連載週刊スタートアップ通信──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

国内キャッシュレス決済の行方はどうなる?──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信しいていく。題して、週刊スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたいニュースを、毎週金曜日に更新中。

今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュースをピックアップ。

「Google、日本のスマホ決済pringを買収」

「宇宙開発スタートアップのVirgin Galactic、有人飛行に成功」

「次世代写真SNS・Dispo、副業人材で日本支社立ち上げ?」

「BNPL、まだ知らないの?」

について見ていく。

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Google 、日本のスマホ決済に参入の意図は?

日本のスマホ決済はどこへ向かうのか。国内では『PayPay』『LINE Pay』『メルペイ』などのQRコード決済が有名で、利用者も多い。そんな中、Googleに「推定200億円以上」で買収されることが決まった『pring』。決済サービスを展開するメタップスの子会社として2017年に設立したベンチャー企業で、店頭でのスマホ決済や銀行からの送金ができるお金コミュニケーションアプリ『pring』を主力事業として展開する。

先述のサービスと比べると、スマホ決済の中で知名度はまだ高くないと言えるが、提携口座には三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の大手3行に加え、ゆうちょ銀行やりそな銀行など50行以上が並ぶ。日本経済新聞は、この「提携先の銀行が多い点」をGoogleによる買収劇の背景に挙げている。

プリンは2017年にみずほ銀行なども共同出資して設立したスタートアップ企業。グーグルはプリンを買収することで資金移動業者として登録する同社のネットワークを生かし、日本の銀行との連携を深める狙いがある。

引用:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73845460T10C21A7EE9000/

2018年には、日本瓦斯(ニチガス)や伊藤忠商事などからシリーズAラウンドで12.8億円の資金調達を実施していた。そのまま独自路線でIPOを目指すかとも思われたが、Googleによる買収という、驚きの展開を迎えた。

国内のスマホ決済における大きな動きとして、ZホールディングスとLINEの経営統合を受けたかたちでのPayPayとLINE Payの統合に注目が集まる。8月17日からはPayPayの加盟店でLINE Payの使用が可能となる。それぞれで4,000万人もの利用者を抱える巨大サービスの統合は、国内で「ほぼ独占」とも言える状況を生み出した。そこへ、Googleの力を存分に活かし、pringが風穴を開けられるのか。まだ明らかになっていない、Googleの戦略と、この買収の詳細な意図が気になるばかりだ。

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スタートアップが、宇宙まで飛べる時代に

宇宙旅行を目指す経営者と言えば、アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏や、ZOZO創業者の前澤友作氏を思い浮かべる人が多いだろう。だが、実は彼らよりも早く、有人飛行に成功した人物が現れた。

宇宙開発スタートアップのVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は2021年7月11日、有人飛行の様子をYouTubeで生配信。その様子を多くの人が見守った。 創業者のRichard Branson氏も搭乗。自ら開発を率いた宇宙船の飛行を成功させた最初の起業家となった。

ヴァージン・ギャラクティックは2004年設立の宇宙開発スタートアップ。2022年の運行開始を目指し、今まで20回以上のテスト飛行を繰り返してきた。一方、ベゾス氏が率いるBlue Origin(ブルーオリジン)は、20日に打ち上げを予定している。前澤氏が2021年12月、ロシアの宇宙船での宇宙旅行を控える。彼らが宇宙旅行から帰ったのちに、どのようなインスピレーションを受けてどのようなビジネスに乗り出すのか、期待が高まる。

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次世代写真SNS、日本参入を副業で?

アメリカで人気を博す写真SNS『Dispo』が日本市場へ本格参入するのだが、なんとその担い手となる「副業人材」を大々的に募集している。Dispoの日本支社立ち上げメンバーを募集するという。なお、募集や拡散を担うのは『YOUTRUST』、ベンチャーパーソンにはお馴染みになりつつある名物企画『すごい副業』の一環だ。

Dispoは2020年1月にリリースした写真投稿特化型のSNS。「アプリで撮影した写真は、翌朝9時まで見ることができない」といった時代に逆行した仕組みを意図して取り入れているという。Z世代を中心に人気を集め、ダウンロード数は半年ほどで500万を超えている。YOUTRUST代表の岩崎由夏氏も、自身のTwitterで驚きを表現しつつ紹介。

Dispoが日本に本格参入する点にも注目が集まるが、副業人材で支社を立ち上げる点も面白い。「副業する文化」の浸透が遅れているとの指摘もある日本だが、こうしたニュースをきっかけに今後の働き方を模索する人が増えることも期待できるかもしれない。

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「BNPL」
今のうちに抑えたい急上昇ワード

「BNPL」

これが何の略だかわかる人は、まだ案外少ないのではないだろうか。正解はBuy Now Pay Later。日本語で一言で言えば「後払い」だ。実はこの領域で、投資が過熱している。

2021年7月のBloombergの報道によると、Appleが、Apple Payの新機能として後払いサービスを開発中なのだという。公式発表はまだないため真偽は不明だが、大手報道機関が大々的に報じ、日本でも翻訳して紹介されるほど、BNPLは注目を集めつつあると指摘することも可能だ。

とは言っても、「後払い」の何が魅力的なのか、よくわからない読者も多いだろう。それもそのはず。例えばこの記事冒頭で触れたスマートフォン決済では、多くが前払い(プリペイド)だ。プリペイドは日本でも、かなり前から普及している。ボーナスポイントが加算されて少しおトク、という経験をしたことがある人も多いはず。

一方で後払いというと、クレジットカードをイメージするだろう。確かにクレジットカードも後払いの一種と言えるわけで、「クレジットカードがあるから後払いサービスは要らないのでは?」という声も聞こえてくる。しかしことはそう単純でもない。その名の通り「クレジット(信用)」がなければカードの利用はできない。実は、クレジットカードを利用できない人が、日本にも少なからずいるのである。そうした人たちに購買のチャンスを創るのが、後払いサービスの存在意義だ。

FastGrowで何度も紹介しているネットプロテクションズが、日本でこのサービスを提供してきた先駆けの企業だ。ちょうど今週、2021年7月14日に、Yahoo!ショッピングやPayPayモールでネットプロテクションズのシステムを利用した後払いサービスが始まるという発表もあった。同社は同年2月、クレジットカード大手のJCBから第三者割当増資で約60億円の大型調達を果たし、業務提携も結んでいる

競合であるペイディも、同年3月に海外投資家などからシリーズDラウンドで130億円以上の大型調達を実施。日本の未上場ベンチャーでいえば、SmartHRが同年6月に同じくシリーズDラウンドで約156億円の調達を発表しておりこれと同程度の規模での調達となったといえば、その期待感がわかりやすいだろうか。

このように、実は大きく伸びている事業領域を、より多くの人が知るきっかけになり得る、Appleに対するBloombergの報道だったと言えるため、取り上げた。読者の知見が少しでも広がれば幸いだ。

今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか。今後もぜひ、FastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2021年07月16日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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