連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

「プロジェクトを推進できる人材」はなぜ少ないのか──5分で注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。

昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。

・「上機嫌で働こう」Nstockのバリュー公開

・DNX Ventures、3ファンド累計約400億円で組成完了

・日本発のクラウドセキュリティCloudbase、シリーズAラウンドで総額12.5億円の資金調達を実施

・大企業の支援を受けた上場「スイングバイIPO」を実現したソラコムとは

・「プロジェクトを推進できる人材」はなぜ少ないのか

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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News1──「上機嫌で働こう」Nstockのバリュー公開

Nstockバリューを公開した。バリューを公開する話は別に珍しい話ではない。

公開したNstockのバリューは3つ。「困難だ、だが必要だ」、「真摯にやろう」、そして「上機嫌で働こう」。

どれも当たり前と言えばそうなのだが、なかなか実行することは難しい。特に「上機嫌で働こう」はその例だ。しかし、Nstockの言葉を借りると「誰だって、不機嫌な人よりも、上機嫌な人と一緒に働きたい」。上機嫌で働くことで「不機嫌で人をコントロールしたり、心理的安全性を阻害したりしない」。

年度末で忙しい日々が続くと思いますが、上機嫌で働きましょう。

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News2──DNX Ventures、3ファンド累計約400億円で組成完了

DNX Venturesは「4号日本ファンド」および、「3号日本アネックスファンド」の組成を約365億円にて完了したと発表した。すでに組成完了していたシードファンドとあわせ、累計395億円のファンド規模となったという。

DNX Venturesは、米国・シリコンバレーと東京の2拠点を強みとし、日本国内のBtoB企業へ投資をするベンチャーキャピタル。同社のポートフォリオには、アンドパッド、カケハシ、UPSIDER、Cloudbaseなど注目を集めるスタートアップが多く名前を連ねている。

今回のファンド組成により、従来DNX Venturesが強みとしていたアーリーステージ企業へ投資しつつ、シードからレイターまでのアップに継続して伴走できる体制を整えたとのことだ。

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News3──日本発のクラウドセキュリティCloudbase、シリーズAラウンドで総額12.5億円の資金調達を実施

クラウドセキュリティのCloudbaseの勢いが止まらない。

2月に発表した11.5億円の1st closeに引き続く盛り上がりを見せた。

今回の2nd closeでは、SuMi TRUSTイノベーション、サーバーワークス、デライト・ベンチャーズなどから総額1億円の資金調達を実施したとのこと。これにより、シリーズAラウンドの調達総額は12.5億円、累計調達額は13.9億円となった。

企業の安全なクラウド運用を実現するため、今後も人材採用、技術・組織開発を加速していくとのことだ。

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News4──大企業の支援を受けた上場「スイングバイIPO」を実現したソラコムとは

IoTプラットフォームを提供するソラコムは、3月26日上場したソラコムは、2017年8月にKDDIグループに参画し、KDDIの連結子会社となった。今回は、スタートアップが大企業の子会社となったその先で、実現したIPO「スイングバイIPO」について紹介する。

ソラコムは、「お客様がIoTサービスの創出をより簡単にできる」を目指して、IoTプラットフォーム『SORACOM』を提供してきた。現在、2万以上の顧客が利用し、600万以上のデバイスがSORACOMを通じて繋がっている。国内外に通じるIoTプラットフォームを構築する目的で、2017年にKDDIの連結子会社となった。

その後、KDDIの力を借りつつも事業は順調に成長。当初は8万回線だったが、2019年には100万回線を超えることができたという。KDDIという大きな惑星の引力により、宇宙船であるソラコムも大きく飛躍する。その意味を込め今回のIPO実現は、宇宙用語「スイングバイ(※大きな惑星の引力を使うことで、宇宙船や探査機を再加速し、より遠くまで進む技術)IPO」と名付けられた。

スタートアップが飛躍する方法はさまざまだ。資金調達を実施し、自力で成長し、IPOや海外進出をする姿もあるが、大企業と共に飛躍するソラコムの「スイングバイIPO」もある。今後の活躍に注目したい企業だ。

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Column──「プロジェクトを推進できる人材」はなぜ少ないのか

プロジェクトは独自性があり、期間は有期。事あるごとに変化に対応しなければならず、人も流動的だ。定常業務とは相反するプロジェクトを推進する人材が少ない話を、今回は取り上げたい。

今回ご紹介するnoteはアイリー株式会社の代表取締役CEO 辻原咲紀氏の「『プロジェクトを推進できる人材が少ない』という課題とその解法」だ。

プロジェクトは「特定の目標を達成するために計画的に行われる期限をもった一連の活動」だ。定常業務が会社の基盤を守るものであることに対し、プロジェクトは特定の課題に対する取り組みである。定常業務は自動化が進んでおり、人間の仕事はだんだんとプロジェクト型になっていく可能性が高い。

しかし、「プロジェクトを通じて人を育てる」仕組みがあまりない。実践を積もうとしても、プロジェクトマネージャー(PM)としてアサインされるチャンスはなかなか回ってこない。そのため、プロジェクトを推進できる人材は少ない。

ではPMとはどのような能力を身につけると良いのか。「プロジェクトデザイン」、「プロジェクトマネジメント」、そして「プロジェクトファシリテーション」の3つのスキルと、「プロジェクトを改善できる力」だ。

詳細は辻原氏のnoteや、今後公開されるであろうnoteを期待して待ちたい。

さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2024年03月29日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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