連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

サイバーエージェント25周年で注目は、Abemaよりも後継社長の行方に……?──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。

今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。

・ChatGPTは福利厚生?Gaudiy、ミラティブ、JPYCの例

・「IRはnoteで共同発信」広がるか

・サイバーエージェント25周年!次の世代にバトンを渡すということ

・スクロールマンガのソラジマ、10億円を調達!その事業内容は

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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ChatGPTは福利厚生?
Gaudiy、ミラティブ、JPYCの例

昨今話題の対話型AI『ChatGPT』。完全に信頼して使用することはまだまだ難しい精度であるものの、業務効率化などの面から導入を推奨し、福利厚生として従業員に有料版を無償提供するスタートアップが出てきている。

今回はChatGPTに肯定的なスタートアップの動向について紹介していこうと思う。

早速福利厚生として有料版である『ChatGPT Plus』を導入し、いち早くプレスリリースを公開したのはGaudiyだった。同社は、「GPT-4」が公開された段階で福利厚生としての導入を発表。

同じくミラティブも福利厚生として『ChatGPT Plus』の月額利用料を全額補助することをリリースした。

そのほかにも、日本円ステーブルコインのJPYCも福利厚生として『ChatGPT Plus』の利用を従業員に促進しているようだ。

この対話型AIの利用促進に関しては、すでにLayerX新卒採用選考に導入するリリースを発表し、話題を呼んでいる。

一方で、対話型AIの利用方法については情報漏洩リスクの懸念からも利用を慎重にならざるを得ないケースもある。そうした観点からクラスメソッドでは、社内向けに業務上利用する際に気をつけるべきことをまとめ、利用する場合に準ずるべきガイドラインを作成したと発表した

今回は福利厚生への導入について紹介したが、スタートアップへどのように受け入れられていくのか、今後の動向が気になるところだ。

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「IRはnoteで共同発信」広がるか

上場企業のIR記事を配信するnote公式マガジンが発足した。IRコンテンツの代表的なものといえば、適時開示情報『TDnet』で公開されるものであり、堅苦しいというイメージが強い。一方で、noteやツクルバ、スマレジなど、個人投資家に向けたIR発進に力を入れる企業もじわじわ増えている。

このような背景から、『note』を活用した積極的なIR発信の場として『IRマガジン』が誕生した。

参画企業は31社。個人投資家に向けてIR情報をよりスピーディーに届け、投資判断に役立てていただくことを目的としているという。適時開示だけでは実現できないコミュニケーションを醸成していくとのことだ。

実際、今回のリリース以前から、IR担当によるTwitter発信の強化といった新たな傾向は見られた。

今後、IRの発信がどのように変化していくのか気になるところだ。

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サイバーエージェント25周年!
次の世代にバトンを渡すということ

サイバーエージェントは2023年3月18日に創業25周年を迎えた。これを機に、代表取締役 藤田晋氏は自身のアメブロにて「25周年」とのタイトルのブログを公開。そこで、2026年にサイバーエージェントの新社長を内部から昇格させ、会長になることを公開した。

インターネットバブル期に設立したメガベンチャーの代表交代と読むことができる今回の代表交代。これは今の国内ベンチャー企業がそろそろ直面するであろうテーマとも見て取れる。

実際、藤田社長が交代を決意したきっかけは、11年後をイメージした中長期の社内資料を目にした時だったという。「藤田晋(60)」との文字を見た時、今から準備しないと事業継承できないと思ったと明かしている。

また、今回の代表交代の件に関しては日本経済新聞ダイヤモンド・シグナルでもインタビュー記事が公開された。交代理由として、「社長をやればやるほど、どんどんこの仕事が引き継ぎ困難になっていくことを実感し、ずっと危機感を持っていた」などと説明されている。

日本を代表するメガベンチャーの事業継承タイミングがもうすぐやってくる。そのとき、代表は次のトップを誰にするのか、どうバトンを渡すのか、そうそう簡単な決断ではないため、行方が気になるばかりだ。

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スクロールマンガのソラジマ、10億円を調達!
その事業内容は

縦スクロールマンガの市場がアツイ。

スクロールマンガWebtoonを制作するソラジマは、Z Venture Capitalをリード投資家として、ニッセイ・キャピタル、DBJキャピタルなどから総額10億円を調達したと発表した。調達した資金は作品数増と、さらなるグローバル展開に活用するという。

Webtoonとは、スマホに特化した縦スクロール型・フルカラーのマンガ全般を指す。韓国を中心に市場は拡大傾向にあり、Netflix『梨泰院クラス』など、ドラマ原作としても世界で注目されているという。実際、『Global Webtoons Market Size, Status and Forecast 2022-2028』によれば、Webtoonはその全体の市場規模は2021年の37億8,751万ドル(約4,900億円)に対し、2028年には275億1,007万ドル(約3兆6,000億円)まで成長すると予測されている。

その中でソラジマは、Webtoon制作スタジオ「SORAJIMA」にて、脚本から作画まで一気通貫制作のオリジナル作品として、『お求め頂いた暴君陛下の悪女です』、『逆行令嬢の復讐計画』など26作品を公開。2023年度の目標公開数は51作品とのことだ。

また同社は、中期経営戦略資料も同時に公開。ここでは、2023年に年商10億円を突破。2025年にはインドネシア、フランス、スペインに進出予定。その後、2027年をめどに年商100億円を目指すという。

拡大市場に挑むスタートアップの1社として、今後のソラジマの成長に着目していきたいところだ。

さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2023年03月24日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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