連載事業開発のその先へ──アーリー期スタートアップ140選

動物医療に「医薬分業」を実装する──ペット医療インフラのリーディングカンパニー「12薬局」

FastGrowが実施した特別アンケートでは、シード〜シリーズAの140社のうち51.8%がCOOを、66.0%が「将来の幹部候補」を募集していた。

だが、同じ肩書を掲げていても、実際に委ねられる経営課題や意思決定の範囲は会社ごとにまったく異なる。本連載「事業開発のその先へ──アーリー期スタートアップ140選」では、アンケートに回答した企業を一社ずつ取り上げ、その会社がいま抱える経営課題と、そこに参画する人材がどこまでの意思決定を担うのかを具体的に見ていく。今回紹介するのは、株式会社12薬局だ。


この会社の魅力を一言でいうと?

日本初「動物病院専用の医薬分業モデル」。IT×ペット専門薬剤師の調剤技術で、動物医療の新たなスタンダードを創る。


募集中の経営ポジション

事業責任者(直営デリバリー/門前薬局/FC展開)、事業開発、経営企画、プロダクト責任者、マーケティング責任者などの幹部候補

①飼い主へ直接届ける調剤・配送事業、②大型動物病院への門前薬局展開、③地域薬局とのFC展開、④ペットオーナー向けサービスといった多角的な事業構造を、経営陣と共にゼロから設計できる中核メンバーを求めている。


事業概要

動物病院から独自のオンライン処方箋システムで調剤指示を受け、専門の薬剤師がペット専用の調剤を行い、飼い主に直接配送する日本初の「ペット専用薬局」の開発・運営。近年では大型動物病院の敷地内に併設する「門前薬局」モデルや、地域薬局へのFC展開も進めており、動物医療における薬の供給インフラを構築している。


FastGrow的「ここがすごい!」

「法規制とリアルなオペレーションの壁を突破し、日本初のビジネスを形にする事業開発力」

動物病院では、人間用の薬をペット向けに分割・粉砕・混合する、極めて業務負荷の高い院内調剤が常態化している。結果として飼い主の待ち時間が発生し、獣医師は診療以外の業務に時間を奪われる。加えて、調剤が診療現場のオペレーションに組み込まれた構造そのものが、ヒューマンエラーや法令遵守上のリスクを抱えやすい状態を生んでいる──これは個々の病院の問題ではなく、業界全体が長年抱えてきた構造的な課題だ。

12薬局は、この根深い課題に対し「独自のオンライン処方システム(IT)」と「ペット専門薬剤師によるセントラルファーマシー(調剤の専門性)」を掛け合わせることで解決した。すでに400病院を超える動物病院と連携し、日々の処方を担う実働インフラとして機能している。

薬剤師の採用・育成、動物用医薬品の調達網、獣医療現場との信頼関係──単なるSaaSの提供では決して越えられない参入障壁を積み上げ、この市場のスタンダードそのものを定義しつつある。グローバル・ブレインらトップVCがシリーズAで出資したのも、この「手触り感のある本質的な課題解決」を高く評価したからに他ならない。現在はIPOを見据えて、事業と組織の両方が最も面白く動く時期を迎えている。


いま若手経営人材が飛び込むべき理由

「拡大し続ける市場で、人とペットの幸福に直結する『産業インフラ』そのものを設計できるから」

ペットは今や家族そのものであり、その健康を支えることは飼い主の幸福に直結する。ペット医療市場は飼育頭数の高齢化と医療の高度化を背景に拡大を続けており、そこで同社が向き合うのは「動物医療における医薬分業」という日本の新しいスタンダードを創り上げること。直営モデルだけでなく、門前薬局やFC展開といった立体的なチャネル戦略を仕掛けるフェーズにあり、IPOに向けた成長カーブの中で、産業インフラそのものを設計する経験は、事業家として他では得がたいキャリア資産となるであろう。


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こちらの記事は2026年09月17日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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