連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

地方の新・スタートアップ施策を紹介!海外拠点・起業家拠点始動──5分で注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。

昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。

・OPNホールディングスが新ユニコーンへ

・アドベントカレンダーの季節、今週末は“組織づくり”を

・Sales Marker、シリーズA8.4億円調達

・地方の新・スタートアップ施策を紹介!名大シンガポールへ進出、福岡市新支援施設発足

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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News1──OPNホールディングスが新ユニコーンへ

今年も日本経済新聞の『NEXTユニコーン』が公開された。

企業価値(時価総額)ランキングで上位20社の価値合計は2兆3009億円となり、2022年調査の20社合計額から16%増となった。企業価値10億ドル(約1500億円)以上の未上場企業数は昨年同様5社。

まず目を引いたのは、新たにオンライン決済サービスを提供するOPNホールディングスのランクイン。企業価値は推計2,276億円とされた。

次いで注目を集めたのは、企業価値1,186億円と推定されたロボットの動作制御ソフトを展開するMujin。同社は今週、日本郵便よりシリーズCで総額27億円調達を発表している。また9月には総額123億円をSBIインベストメントやPegasus Tech Venturesなどから調達したと発表していた。

毎年注目を集めるNEXTユニコーン調査だが、ユニコーン企業数が伸び悩んでいるという指摘もある。「スタートアップ冬の時代」と言われ久しい中、日本経済団体連合会(経団連)が2022年に掲げた2027年ユニコーン企業100社を目指し、底上げを担おうとするプレイヤーも増えている。各方面の動きを注視したい。

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News2──アドベントカレンダーの季節、今週末は“組織づくり”を

12月に入り、今年もスタートアップといえば恒例であるアドベントカレンダーの季節がやってきた。今週からは1週間で注目を集めたアドベントカレンダーやnote記事について取り上げていく。

今週X(Twitter)上で流れてきたnoteは「組織づくり」についての話題が多かったように思う。ディー・エヌ・エー(DeNA)子会社代表を経て独立した坂井風太氏が見事に組織課題を網羅している「【完全版】なぜ組織は衰退していくのか?(7500文字)」や、SmartHRの新組織構造「マネジメント兼務NG」を定めた「事業を支える、SmartHRのあたらしい組織体制について」、カミナシCOO 河内佑介氏の100人の壁を機にセグメント組織を導入した「カミナシの「最初の100人」、SaaSスタートアップの組織はどう拡大するか」だ。

スタートアップで働く人であれば、起業家、経営者、マネージャー層でなくても組織課題に直面する人は多いだろう。どのチームも人がいないので採用したが、デッドラインもあるので、「採用して解決」というわけにもいかない。

そして最後に組織に関するnoteといえば、10X代表の矢本真丈氏の「組織と人事に向き合ったCEOの12ヶ月」もこれを機に一読したいところだ。会社を挙げて組織・人事制度刷新し、マトリクス組織を導入した12ヶ月。週末のお供にいかがだろうか。

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News3──Sales Marker、シリーズA8.4億円調達

BtoB向けセールス向けSaaS『Sales Marker』を展開するSales Markerは、シリーズAで8.4億円調達したと発表した

企業データベースとインテント(興味関心)の組み合わせでニーズが顕在化している企業を発見し、多角的なアプローチを行うことが可能な「インテントセールス」を提供するプロダクト。導入企業はNTT西日本やエン・ジャパンなど300社。

今回調達した資金は、データの品質向上、研究開発によるAIの精度向上、人材採用に充てるとのことだ。

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Column──地方の新・スタートアップ施策を紹介!名古屋大がシンガポールへ進出、福岡市は新支援施設発足

スタートアップ・エコシステム拠点都市の選定から3年。今週は、同都市に選定された福岡、名古屋で大きく物事が動いた1週間となった。

福岡市は官民共同のスタートアップ支援施設『Fukuoka Growth Next 』の刷新を発表。福岡市の事業である「スタートアップカフェ」との運営を一体化する他、福岡市によるスタートアップの支援策を誰でも受けれるような体制づくり、シード期のスタートアップで整備が遅れがちなバックオフィス業務のサポートなどを行うとのことだ。

また今回の刷新に伴い、Fukuoka Growth Next の運営にフォースタートアップスが参画。日本経済新聞によれば、2029年までに時価総額100億円規模の企業を10社育成するという。

名古屋でも動きが見られた。同地域を代表する名古屋大学は、日本の国立大学では初めてシンガポールに現地法人を設立。戦略的パートナー大学であるシンガポール国立大学を始めとする教育機関等と連携を強化。2024年からはシンガポール国立大学の起業教育プログラムに名古屋大学の学生が参加できる体制を整えるとのことだ。

スタートアップ・エコシステム拠点都市外でも動きが見られた。

山形県は2024年度の予算に、「新時代を担う人材育成とスタートアップ創出事業費」として1億2000万円計上すると発表した。これは、新時代を担う人材育成や外国人材の確保、教育など7つの事業を「施策展開特別枠」として新たに設けた計5億700万円の一部に含まれる。

山形県は日本を代表するユニコーン企業として人工たんぱく質素材を開発するSpiberが本社を構える。Spiberは日本経済新聞のNEXTユニコーン調査によると企業価値1617億円とSmartHRに続く。同社の素材は、衣料品向けで実用化が進み、「THE NORTH FACE」など複数のブランドが採用済み。最近では、トヨタ自動車グループのランドクルーザープラドのシートカバーの一部に採用されたとの発表を行うなど、素材の社会浸透が進んでいる。

今後も地方都市でのスタートアップの行方に着目していきたい。

さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2023年12月08日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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