連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

スタートアップ健康保険組合発足!働きやすさ向上につながるか?──5分で注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。

昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。

・業界横断でエンジニア育成へ。CTO協会が研修を開始

・シードで16億円に驚き続出。PeopleXの船出

・日本農業、農林中央金庫や日本政策投資銀行などから総額42億円を調達

・スタートアップ健康保険組合発足!働きやすさ向上につながるか?

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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News1──業界横断でエンジニア育成へ。
CTO協会が研修を開始

今でこそスタートアップでも大学・大学院新卒社員を採用するようになったが、未だ中途入社が大半を占める。また、新卒社員を採用したとしても1社あたり1~2人がほとんどではないだろうか。

そこで活きるのが横のつながりである。YOUTRUSTがリードし、毎年開催されるようになった「スタートアップ新卒合同入社式」がその筆頭である。そして、今回紹介する日本CTO協会主催の「新卒エンジニア向け合同研修」も、スタートアップの新卒社員向けプログラムの代表格となる可能性がある。5月29日から合計9回、LayerXやProgate、アンチパターンなど、会員企業らも参画して開催予定だ。

この研修は、日本CTO協会の会員企業の新卒エンジニアを対象として、新卒エンジニアの育成コストを抑えつつ、業界・企業全体で育てることを目的としている。講義内容は多岐に渡り、キャリア戦略から組織・チーム開発で必要なGit基礎やアジャイル開発を学べる。

業界全体を底上げするために、共に連携する。今後もこのような活動を追っていきたい。

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News2──シードで16億円に驚き続出。
PeopleXの船出

最近、シードラウンドでありながら10億円を超える資金調達リリースが目立つようになった。 たとえば令和トラベルは2021年に22.5億円を調達。newmoはこの2024年にファーストクローズで15億円、セカンドクローズで3億円の調達を発表している。国内の一般的なシードラウンドの資金調達額が1億円前後と言われてきたことからも、2周目経営者が起業したこれらの企業の調達は、頭一つ抜けているように感じる。

そして、今回紹介するPeopleXは、WiLやAngel Bridge、そしてエンジェル投資家として有安伸宏氏やナレッジワークCEOの麻野耕司氏などからシードラウンドで総額約16億円を調達したと発表した

PeopleXは、弁護士ドットコム元取締役で、クラウドサイン責任者としてARR60億円までのグロースを牽引してきた橘大地氏が創業。エンタープライズ向けHR事業を手掛けるスタートアップだ。初期プロダクトとして「社員の即戦力化」「スキルアップ」「エンゲージメントの向上」という3つの課題を解決するためのアプリケーション開発を進めており、同時並行で2028年までに20ほどのアプリケーションを開発するとも表明している。

目先のメインプロダクトはエンプロイーサクセスプラットフォームの『PeopleWork』となり、そのほかにも業績直結型の組織人事コンサルティングや、社員のエンゲージメント向上に特化したギフト作成の支援を実施している。

株主となったUB Venturesの代表岩澤氏との対談記事や、Next SaaS Media Primaryの以下の記事では、投資家目線での大きな期待が具体的に記されている。ぜひこれらから、刺激や学びを得てほしい。

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News3──日本農業、農林中央金庫や日本政策投資銀行などから総額42億円を調達

日本農業は、農林中央金庫、慶應イノベーション・イニシアティブ、日本政策投資銀行などから総額約42億円を調達したと発表した

日本農業は、日本の農産物の生産から販売まで一気通貫で展開し、新たな産業構造を創出することで「日本の農業で、世界を驚かす」を目指すスタートアップ。青森県のりんごの生産から、選果・梱包、販売までを同社の中で行うことで、生産から販売まで一気通貫で担っている。

調達した資金は、更なるバリューチェーンの最適化に向けた設備投資や、りんご以外の品目や他産地への展開、組織力の強化に投じるとのことだ。

同社には新規事業化の守屋実氏や元ラクスルCOO福島広造氏らがアドバイザーについていることも注目したい。これまでの歩みについて聞いたFastGrowの記事も、合わせて確認いただければ幸いだ。

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Column──スタートアップ健康保険組合発足!
働きやすさ向上につながるか?

スタートアップのための健康保険組合「VCスタートアップ健康保険組合」が誕生した。VCスタートアップ労働衛生推進協会認可を受けた

VCスタートアップ健康保険組合は、スタートアップで働く人を対象にした国内初の健康保険組合。約180社、1万人強が加入を予定しており、京都フュージョニアリングやNOT A HOTEL、Luupなどが加入する。月間給与に対する保険料率は8.98%と、中小企業が加入する全国健康保険協会より1%程度低く、従業員・企業にとっての保険料負担の軽減につながる。

そのほかの特徴として、書類手続きが電子申請であったり、スタートアップで働く世代にあわせた健診の充実や保険事業の最適化が行われるとのこと。例えば日本経済新聞によれば、メンタルヘルスの不調の予防・ケアや、若年層のがんや生活習慣病を予防する健診メニューも充実させる予定とのことだ。

また今回のVCスタートアップ健康保険組合設立の発表を受け、Xでは「加入しました!」との投稿や、発足を祝う声が多数見られた。

スタートアップで働くことが当たり前となりつつある中で、いかに就業者の一人ひとりがどれだけ働きやすくなり、自己実現をしていけるか、そのための環境整備が鍵となる。今後もVCスタートアップ健康保険組合へ参画する企業の顔ぶれに着目しつつ、スタートアップ全体での業界の底上げに着目したい。

さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2024年06月07日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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