メルカリが10周年を迎えた。これに伴い、新たにグループミッション「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる（Unleash）」を公開。今後メルカリが目指すこと、決意を表明した。

本日、株式会社メルカリは10周年を迎えることができました。メルカリに少しでも関わっていただいたすべての方に心より感謝を申し上げます

私からのレターと新ミッションについて、こちらからご覧くださいhttps://t.co/t0WP05ZVtx #MercariUnleash

— 山田 進太郎 / Mercari, Inc. CEO (@suadd) February 1, 2023

そもそも「Unleash」とはなんだろうか。日本語だと「解放」を意味するこの単語は、メルカリの目指す「循環型社会」を創ることで、世界中の人々の可能性を広げる（解放する）存在であるために重要なキーワードだという。

世界では今、大量生産・大量消費・大量廃棄からのシフトが必要とされている。この市況をメルカリとしてUnleashすることで、今後よりグロースすることを目指す。

Twitterでは起業家や経営者たちから賞賛の声が聞こえた。

おめでとうございます https://t.co/2ihvRuMwTC

— 福島良典 | LayerXはSaaS+Fintechの会社です (@fukkyy) February 1, 2023

メルカリの新しいグループミッション「Unleash（解放）」が最高に素晴らしい。文章の内容、そしてその文章を「レター」と表現している柔らかさも素敵。メルカリは間違いなく１００年残る会社になるでしょう。 https://t.co/4G7ZjgXAT3

— 水野敬也 (@mizunokeiya) February 1, 2023

今後もどのようにグロースしていくのか、引き続き注目していきたい。

起業家は、はじめに立ち上げた事業を何度も「ピボット（事業の転換）」させ、会社を軌道に乗せていく。スタートアップ経営において、最も難しいトピックとされるピボットについて面白いnoteが公開されたので紹介したい。DCMベンチャーズのプリンシパル原健一郎氏のnoteだ。

1) ピボットについてnoteを書きました！
ピボットは撤退ではなく、事業戦略の転換。ピボットは成功している企業(Apple, Adobe)でも必ず行っておりピボットのうまさが経営のうまさを表すと思います。
ただ、いつ、どう判断するかがとても難しいのがピボットですhttps://t.co/ZKDTM32BZT

↓以下超要約

— Kenichiro Hara| DCM Ventures (原健一郎) (@kenichiro_hara) January 25, 2023

ピボットは珍しいことではない。SlackやTwitterなどもピボットを経て今のかたちとなっている。日本でも10XがBtoC献立アプリからBtoBオンラインスーパー立ち上げプロダクトへのピボットをしている。

時にマイナスな印象を抱かせるピボットだが、あくまで撤退ではなく戦略転換。「ピボットのうまさは経営者の経営のうまさ」だと原氏は強調する。そして、これらを構成する要素には、「タイミング」や「判断力」「方法」など様々な要素があるようだ。

Twitterの反応も上々だった。

ピボットについての良いnote。

起業現場的には、大きなピボット以上に、
日常的な小さなピボットが大切と感じます。

私も、顧客セグメント、核となる技術資産、必要人材、などは全てガラリと変わりました

顧客、事実、データとひたすら向き合う。@kenichiro_hara #note https://t.co/9ozW1TYY7a

— 坂本祥二@新しい経営を学ぶ (@shoji_hq) January 30, 2023

身に染みる。バイアスとサンクコストは、事前の撤退基準を設けて、定期的に客観的に（ここが難しいのだが）振り返って潰さないといけない@kenichiro_hara #note https://t.co/8ZarzcgpPF

— Kazutaka Yoshinaga (@kazu_098) January 29, 2023

DCM原さんのピボットについて有益なnote。
･撤退ではなく軌道修正、戦略転換
･粘り強さはまず何よりも大事
･バイアスにより遅れる判断
タイミングや判断基準、方法等にも触れられていて参考になります！

ピボット/事業戦略の転換 Kenichiro Hara @kenichiro_hara #note https://t.co/TVozSK5Pz4

— junichi_taguchi@銀行系VC22年目 (@meganefutsaler) January 27, 2023

スタートアップがグロースするために避けては通れないピボット。まずはどのようなものなのか知るためにも一読をお勧めしたい。

今週の資金調達ニュースは、政策共創の社会インフラ構築を目指すPoliPoliをはじめ、ロボット義足のBionicや、発酵技術で社会課題を解決するオリゼなどディープテック系スタートアップが目立った。その中で今回は、介護リハビリテックのRehab for JAPANを取り上げていく。同社は、シリーズDでSMBCベンチャーキャピタルやJPインベストメントなどから総額11.3億円を調達したと発表した。

【11.3億円の資金調達をしました】
介護ヘルスケア領域の錚々たる投資家の方々に参画して頂きました。
「介護を変え、老後を変え、世界を変える」というミッション実現に向けて、SaaS事業だけでなく、高齢者中心の介護ヘルスケアプラットフォームへと進化させていきますhttps://t.co/subLxk6yNk

— 大久保 亮@Rehab CEO (@ryokubosan) February 1, 2023

「介護」は日本にとって重要な産業の一つだ。2022年現在、4人に1人が高齢者。なおかつ、この業界ではテクノロジーの活用が進んでおらず、慢性的な人手不足は社会問題となっている。

その中でRehab for JAPANは、介護職員向けの簡単にデイサービスの機能訓練を行えるソフト『リハプラン』を開発している。介護に必要となるデイサービスの最適なプランを自動で作成。介護士の働きやすさをサポートするサービスだ。

今回の資金調達により、リハプランのサービス強化と、新規事業立ち上げを行うという。日本で生活していく上で、避けては通れない介護課題に向き合うスタートアップとして、今後の活躍に期待したい。

FastGrowでもインタビュー記事を掲載し、オンラインイベントも予定しているので、ぜひチェックいただきたい。

イベントの詳細はこちら

組織が大きくなればなるほど、意思決定スピードはだんだん遅くなる。しかし、スタートアップとしては成長スピードを遅延させるわけにはいかない。

そんなスタートアップ経営者ならおそらく誰でも直面するであろう課題を真っ向から解決する策「蠱毒（こどく）」を発明したGaudiy代表の石川裕也氏のnoteが面白いので紹介する。

久しぶりに #note を書きました
「蠱毒」難しい意思決定を爆速かつ精度高く行う為の新しい組織制度

本当はバラしたくないですが、さまざまな実験組織していく中で、近年最も具体的な成果につながる良い制度だったので、簡単にその概要と手法をシェアできればと思います。https://t.co/fG7jfFSjF6

— Yuya Ishikawa / Gaudiy (@yuya_gaudiy) February 2, 2023

蠱毒は、ある課題やテーマに対して、2～3人の参加者がディベート形式で解決策やプランを戦わせ、原則1週間以内に結論を出す意思決定方法だ。ポイントは「ディベート形式」と「原則1週間以内」の2点だろう。

蠱毒をどのように運営しているのか、詳細はnoteをぜひ読んでいただきたいが、「キックオフ」「先行ピッチ」「後攻ピッチ」「勝敗決定・感想戦」の4ステップで運営される。勝敗決定では、勝敗をうやむやにせずはっきり決め、社内Slackにて公表するとのことだ。

ちなみに蠱毒が強い、提案が通りやすい人の特徴として、「いかにインプットしているか」「前提や通説を疑う力があるか」があるという。

大きな意思決定をする際に、時間がかかっている、結論の質が落ちているなどの問題点を抱えている経営者やマネージャー陣はぜひ導入を考えてみてほしい。