連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

大企業30~50代がスタートアップ転職を検討、本当?──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。

今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。

・2022年半ばも続く大型調達。注目はESG投資

・女性起業家増へ、ANRIが4号ファンドで目標達成

・30~50代がスタートアップ転職検討8割の理由とは

・人事評価制度どうする?適切な運用をするために気をつけるべきこととは

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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2022年半ばも続く大型調達。注目はESG投資

今週は資金調達のニュースが、それも10億円以上の大型資金調達のニュースがたくさん飛び込んできた。まさに「スタートアップ面を狙ってか、今日は資金調達祭り」状態だ。

その中でも今回は、シードラウンドとしては多額の10億円を調達したと発表した完全自動運転を目指すTURINGと、ESG投資の色を強めた職人と工事会社のマッチングプラットフォームを運営する助太刀を主に紹介していく。

TURINGは、自動運転の中でもLv.5の完全自動運転の実現を目指すスタートアップだ。ANRIグローバル・ブレインなどからシードラウンドにして総額10億円を調達した

日本経済新聞によればTURINGはすでにLv.2の機能を持つガソリン車の開発に着手しているという。この開発力がさらに強化されるということになる。

助太刀は今回のMPower Partners Fundなどからの第三者割当増資に加え、複数金融機関からの転換社債型新株予約権付社債ならびに融資により、総額18.5億円を調達。さらに、ESGを意識した経営体制にするため、社外取締役にMPower Partners Fund創業パートナーの関美和氏が就任した

助太刀は、建築現場の抱える高齢化と多重下請けによる労働分配率の低さを解決するためのプラットフォームを目指している。解決することが難しい複雑な課題だからこそ、従来の財務情報だけでなく、環境、社会、ガバナンスも意識した企業となるべくESGに傾倒する方向性を示した。

また、調達額こそ大きくはなさそうだが、プレシリーズAラウンドでの資金調達を発表したFor youにも反響が集まっている。出資元が、なんとあの宇野康秀氏(USEN-NEXT HOLDINGS代表取締役社長CEO)なのだ。宇野氏がエンジェル投資をするのは珍しい。同社の飛躍も楽しみだ。

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女性起業家増へ、ANRIが4号ファンドで目標達成

2022年の日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中116位。世界経済フォーラムが発表した「ジェンダーギャップ指数2022」によれば、先進国G7の中では最下位。特に政治、経済がものすごく低い。対して教育は1位なので、なんとも言えない気持ちになる。

女性は政治・経済界で活躍しにくいと言われる中、ANRIは女性起業家への投資比率目標20%を達成したと発表した

この発表を受け、国内を代表する女性起業家たちは続々とコメントを投稿。

今後も彼女ら、そして今まで表舞台に出てこない無名のアントレプレナーが活躍しやすい社会を少しずつでいいから作っていきたい。

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30~50代がスタートアップ転職検討8割の理由とは

30~50代のいわゆる「ミドル世代」の転職先として、スタートアップが検討されるのが当たり前になっている、かのようなデータが出てきた。

日本経済新聞が報じた「ミドル世代の8割、スタートアップに転職意欲 民間調査」の記事が話題になっている。エン・ジャパンが運営する転職サイト「ミドルの転職」を利用する30~50代の社会人を対象に調査したレポートにて、ミドル層のスタートアップへの前向きな転職意欲が76%という結果が出た。

ミドル層がスタートアップへ転職したいという理由には、「先進性・革新性のある事業に携われる」で46%。一方、スタートアップに転職経験のあるミドル層からは「想像よりも良くなかった」との回答が39%と少し後ろ向きな回答が目立った。

今回の記事を受け、Twitterでは「給与も上がって、役職にもついて、SOももらって、という期待値だとしたら、ギャップ大きくて難しいですね。そんなに甘くない」といった声や、「待遇より年功序列で本人の実力以上の年収になってる事の方が根本課題です」などの少し悲観的な意見がめだった。

スタートアップはカルチャーを大事に、事業規模をかなり短時間で飛躍させる。大企業には大企業での忙しさが、スタートアップにはスタートアップなりの忙しさがあることを忘れてはいけない。

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人事評価制度どうする?
適切な運用をするために気をつけるターニングポイントは「シリーズA」?

人事評価に悩む経営者や人事の方は多いのではないだろうか。今回はそんな人向けにこのnoteを紹介したい。

日々成長するスタートアップにとって、給料をどうするかの悩みはつきものだ。古株の人より新人の人の方が給料が高いという現象も起こりやすい。SOがあるといっても、なかなか問屋はおろさない。

そもそも給料のばらつきがあると、評価も回らなくなる。

そこでこのnoteの著者、NOIN総務人事部長の土屋輝章氏に言わせれば、「シリーズA」の時点だという。イレギュラーな報酬体系のメンバーを数えられる範囲に整えることで、相互牽制のきく状態にあることが大切という。

その他にも、SOのフェア化や、給料を歪ませないオファー年収などを意識することも大事だ。 評価制度や給料体系は職場の人間関係にも繋がるので本当に難しい。しかしとても大切であるがゆえに、目を背けてはいけない。

さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2022年07月15日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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