連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

primeNumber、スマートバンクなど多企業が調達発表──5分で注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。

昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。

・STYLY、KDDIなどと共同でXRを加速

・タイミーは4倍、SmartHRは2倍。組織の拡大を見る

・もと『クラウドサイン』 橘氏の創業話

・primeNumber、スマートバンクなど多企業が調達発表

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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News1──STYLY、KDDIなどと共同でXRを加速

Appleが、ゴーグル型のXRデバイス『Apple Vision Pro』を2月に発売してから2ヶ月。徐々にではあるが、Xの投稿や職場でも、XRデバイスを装着して作業する人が増えてきた。この市場の広がりから、XRデバイスを通じて没入できる現実空間とデジタル空間を融合する「空間コンピューティング」の世界への参入について、魅力と感じる企業も出てきている。

KDDIとJ.フロント リテイリング、そしてSTYLYは共同で空間コンピューティング時代の事業創出を目的とした共創型オープンイノベーションラボ「STYLY Spatial Computing Lab」を設立を発表した。同ラボを通じ、『Apple Vision Pro』向けのユースケース創出から社会実装までの次世代ビジネスの創出に向けた研究開発を行うとのことだ。

KDDIは5Gなど先端の通信ネットワーク環境を提供、J.フロントリテイリングはパルコや松坂屋など生活者との接点を提供、そしてSTYLYはXRプラットフォームを提供し、「STYLY Spatial Computing Lab」を運用していくという。

今後、「STYLY Spatial Computing Lab」はKDDIやJ.フロントリテイリングのような、共にXRコンテンツ開発を担う共創パートナーを募集していくとのことだ。

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News2──タイミーは4倍、SmartHRは2倍。
組織の拡大を見る

日本経済新聞が4月25日付で公開した「有力スタートアップ132社、2年で雇用5割増 日経調査」が面白い。

日本経済新聞社独自調査によれば、推計企業価値が50億円以上の有力スタートアップ132社の2024年3月時点の就労者数を調べたところ、合計約1万8000人と2年間で一気に5割超増えたとのこと。その中で、2年間で最も増加したスタートアップは、タイミーで884人増加した。その後にはSmartHRファストドクターLegalOnTechnologiesが続く。スタートアップならではの組織拡大だ。

Xでの反応も紹介する。

増加率1位のタイミー代表 小川氏は「採用基準をぶらさず取り組んだ結果、離職率も数%と相当低く強い組織、カルチャーが作れています」とコメント。ランクインしたLayerX 福島氏は「鋭意採用強化中です」と投稿した。

合わせてFastGrowでも、ここ5年の間に従業員数が大きく拡大し続けている上場スタートアップの状況も調べてみた。グラフで締めそう。

M&Aによる拡大も含まれるため単純比較は難しいが、これらの企業が組織拡大と事業成長を続けている理由には、注目すべき点が少なからずあるだろう。また分析などもしていきたい。

いずれにせよ、事業をスケールさせ続けるためには、必要な人材を採用できる仕組みをつくり、そして事業を仕組みで成長させ続ける必要がある。こうしたファクトから何を学び、何を実行していくか、経営者や事業家としての手腕が試される。

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News3──もと『クラウドサイン』 橘氏の創業話

もと『クラウドサイン』を展開するSMBCクラウドサイン事業責任者であり、エンタープライズ向けHR事業を展開するPeopleXを起業した橘大地氏のXが面白い。プロダクトの受注状況や採用など、組織・事業づくりをこと細かに投稿している。

今回はそんな橘氏のX投稿を紹介したい。

同社は4月1日創業。「総合型HRカンパニー」を目指し、エンプロイーサクセスHRプラットフォーム『PeopleWork』を展開。創業後、また1ヶ月も経過していないが著名スタートアップ企業のCxOクラスや、CHRO出身のセールス担当の採用も成功。18日時点で25名の組織となっているようだ。

事業の方も爆速で進んでおり、社内ではPMFが完了した状態とのこと。「PMFまでは投資抑制することも大事だが、PMFしてるのに投資判断を遅らせることもまた損失が大きくなる」との投稿は、背筋が正される思いだ。たった1週間で、トークスクリプトも5種類ほど商談ごとに変えて反応を探りPDCAを回しているという。爆速で成長したいビジネスパーソンは、ぜひ見習いたい姿勢だ。

またFastGrowでは、橘氏が独立するタイミングで独占インタビューを実施している。気になった方はぜひ読んでみて欲しい。

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Column──primeNumber、スマートバンクなど多企業が調達発表

先週、今週は、スタートアップの資金調達リリースの発表が相次いだ。今回はダイジェスト的に調達ニュースを取り上げたいと思う。

まず1社目はprimeNumberだ。同社は、誰もがすばやく、簡単にデータを使える環境構築から活用までのプロセスを最適化するソリューションを提供するデータテクノロジーカンパニーだ。データ基盤の総合サービス『trocco®』を提供しており、メルカリやリクルート、サイバーエージェントなどが導入する。

本ラウンドでは、Coral Capital、JPインベストメントなど全10社から総額20億円超の資金調達を実施。韓国やインドなど、これからSaaS活用がさらに広がるであろう市場への本格参入を進めるほか、開発およびビジネス推進体制を強化していく。代表の田邊氏はFastGrowの取材に「経済の低成長や人口減少が進む中で、日本の地力を高めたい」と意気込みを語った。

次に紹介するのは、家計簿プリカ『B/43』を展開するスマートバンク。デットファイナンスにより商工組合中央金庫や三菱UFJ銀行などから新たに11.5億円の資金調達を実施したと発表した

『B/43』は、プリペイドカードと家計簿アプリがセットになった家計簿プリカ。累計ダウンロードは100万件、月間取扱高は数10億円まで拡大している。

最後に紹介する資金調達は、プレシリーズAで総額2億円を調達したRENDEZ-VOUSだ。同社は、コレクタブルカー(希少性が非常に高い車)やクラシックカーの共同所有サービス『RENDEZ-VOUS』を展開。コレクタブルカーやクラシックカーは購入も維持管理費も高額になりがちだが、共同所有することにより、オーナーのコストを低減。その結果、1年半で6台の車両を取り扱い、流通額は2.5億円を突破したとのことだ。

本ラウンドでは、ANRIやXTech Ventureから資金を調達。今後は取り扱う車両を増やしていくとのことだ。

さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2024年04月26日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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