連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

マネージャーに何を求めるか?執行・活用・伸長・連携──5分で注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。

昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。

・X Mile、18億円調達!ノンデスクDXとは

・ROXX、UPSIDERファンドの融資1号に

・Google出身の研究者が集うSakanaAI、45億円調達

・フェーズ毎に社長の仕事は全く異なるものに?

・マネージャーに何を求めるか?執行・活用・伸長・連携

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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News1──X Mile、18億円調達!ノンデスクDXとは

X Mile株式会社は、Minerva Growth Partnersをリード投資家として、JPSグロース・インベストメントなどから約18億円の資金調達を実施したと発表した。調達した資金は、物流・建設・製造業などノンデスク産業の課題を解決するマルチプロダクト戦略の推進、開発、組織体制の強化に利用するとのことだ。

X Mileとは、ノンデスク産業向けSaaS・プラットフォームを提供するスタートアップ。ノンデスク産業の経営課題である「働き手の不足」と「労働生産性の低さ」の解決へ向け、同産業に特化したHRとITプラットフォームを複数個展開している。

いわゆる複数事業を展開する「コンパウンドスタートアップ」として、ノンデスクワーカーを多く抱える企業に向け事業を展開・成長させてきている同社。その経営マインドは、過去FastGrowにて取り上げている。今後顧客にどう向き合い、そのためにどのような組織を形づくっているのか気になっている方は是非ご一読いただきたい。

調達に合わせたインタビューも公開しているのでチェックしてほしい。

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News2──ROXX、UPSIDERファンドの融資1号に

ROXXは、UPSIDER Capitalが運営する日本初のグロースステージのスタートアップ向けデットファンド『UPSIDER BLUE DREAM Fund』の融資先第1号として、資金調達を実施したと発表した

ROXXとは、雇用のミスマッチをテクノロジーで解決するHRテックカンパニー。未経験求職者のための『agent bank』と、オンライン完結型リファレンス・コンプライアンスチェックサービス『back check』の2事業を展開する。

UPSIDER BLUE DREAM Fundとは、UPSIDERが持つAI技術と、みずほフィナンシャルグループが持つ専門知識などを掛け合わせ2023年11月に発足した、日本初のグロースステージスタートアップ向けデットファンド。

今回ROXXは、継続的な事業成長と不確実性の高い市場環境の中で成長をしていくため、デットファイナンスを実施。2事業の開発・運営を通じて、国内転職市場におけるインフラとなることを目していくとのことだ。

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News3──Google出身の研究者が集うSakana AI、45億円調達

Sakana AIは、NTTやKDDI、ソニーグループなどからシードラウンドで総額約45億円を調達したと発表した

SakanaAIとは、Google出身のDavid Ha氏やLlion Jones氏、そのほかメルカリやPreferred Networks出身の研究者・エンジニアを中心として2023年に設立したディープテック系スタートアップ。生成AIの課題を克服するAIの研究開発を行なっていくとのことだ。

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News4──フェーズ毎に社長の仕事は全く異なるものに?

会社の規模が大きくなればなるほど、「社長の仕事」は七変化する。当たり前に聞こえるかも知れないが、1周目の起業家にとっては未知の領域であり、この先自分にはどのようなスキルが必要で何にコミットしなければいけないか分からないことも多いだろう。

そんな起業家の参考になるnoteをご紹介したい。テックタッチ代表取締役の井無田仲氏の記事「フェーズ毎の社長の仕事について振り返る」だ。

詳細はぜひ井無田氏の記事を読んでいただきたいので割愛するが、何といってもこの記事の面白さはシリーズごとの「僕の仕事のふりかえり円グラフ」の七変化だろう。プレシード期は75%のリソースをエンジニア採用に割いていたにも関わらず、シリーズA時点では80%のリソースで営業とプロダクト開発をこなしていたようだ。と思ったら、現段階のシリーズBでは再び60%を採用に割いている。

その時々の会社の状況や市場環境により、社長は高い視座で物事を考え、最適・最短のルートを実行する。学びの深い記事だ。

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Column──マネージャーに何を求めるか?
執行・活用・伸長・連携

マネージャーの評価基準は型化されていない。マネージャーといっても幅広く、会社を経営する代表もマネージャーであるし、経営の中核を担うCxOもマネージャーであるし、プロジェクトのリーダーも(ミドル)マネージャーである。

そんな数多いるマネージャーをどう評価し、どうレベルアップしてもらうべきか。案外まとまったテキストはない。今回紹介するnote「マネージャーの評価基準(シート・動画付き)」は、そんなマネージャーに対する評価を言語化・構造化した、『急成長を導くマネージャーの型』を執筆した長村禎庸氏の記事だ。

そもそもマネージャーの評価とはどのような状態であれば「いい評価」となるのだろうか。長村氏は「全社の中長期的な成長に貢献するマネジメント」としている。その評価軸として、「執行」「活用」「伸長」「連携」があるという。

順番に見ていこう。

執行とはチームの成果を出すために重要な業務を見極め、それを執り行うこと。活用とは全メンバーが持続的にパフォーマンスを発揮し続けるために、そのリソース・意欲・能力をフル活用すること。伸長とは採用と、メンバーの育成を通じてチーム全体の力量を向上させること。そして連携とは上司・他部署と適切に連携し、他部署や全社の業務執行がスムーズに行うよう取り計らうことだ。

マネージャーの評価はこれら4つの指標がどこまで満たされているか、で行うべき。たとえ一人で執行する力があるとはいえ、チームで会社への貢献ができていない限り、マネージャーとしての評価は難しいということだ。

現在マネージャーとしてどのように成果を上げれば良いのか悩んでいる方や、人事担当者でマネージャー評価の作成に悩んでいる方、そして会社経営者としてどのようにマネージャーを採用すれば良いのか悩んでいる方まで、是非参考にしていただきたい記事だ。

さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2024年01月22日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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