連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

ClubhouseはSNSのミライか?──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。リリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップパーソンのために、週次でウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──

土日にまとめて読みたいニュースを、毎週金曜日に更新中。

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Clubhouseが日本でも本格的に流行。界隈の反応・分析まとめ

先週の週刊スタートアップでも取り上げた米国発の次世代SNSアプリ『Clubhouse』が、ついに国内でも本格的な盛り上がりを見せはじめた。Clubhouseは極端な説明をすれば、音声版のTwitterのようなSNSアプリだ。現在は完全招待制のサービスとなっており、その特権的で秘密めいた空気感から人気を博し、メルカリやeBayでは招待権を5,000-10,000円で出品するユーザーが多数現れるなど、熱狂を生み出している。

情報感度の高いFastGrow読者の中には、Clubhouseをすでに知っているという方も多いだろう。しかし、まだ招待枠をもらえず、実際に利用できていない方や、既に利用していてもスタートアップの最前線にいる著名事業家がClubhouseをどのように見ているかを知りたい方も多いはず。そこで現役事業家によるClubhouseについての分析レポートを2つご紹介。

まず初めにご紹介するのは、国内最大級のコスメクチコミアプリ『LIPS』を運営する株式会社AppBrew代表の深澤雄太氏によるclubhouseの分析note。以前クローンサービスを作ってうまく伸びなかった知見をもとに、ClubhouseのUXを多方面から分析している。

深澤氏によると、Clubhouseの優れている点として「オープンとクローズドのバランス」、またそれを実現するための「引き算のデザイン」、「バイラル性を高める3つのポイント」などを挙げている。そして今後Clubhouseの流れが消え去るかという問いに対しては明確に「NO」だと主張している。

次に紹介するのは、株式会社10X代表矢本 真丈氏によるClubhouseの分析ツイート。自身がPodcastを配信している経験と比較しながら、FOMOが強く働く(瞬間価値が高い)故に、視聴体験が不便であることを指摘している。また、30日後も皆がこのアプリを使い果たしているかという点に関しては、そんなにネタが持つ人がいるとはあまり思えないと、Podcast配信者としての経験から語っている。

今週は他にもLayerXが自社の採用イベントをClubhouseで行ったり、元AKB48の小嶋陽菜氏が配信を始めるなど、多様なユースケースが見られた。今後どのようにスケールしていくか、注目したい。

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クックパッド、みなとみらいに本社移転

クックパッド株式会社は、将来的な出社勤務体制を前提とし、サービス開発に最適化した柔軟なオフィス運用を推進するために、WeWork オーシャンゲートみなとみらいへの本社移転を決定した。

「毎日の料理を楽しみにする」というミッションの実現に向けて事業展開を加速するためには、つくり手、生活者との物理的距離を縮め、料理に関する様々な課題に迅速に対応すること、またCOVID-19が当面の間続くことが想定される環境の中でも、職住近接の実現が可能で、オフィスに集まって物理的な環境を活用した働き方を作り上げることが重要であると考え、それが実現できる場所として神奈川県横浜エリアを移転予定先に定めたそうだ。

新型コロナウィルス感染症の拡大状況に応じて物理的な出社頻度をコントロールする中で、対面での議論がサービスの開発・推進に大きく寄与するいう結論に至ったというのは注目すべき点だろう。

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メルカリ、スーパーボールでCM放映

2月7日開催予定の米プロフットボールNFL王者決定戦スーパーボウルの中継テレビ広告に、メルカリUSがCMを放映することが決まった。新型コロナウイルスの影響でスポーツ競技場や娯楽施設が軒並み閉鎖し、売り上げに打撃を与えていることもあり、清涼飲料大手コカ・コーラ、ペプシコなどの常連がテレビ広告にかける広告費用を削減する狙いで広告を取りやめた。25日にはビール世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブも、主力ビールのバドワイザーの広告を出さないことを決めた。

スーパーボウルは毎年米国での視聴率は40%を超す人気番組で、30秒のスポット広告には推定で500万ドル(約5億2000万円)以上かかるとされる。大手が影をひそめる一方で、日本のフリマアプリメルカリは15秒間のスポット広告を初めて出す見通しだ。これを機に、アメリカ全土にメルカリのことが知られることになるのか、注目だ。

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高宮慎一氏、「スタートアップ2021&Beyond」公開

グロービス・キャピタル代表パートナーの高宮慎一氏がスタートアップ業界に関連した中期的な展望についてまとめた連載「スタートアップ2021&Beyond」を公開。

15日に公開された第一弾のマクロ編では「2021年もコロナ禍は終わらず、ボディブローのように消費の冷え込み、一部グローバルサプライチェーンの寸断は続く」と説き、スタートアップの経営としては、コロナの完全な終息のタイミングを予測するのは難しいため、外部環境の複数シナリオを想定して、最悪シナリオへの備えをしておくことは大事だと忠告した。

一方で、コロナは日本社会に停滞していた変革のマグマを一気に噴出させ、またwithコロナ対応するための消費者の新しい習慣を生み、スタートアップにとって「変化あるところにチャンスあり」ということで大きな機会を提示しているとも述べている。特に以下の3点の事業環境に関しては一気に5年後の未来にワープさせたという。

コロナで大きなチャンスが生まれた事業テーマ

  1. B側のDX推進による徹底的な効率化とwithコロナ最適化
  2. 巣ごもり消費の爆発
  3. 体験価値、参加価値のキーバリュー化とオンライン化

今週公開した第二弾の「スタートアップ資金調達環境編」では2021年もスタートアップにとってまだまだ良い調達環境は続き、より大きく成長するための土壌は整っていると語っている。そして、スタートアップの資金調達のトレンドとして以下の3つを挙げている。

2021年、スタートアップ資金調達トレンド

  1. 未上場調達市場でも金余りは続きスタートアップにとって絶好の調達環境は続く
  2. レイトステージ投資家も増え百億円の桁での調達も可能になり、上場までの時間を戦略的に長くすることが可能に
  3. 投資家間の競争激化によって、投資家を選ぶ理由としてお金以外の支援がさらに大事に

このような業界の進化は、まさにUSのスタートアップ業界がたどった進化の道であり、日本でもこの流れは確かなものとなりそうだ。

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世界最強のVC、a16z が未来を想像する別メディアの立ち上げ

今話題のClubhouseに出資したことでも知られており、過去にはFacebook, Slack, Airbnb, GitHubなど名だたるスタートアップに投資してきたことでも有名なシリコンバレーの著名VC、Andreessen Horowitz(以下a16z)がテクノロジー、イノベーション、そして物事がどこへ向かっているのかを理解できるような、未来についての新しい独立したメディアの立ち上げを発表。

併せて、NerdWallet, The Washington Post, The Wall Street Journal, CNNなどで20年以上もの間活躍してきたMaggie Leung氏という有名なジャーナリストを編集長として採用したと発表。a16zの元社内アナリストであるBenedict Evans氏は、「a16zはVCでマネタイズするメディア企業だ」と何年にもわたって語ってきたが、今回の発表からもVC業務をレバレッジするために「メディア」への投資を続ける姿勢を感じられる。

さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2021年01月29日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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