連載事業開発のその先へ──アーリー期スタートアップ140選

自動車の鋼板開発者が、砂漠の砂で道路をつくる技術に転身──Honda発PathAheadが挑む、アフリカのインフラ格差解消

FastGrowが実施した特別アンケートでは、シード〜シリーズAの140社のうち51.8%がCOOを、66.0%が「将来の幹部候補」を募集していた。

だが、同じ肩書を掲げていても、実際に委ねられる経営課題や意思決定の範囲は会社ごとにまったく異なる。本連載「事業開発のその先へ──アーリー期スタートアップ140選」では、アンケートに回答した企業を一社ずつ取り上げ、その会社がいま抱える経営課題と、そこに参画する人材がどこまでの意思決定を担うのかを具体的に見ていく。今回紹介するのは、PathAhead株式会社だ。

この会社の魅力を一言でいうと?

世界初、砂漠の砂から人工骨材をつくる技術で、道路建設に不可欠な資源不足をアフリカから解決する事業。


募集中の経営ポジション

Honda発のスタートアップとして2026年2月に設立され、総額1.36億円を調達したPathAheadで、代表・伊賀将之氏とともに事業を牽引する事業責任者候補。ケニア・タンザニア・南アフリカでの実証実験や、2028年に予定するケニア工場の立ち上げなど、日本発の技術をアフリカで事業化するプロセスを最初から手がけられる。真に社会に必要とされる事業を、技術の力で解決していく非日常的な経験ができるポジションだ。


事業概要

世界初となる、砂漠の砂を活用した人工骨材「Rising Sand」を開発する。アフリカ地域の道路舗装率は約20%にとどまり、世界的な建設需要の拡大で道路舗装に不可欠な天然骨材(砂・砂利)の不足も深刻化している。Rising Sandは従来の天然骨材と比べて約2.5倍の耐久性を持ちながら、施工コストを約60%削減できるという。Honda(本田技研工業)の材料研究センターで培った素材研究の知見を応用した技術で、2027年からケニア・タンザニア・南アフリカで約3年間の実証実験を行い、2028年にはケニアに自社工場を設立してアフリカの建設事業者向けに安定供給する体制を構築する計画だ。


FastGrow的「ここがすごい!」

「自動車の鋼板技術を、道路インフラの課題解決に転用した発想力」

代表の伊賀将之氏は、本田技研工業の材料研究センターで自動車向け鋼板開発などの素材研究に従事してきた人物だ。その知見を、畑違いに見える「道路建設」という領域に応用し、砂漠の砂から人工骨材をつくる世界初の技術「Rising Sand」を生み出した。Honda社内の新事業創出プログラム「IGNITION」から巣立ったスタートアップであり、インキュベイトファンドやサイバーエージェント・キャピタルに加え、本田技研工業自身も出資している。大手メーカーの技術基盤とスタートアップのスピード感を併せ持つ体制が、他社にはない強みだ。


いま若手経営人材が飛び込むべき理由

「道路の耐久性の低さが、人と経済の可能性を制約している」

アフリカ地域では、道路の耐久性の低さが人々の移動や物流、経済活動の大きな制約になっている。世界的な建設需要の拡大で天然の砂・砂利が不足する中、PathAheadは現地で調達できる「砂漠の砂」を資源に変えることで、この構造的な課題に挑んでいる。設立からまだ日が浅く、実証実験や現地工場の立ち上げといった大きな意思決定がこれから続く今だからこそ、日本の技術を海外で事業化するプロセスを、最初から当事者として経験できる。技術の力で"道"を起点に、人と社会の可能性を解き放っていく仕事だ。


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こちらの記事は2026年10月16日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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