大気中のCO2を年間10億トン回収し、地球を救う──東京大学発、日本初のDAC企業Planet Savers
FastGrowが実施した特別アンケートでは、シード〜シリーズAの140社のうち51.8%がCOOを、66.0%が「将来の幹部候補」を募集していた。
だが、同じ肩書を掲げていても、実際に委ねられる経営課題や意思決定の範囲は会社ごとにまったく異なる。本連載「事業開発のその先へ──アーリー期スタートアップ140選」では、アンケートに回答した企業を一社ずつ取り上げ、その会社がいま抱える経営課題と、そこに参画する人材がどこまでの意思決定を担うのかを具体的に見ていく。今回紹介するのは、Planet Savers株式会社だ。
この会社の魅力を一言でいうと?
大気中のCO2を直接回収する「Direct Air Capture」技術を、東京大学発の世界トップのゼオライト研究・知見で低コスト化・社会実装する、日本初のスタートアップ。
募集中の経営ポジション
プレA期で、株式投資・助成金合わせて累計10億円超を調達したPlanet Saversで、代表・池上京氏とともに事業を牽引するChief of Staff、ファイナンスリード等の将来の幹部候補。技術・製造・顧客・政策・ファイナンスをつないで産業として成立させる役割が求められ、吸着材、CO2回収モジュール、プラント向けコアコンポーネント、ライセンスまで含めた複数の事業モデルを設計、戦略的に展開を進める。まだ世界的にも勝ち筋が定まりきっていないDirect Air Captureという産業そのものを、日本発で創りにいく経営ポジションだ。
事業概要
大気中のCO2を直接回収する技術「Direct Air Capture(DAC)」の研究開発を行う。無機多孔質材料であるゼオライトをベースにした革新的な吸着材と、その吸着材に最適化されたCO2回収装置を開発し、熱を使わず電気駆動・モジュール型でスケールさせることを目指す。現状DACによるCO2回収コストは1トンあたり1,000ドル近くにとどまっているが、Planet Saversの技術は理論上、1トンあたり200ドル以下までコスト削減が可能とされる。2050年のDACグローバル市場規模は約70兆円に達すると試算されており、マイクロソフトやANAといった大企業がDAC由来のカーボンクレジットを購入するなど、市場が立ち上がりつつある。
FastGrow的「ここがすごい!」
「東京大学の研究室発、コスト構造そのものを変える吸着材技術」
Planet Saversは、東京大学の研究棟にオフィスを構える東京大学発のスタートアップとして、ゼオライトという無機多孔質材料をベースにした独自の吸着材技術を核に事業を展開している。この技術力が、Spiral Capitalやジャフコグループといった投資家からのシード調達、さらにNEDOの「GX分野のディープテック・スタートアップ」実用化研究開発・量産化実証支援事業、環境省SBIRフェーズ3等への採択にもつながり、累計調達額は株式投資と助成金を合わせて10億円を超えている。オーストラリアのCO2回収カンファレンスでのピッチで優勝するなど、技術の社会実装に向けた評価を日本だけでなくグローバルで着実に積み重ねている。
いま若手経営人材が飛び込むべき理由
「勝ち筋をまだ世界の誰も確立していない」
DACは気候変動対策の切り札とされながら、技術的にもコスト面でも政策面でも不確実性の大きい、まだ勝ち筋が定まりきっていない領域だ。Planet Saversは、国内での有償PoCや海外パートナーとの商談・導入検討を進め、これから商用化・量産・海外展開に向かうタイミングにある。どの用途から入り、どのパートナーと組み、どの国で最初の実績をつくるかを、経営チームの意思決定としてゼロからつくっていける。日本の技術を世界市場に接続し、まだ存在しない国際的なCO2除去バリューチェーンを構築する、稀少な挑戦だ。
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こちらの記事は2026年10月14日に公開しており、
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