連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

社会的意義ますます高まる、クラファン大手の最新情報!──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。

今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。

・LayerXらがプライバシーテック協会設立。目指す規制改革とは

・クラファン大手2社が、事業支援をさらに手厚く!二通りの戦略

・シードラウンドで1.3億円調達したクラウド資産を可視化するスタートアップとは?

・今年のForbes JAPAN 30 UNDER 30発表!注目の起業家は

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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LayerXらがプライバシーテック協会設立。
目指す規制改革とは

プライバシーテックとはなんだろうか。そしてなぜ彼らは、法規制と向き合わなければならないのだろうか。

プライバシーテックスタートアップの名古屋大学発スタートアップAcompanyEAGLYSLayerXの3社は、プライバシーテックの社会実装を目指す業界団体『プライバシーテック協会』を設立したと発表した

そもそもプライバシーテックとはなんだろうか。これは、「企業が持つ個人データの適切な活用と、個人情報を保護するために不可欠な技術」と定義されている。データを暗号化したまま計算できる秘密計算や、差分プライバシーなどの技術の総称だ。 しかしこれらプライバシーテックは、現行法によればそもそも規定がなく、グレーであることが多い。そこで、国内でプライバシーテックに取り組むスタートアップが共同で、業界団体を設立。共同で改革を進めていくようだ。

プライバシーテック協会の会長には、Acompany代表取締役CEOの高橋亮祐氏が就任。日本経済新聞の記事では「企業がビッグデータを活用してサービス開発に取り組む一方、個人の特定や同意のない行動追跡などが問題になっており、プライバシーテックの活用が不可欠になっている」とコメントしている。

スタートアップと法規制といえば、Luup代表取締役社長の岡井大輝氏が会長を務める『マイクロモビリティ推進協議会』の活躍が目立つ。新しく革新的なことと、法規制は紙一重だ。今後も国内のさまざまなジャンルで同様の動きが起こることを期待したい。

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クラファン大手2社が、事業支援をさらに手厚く!
二通りの戦略

クラウドファンディングのあり方が少しずつ変わろうとしてきている。

CAMPFIREは、EC関連サービスを展開するAnyMind Groupと共同で、クラウドファンディング後のEC展開や物流支援を開始すると発表した。クラウドファンディングだけで終わるのではなく、事業者の「その後」も意識したサービス展開をサポートするという。

その後のサービスとは、ECサイトの構築やマーケティング、物流管理といった部分だ。クラウドファンディングを利用するユーザーは中小規模の事業者が多い。その中で、ECサイト構築に必要なインフラを整えることは簡単ではない。CAMPFIREはAnyMind Groupと共同でこれらを提供し、大きな社会的価値の実現を目指す。

またマクアケは、一般社団法人ベンチャー型事業継承の協業パートナーへ就任。全国各地の後継者「アトツギ」に焦点をあて、新商品や新サービスを生み出すサポートを展開していく。

中小企業の2代目や3代目は、会社の継続について頭を悩ませることが多い。社内の既存リソースをどう活かし、今後も「必要とされる」会社となれるのかどうか、重要な課題だ。その中で、新商品や新サービスは一つの大きな軸であり、これを支える存在にマクアケは名乗り出たようだ。

クラウドファンディングという方法を当たり前にしていく中での新たな事業展開を探る2社の動向を、これからも注視したい。

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シードラウンドで1.3億円調達のLevetty、クラウド資産を可視化

バックオフィス関連の管理ソフトが、どんどんクラウドサービスに移り変わっている。そんな中で、各企業の管理する資産がクラウドに蓄積されていることを意識している読者はどれだけいるだろうか?このことを意識して、サービスの使い分けを考えるべき時代が近づいている。

今回は、そんな社内にある膨大なクラウド資産を可視化し、安全なクラウド運用を実現するセキュリティサービススタートアップがシードで海外投資家から調達したLevettyを紹介する。

同社は、社内にある膨大なクラウド資産を可視化、セキュリティリスクを見つけるサービス『Cloudbase』を展開する。すでにスズキやアイフルなどの企業が利用する実績を持ったサービスだ。 クラウドセキュリティサービスといえば、大手SIerやトレンドマイクロなどがすでに参入している市場ではある。その中でもCloudbaseの場合は、可視化を重視することで、ユーザーにとっての「わかりやすさ」を追求しているようだ。

プロダクトの評価や今後への期待感から、シードラウンドにしてArena HoldingsとDNX Venturesによる共同リードで1.3億円の調達を実施。同社によれば、海外投資家がシードで参画した国内初めての事例になるという。

また、SmartHRのFounder宮田昇始氏やラクスルCFO永見世央氏らも投資していることからも、期待が読み取れるだろう。

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今年のForbes JAPAN 30 UNDER 30発表!
注目の起業家は

今年も、日本発「世界を変える30歳未満」30人『Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2022』が発表された。毎年、スタートアップ起業家も選ばれる同企画だが、今回はどのような人物が選出されたのだろうか。

今盛り上がりを見せているWeb3領域の起業家として、ステイクテクノロジーズCEOの渡辺創太氏が選出された。

そのほかにも、農業系スタートアップサグリの代表取締役CEO 坪井俊輔氏や、サプライチェーンリスク管理サービスのResilire代表取締役の津田裕大氏らが選出された。

加えて今年は、バーチャルシンガーの花譜まで選出されるなど、毎年気になる企画だ。今後の彼ら、彼女らの活躍に期待したい。

さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2022年08月26日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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