連載事業開発のその先へ──アーリー期スタートアップ140選

海外送金の「手数料ブラックボックス」に終止符を打つ──支社なしで11の国と地域に現地口座をひらくRemitAid

FastGrowが実施した特別アンケートでは、シード〜シリーズAの140社のうち51.8%がCOOを、66.0%が「将来の幹部候補」を募集していた。

だが、同じ肩書を掲げていても、実際に委ねられる経営課題や意思決定の範囲は会社ごとにまったく異なる。本連載「事業開発のその先へ──アーリー期スタートアップ140選」では、アンケートに回答した企業を一社ずつ取り上げ、その会社がいま抱える経営課題と、そこに参画する人材がどこまでの意思決定を担うのかを具体的に見ていく。今回紹介するのは、株式会社RemitAidだ。

この会社の魅力を一言でいうと?

海外取引先から支払いを、現地に会社をつくらず、国内決済と同様の体験の振込とカード決済で完結させる事業。


募集中の経営ポジション

プレシリーズAで累計2.8億円を調達したRemitAidは代表・小川裕大氏とともに事業の骨格をつくる将来のCOO、CTO、CFOといった経営ポジション、AML(アンチマネーロンダリング)責任者候補を募集している。営業体制の構築から、資金移動という規制産業ならではのコンプライアンス体制の設計、コメ兵をはじめとする海外企業を積極的に行う日本企業へのアプローチや金融機関や海外展開支援企業とのアライアンス拡大までを横断して担う。「日本発」の挑戦を、規制対応と事業成長の両輪で前に進める経営ポジションだ。


事業概要

海外の取引先に代金を支払ったり、海外から代金を受け取ったりする中小企業向けに、クロスボーダー決済プラットフォーム「RemitAid」を提供する。柱は2つ。支社を持たずに11の国・地域で現地口座を開設できる「ラクヤス決済 振込」と、20種類の通貨でクレジットカード・QR決済ができる「ラクヤス決済 クレジットカード」だ。従来、銀行の海外送金では手数料の高さや着金の遅さ、入金確認のしづらさが中小企業の海外取引を阻んできた。RemitAidはこれを、請求書と連携したオンライン管理画面上で一元化し、明朗な手数料と着金の可視化を実現。両決済手段の累計導入社数は500社を突破している。


FastGrow的「ここがすごい!」

「ペイメント新規事業の経験をフルに活かした事業。国内為替の現場を知る代表の業界知識とノウハウ」

代表の小川裕大氏は、DeNAでFintech領域の新規事業責任者を務めたのち、決済代行会社ペイジェントに出向して国内為替の新規事業を自ら立ち上げた経験を持つ。「送金」という規制領域の事業を1から立ち上げ、動かしてきた経験があるからこそ、資金決済法や外為法まわりの複雑さを踏まえたプロダクト設計ができる。コメ兵などの大手企業の導入や十六銀行をはじめとする地域金融機関との提携、Amazonのペイメントサービスプロバイダーへの登録実績が、この事業の信頼性を裏付けている。規制産業特有の参入障壁の高さが、そのままRemitAidの強みになっている。


いま若手経営人材が飛び込むべき理由

「日本発の国際送金インフラは、まだ誰も本命をつくれていない」

海外との取引は増え続けているのに、企業が使える国際送金の選択肢は、いまだに銀行の高い手数料か、海外のサービスしか存在しない。RemitAidは「お金の国境をなくす」というビジョンのもと、日本発でこの空白地帯に挑む数少ないプレイヤーだ。プレシリーズAという事業拡大期の今、営業体制の構築から規制対応まで、経営の骨格そのものを一緒につくれる裁量がある。国境をまたぐお金の流れという、地味だが今後の日本経済のためにも必要不可欠であるインフラを、自分たちの手でゼロから標準化していく挑戦がここにある。


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こちらの記事は2026年10月05日に公開しており、
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