを注視したい。

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今注目の若手起業家は?
Forbes JAPAN 30 UNDER30発表

毎年恒例となっている、「Forbes JAPAN 30 UNDER30」。選ばれし30歳以下の若者の中には毎回、今をときめく起業家たちも含まれている。今回、10月22日にForbesが発表した30人には、電動キックボードのシェア事業を展開するLuup代表取締役社長兼CEOの岡井大輝氏や、環境移送技術を活用するイノカ代表取締役CEOの高倉葉太氏、日本の農業を支える日本農業CEOの内藤祥平氏らが選ばれた。

中でも岡井氏は、「Forbes 30 under 30 ASIA 2021」にも選出。公道実験を繰り返し、精力的にシェア電動スクーターの普及に向け取り組んでいる。

困難な時代にあっても、社会課題や自らの境遇に向き合い、変革を信じて行動する「挑戦者」たち。引き続き注目だ。

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上場と未上場の垣根が消えていく...?
Sequoia Capitalがファンドストラクチャを変更

世界最大規模のVCのひとつ、Sequoia Capitalが従来のファンドモデルを大きく変更させると発表した。Sequoia Capitalといえば、AppleやGoogle、オラクルに投資してきたVCで、国内でもアンドパッドに投資した経歴がある。Sequoia Capitalの投資先の多くは、目立った成果を残す企業が多く、スタートアップ経営者なら彼らの動きには注視が必要だ。

そのSequoia Capitalが今回、そのファンドストラクチャーを大きく変更すると発表したのだ

同発表によると、投資活動はオープンな上場ファンド『Sequoia Fund』へ出資し、そこから未上場ファンドへ出資するとのこと。従来のファンドは、投資するためにファンドが存在し、LPからファンド、そして投資先へお金が流れていた。一方、今回の形の場合、そもそもの出資を今成長する大企業の株を用いても行うことで、より安定したファンドになり得る可能性を秘めているのではないかと見る。

WiLの久保田雅也氏は「上場と未上場の垣根が消えていく現象のひとつですね..」とコメント。

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10月31日は投開票!
主要政党のスタートアップ関連政策

10月31日は衆議院議員総選挙の投開票日だ。ビジネスに多忙な読者のみなさんは、もう期日前投票を済ませただろうか?普段、政治のニュースをなかなか追いかけられないというビジネスパーソンでも、選挙だけは参加しようと考える人が増えているようだ。

昨今は、日本経済の再生には新興企業が欠かせないという見方も強まっていることから、主要政党や出馬する候補者は、起業家たちに響くような政策案も打ち出している。今回は、スタートアップに特化した各政党の政策をまとめた、ベンチャーキャピタルANOBAKAの記事を紹介する。

自民党は、「科学技術投資において、5年間総額30兆円の政府研究開発投資」や「2022年までに10兆円規模の大学ファンド実現」などの政策を掲げる。

公明党は「電子インボイス」や「大学ファンドを10兆円規模へ拡充」など。立憲民主党は「デジタル地域通貨の活用」や「フリーランス、ギグワーカー保護」を掲げ、日本維新の会は「フィンテック推進に向けて、銀行・証券・保険の垣根を越えた規制改革」や「特区活用、スーパーシティの実現」などだ。

日本共産党は「フリーランスやギグワーカーの保護」、「デジタル・プラットフォーム透明化・公正化法を改正」を掲げる。また国民民主党は「オープンイノベーションの積極活用」や「エドテックの推進」を推す。社民党は「脱炭素社会への投資」を掲げ、れいわ新撰組は「脱炭素社会に向けて官民合わせて200兆円のグリーン投資」や「所得税や法人税の累進性を強化」。NHKと裁判してる党弁護士法72条違反では「起業支援を含む多様な働き方推進」とのことだ。

また今回の総選挙に向け、Zホールディングスとヤフー代表取締役社長の川邊健太郎氏は、デジタル復興を推し進めてほしい旨をTwitterで投稿。

川邊氏は、デジタル復興を推し進める上で「民間の起業家精神の重要さ」を強調。日本からたくさんの起業家を生み出すことで、経済復興を促進させたい考えだ。 総選挙を終え、実際に選ばれた政治家たちが、どのような動きを見せてくれるのか。期待したい。

さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2021年10月29日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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