国内のスタートアップの3大イベントと言われるうち一つ、ICCサミットが京都で開催された。ICCサミットとは、「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場として、毎回400名以上が登壇し、総勢1,000名以上が参加。参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスだ。

このICCカンファレンスの目玉となるのが、起業家が事業モデルを競い合うピッチ大会「スタートアップ・カタパルト」だ。今年はノーコードでサイトを作ることができるSTUDIOが優勝。代表取締役CEOの石井穣氏は、「これからさらにSTUDIOスケールさせていきます！！」とコメントした。

スタートアップ・カタパルトは、スタートアップ・カタパルトは10人の起業家が登壇し、7分間のピッチを行うもの。スタートアップの登竜門と言われており、資金調達額10億円以下のシード・アーリー期のスタートアップが対象となる。

前回の福岡ではゲノム編集技術により世界のタンパク質危機を救うリージョナル・フィッシュが優勝。毎回、注目を集める企画。次回も楽しみだ。

今週は100億円を超える巨額の資金調達ニュースが相次いだ。産業オートメーション事業を手掛けるMujinは、SBIインベストメントやPegasus Tech Ventures、アクセンチュアなどから総額123億円を調達。また、SasS管理プラットフォームを運営するジョーシスは、グローバル・ブレインやグロービス・キャピタル・パートナーズなどから総額135億円を調達したと発表した。

今回は、対エンプラ向けサービス展開を本格化させるというジョーシスについて見ていく。

プロダクト『ジョーシス』は、ITデバイス＆SaaS統合管理クラウド。導入したSaaSの管理を行う、情報システム部門の仕事を効率化・課題解決を目的としたサービスで、従業員起点の台帳統合を起点に、従業員を起点に利用状況を可視化。SaaSの統一管理ができる。

背景にはコロナ禍で導入が加速したSaaSの管理問題がある。ツールにより管理方法はまちまちであり、ITガバナンスの問題が発生。情報システム部門によるデバイスとSaaSの一元管理ができていないことにより、IT資産のマスターデータベースの喪失が様々なガバナンス問題を引き起こし始めている。

すでに300社以上が導入。今後はよりSaaS導入が多いエンタープライズに焦点を当てて展開していく。また、グローバルでの本格展開も宣言した。

今後も社会の仕組みを変革する会社として着目していきたい。

Web3スタートアップのテキストGaudiyは、三菱UFJ銀行と協働し、Web3領域におけるウォレットサービスの事業化を目指すと発表した。三菱UFJ銀行が有する伝統的な金融領域での認証やマネーロンダリング防止策などの知見を生かしつつ、安心・安全なウォレットサービスの事業化をともに目指すとのことだ。

Gaudiyは、「ファンと共に、時代を進める。」をミッションに掲げるWeb3スタートアップ。ファンコミュニティプラットフォーム『Gaudiy Fanlink』を展開しており、ソニー・ミュージックエンタテインメント、集英社、バンダイナムコエンターテインメント、サンリオなどの大手エンタメ企業にサービスを提供している。

三菱UFJとスタートアップのニュースといえば、後払い決済サービスを手掛けるカンムを評価額250億円で買収したことが記憶に新しい。メガバンクにはデジタル資産運用以外にもさまざまなテーマが存在している。今後の、スタートアップと協働、連携施策に着目していきたい。