連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

ChatGPTの活用加速へ、SlackやLINEの導入で一般化へ?

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。

今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。

・赤字・債務超過での上場承認ispace、応援の声相次ぐ

・スタートアップ成長で必要な「第5水準のリーダーシップ」とは

・スタートアップ界隈でChatGPTの活用加速!

・シリーズBで13億円調達したスマートシャトルのNearMeとは

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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赤字・債務超過での上場承認ispace、応援の声相次ぐ

ispaceは東証グロース市場への新規上場が承認されたと発表した

ispaceは2010年創業。月面着陸船など月面輸送サービスの商用化を目指しているスタートアップだ。2022年には初めての着陸船の打ち上げに成功。着陸は4月の予定で、もし成功すれば民間では世界初となるという。

宇宙産業は、国内スタートアップでも参入が多いカテゴリの一つだ。地上局へのアクセス整備を行うインフォステラや、宇宙ごみ(デブリ)除去サービスを手がけるアストロスケールなど、多くの企業が宇宙を目指して日々開発をしている。

最近では北海道スペースポートを運営するSPACE COTANが、『左ききのエレン』作者のかっぴー氏による『晴天のデルタブイ』としてまんが連載されるなど、世間的にも注目を集めている。

日本から宇宙へ。今後の宇宙開発スタートアップの活躍に注目したい。

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スタートアップ成長で必要な「第5水準のリーダーシップ」とは

リーダーシップのスタイルは人により、会社により様々だ。組織の大きさの壁と言われる「30人の壁」「100人の壁」などのように、フェーズによって直面する課題は異なり、岐路に立つたびにどう組織づくりをしていけばいいのか悩む経営者は多いだろう。

今回紹介するhacomono CEOの蓮田健一氏の記事は、そんな経営者にとって一個の指針となる個人としての謙虚さと職業人としての意志の強さを兼ね備えた「第5水準のリーダーシップ」を提言している。

スタートアップ経営は常に変化に晒され続けている。hacomonoではあえて「変化のリズム」をつくり、Goodな会社ではなくGreatな会社を目指しているとのことだ。

そのためには、「過去のやり方を否定し、アンラーニングやピボットを繰り返す中で、新しい価値の創出とスピーディな成長を繰り返していく」必要がある。リーダー以上に大きな組織に会社をグロースさせていくためにも、謙虚さと職業人としての意志の強さを兼ね備えた「第5水準のリーダーシップ」を意識したい。

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スタートアップ界隈でChatGPTの活用加速!

ChatGPTを触って楽しむだけでなく、事業・業務への活用が一気に広がってきた。

piconは、LINEでChatGPTが使用できるサービス「AIチャットくん」が3日間で20万人登録突破したと発表した

AIチャットくんは、普段パソコンを利用しない層向けに開発したLINE専用のサービス。LINEでChatGPTが使用できるとのことから注目を集め、リリースした3月2日から5日の間で累計ユーザー数20万人、総メッセージ数250万回を突破したという。

また、Salesforceは、SlackにてChatGPTが使用できるようになると発表

このニュースは、スタートアップ界隈をざわつかせた。

現状はまだβ版の申し込み受付段階。公開を楽しみにする声が多く聞こえてくる。

既存のプロダクトに落とし込む事例も出てきた。ファインディは、ChatGPTを活用したエンジニア向けレジュメ自動生成機能を公開。同機能を開発したプロダクトマネージャームカイ氏のnoteによれば、プロンプトエンジニアやバックエンドエンジニア含め6人で爆速開発。約2週間で、公開まで漕ぎ着けたという。

また採用選考にChatGPTの活用を入れた会社も出てきた。LayerXは、新卒採用の選考においてChatGPTの活用課題を選考に入れるとリリース。業務内で使用することが当たり前になってきている。

2022年11月に公開してからまだ半年も経過していないChatGPTだが、すでに世界のビジネスを大きく変化させている。今後もどのような変革が起きるか注視していきたい。

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シリーズBで13億円調達したスマートシャトルのNearMeとは

先週とは異なり、今週の資金調達ニュースはだいぶ静かな印象だった。

とは言いつつ、今週も10億円越えの資金調達リリースがあったので紹介したい。

スマートシャトル』を展開するNearMeは、第一生命保険や大林組などから総額約13億円を調達したと発表した。今回の資金調達により、マーケティングやPRに投資していくという。

同社は、空港送迎やタウン送迎など目的地までドアtoドアで送り届けるスマートシャトルを展開。すでに全国13の空港にサービスを展開し、これまで30万人以上の利用実績があるという。

今後、この『スマートシャトル』が電車、バス、タクシーに続く「第4の公共交通機関」となることに期待したい。

さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2023年03月10日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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