連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

「楽しい会社」を目指してたはずが、「楽な会社」になっていた。Plottの2年間──5分で注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。

昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。

・『クラシル』のdely、東証グロース上場へ

・UPSIDER、シリーズDラウンドで154億円の資金調達を実施

・スマートバンク、シリーズBで40.8億円の資金調達を実施

・全ECを束ね、未来のパーソナライズを。『PLUG』がシリーズAで10.3億円調達

・「楽しい会社」を目指してたはずが、「楽な会社」になっていた。Plottの2年間

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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News1──『クラシル』のdely、東証グロース上場へ

料理動画サービス『クラシル』を展開するdelyは、東証グロース市場へ12月19日上場予定だと発表した。時価総額は480億円になる見込み。2018年、ヤフー(現LINEヤフー)はdelyを買収。スタートアップが一時的に大企業の傘下に入ることで顧客基盤や組織体制を整え、上場して急成長を目指す「スイングバイIPO」の事例と言える。

12月の上場後は、グループのプラットフォームバリューを活かしながらシナジーの深化を図るため、親会社のLINEヤフーがVCなど他の既存株主から株式を買い取る「親引け」を実施予定。LINEヤフーの持ち株比率は50.08%から56.27%となる予定だ。

今回の上場を通じてdelyは、自律的なガバナンス体制の構築のほか認知度や社会的信用の向上、多様な資金調達環境の整備等を行うとのこと。今後の事業拡大に期待を寄せたい。

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News2──UPSIDER、シリーズDラウンドで154億円の資金調達を実施

今回は大型調達が相次いだので、順に紹介していこう。

UPSIDERは、シリーズDラウンドにて154億円を調達したと発表した。グローバル・ブレイン、テンセントを共同リード投資家として、エクイティファイナンスでは55億円、2024年初からの累積デットファイナンスでは99億円の調達となった。

今回調達した資金は、既存事業の拡大とAIを用いた新規事業の開発に投資するとのことだ。

また今回の資金調達の発表に併せて、共同代表の宮城徹氏はnoteを公開

エンジェル投資家であり、経営コンサルタントであり、教育者であり、UPSIDERのエンジェル投資家でもある故・瀧本哲史氏と、同社で挑戦している人への投資に関してのnoteを公開。「非常に胸が熱くなる」、「グッとくるnoteでした」などといった投稿がXで見られた。

UPSIDERは瀧本氏の思いを引き継ぎ、どのような思想で人へ投資をしているのか。この土日にぜひ一読いただきたい。

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News3──スマートバンク、シリーズBで40.8億円の資金調達を実施

家計簿プリカ『B/43(ビーヨンサン)』を展開するスマートバンクは、SMBC-GBグロース1号をリード投資家としたエクイティファイナンスと、デットファイナンスを併せて40.8億円の資金調達を実施したと発表した

今回の資金調達により、「家計の見える化」だけにはとどまらず、生成AIがユーザー専用のアドバイザーとなり、家庭における家計改善や家計の自動化にコミットするサービスへの進化を目指すとのことだ。

また、代表取締役の堀井翔太氏は、今回の資金調達に併せてnote「『連続起業家』と呼ばれるのはこれで最後にしたい」を公開。

堀井氏は、新卒時代にサイバーエージェントや楽天の面接に落ち、そこからCARTA HOLDINGSで新規事業を担当し、独立。1度目の起業では「フリマアプリ」という金の卵を見つけたはいいものの、後発のメルカリの躍進には追いつけず、楽天グループへ事業を売却等。スタートアップの起業家を代表する、独特のキャリアを歩んでいる。

ここにもスタートアップの熱い話を見て知ることができる。ぜひご一読いただきたい。

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News4──全ECを束ね、未来のパーソナライズを。『PLUG』がシリーズAで10.3億円調達

ショッピングアシストアプリ『PLUG(プラグ)』を提供するSTRACTが、シリーズAラウンドとして10.3億円の調達を発表した。Headline Asiaをリードに、Coral Capital、デライト・ベンチャーズが引受先という豪華な陣容だ。

2024年10月末までにアプリダウンロード数は130万を突破。GMVは8四半期連続で過去最高を更新し、FY2024 1QからFY2025 1Qにかけては308%の大幅な成長を遂げているという。

代表の伊藤氏はnoteで創業ストーリーを伝えるとともに、「今回のシリーズAラウンドでの資金調達を機に、いわゆるステルスモードから脱し、大規模な広報活動を展開し始めました」と表明。今後の発信も楽しみだ。

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Column──「楽しい会社」を目指してたはずが、「楽な会社」になっていた。Plottの2年間

『テイコウペンギン』や『混血のカレコレ』など、ショートアニメのコンテンツ企画・制作・ビジネス展開を行うPlottは、シリーズBラウンドでジャフコ グループ、MIXI、バンダイナムコエンターテインメントなど合計6社より10億円の資金調達を実施したと発表した

PlottはSNSにおけるショートアニメ作品などののプロデュース、自社IPを用いたゲーム、音楽、グッズなどを展開。同社が手掛けるYouTubeチャンネルの総登録者数は、1,000万人を突破し(2024年10月末時点)、YouTubeチャンネルの累計再生回数は100億回、月間再生回数は5億回を突破している。

そんなPlottの資金調達に併せて、代表取締役CEO 奥野翔太は、シリーズA資金調達後の”谷”についてまとめたnote「2年前、社員数が半分になった話」を公開。「楽しい会社」を目指してたはずが、「楽な会社」になっていた話を赤裸々に語っている。

フルリモートワーク導入により、コミュニケーション量が少なくなり経営の意思決定スピードが落ちてしまった。ゆるい会社になった結果、頑張りたいメンバーの意欲を欠いてしまった。その結果、「思い出」が無い組織が出来上がってしまった等。

スタートアップの組織は山あり谷あり。もしかすると常に谷底にいる可能性もある。そんな谷底から這い上がり、シリーズBで10億円を調達した好事例として、このサクセスストーリーをぜひ読んでいただきたい。

さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2024年11月22日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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