【累計2.1億円】エンプラIT市場の構造に切り込む事業家集団──株式会社Entaar、プレシリーズAで1.5億円を調達
重要なのは、調達額の大きさ?バリュエーション?ラウンド?いやいや、スタートアップの資金調達とは、もっと奥深く、緻密で複雑なものである。
FastGrow編集部では、調達リリースを見るたび、その裏側について思いを巡らせ、その後のビジョンについて予測や仮説立てをしてきた。そのために知りたい情報を、ぜひ外部向けにも記事としてまとめてみよう──そんな想いで始まったこの連載。
今回は、2025年9月に資金調達を発表した 株式会社Entaarについて、その「横顔」をまとめる。
FastGrow編集部が注目するポイント
注目ポイント1
AIと人の共創を起点とした“エグゼキューション+ナレッジ蓄積”のモデルで、汎用的なコンサルモデルと差別化する事業家集団
注目ポイント2
エンタープライズIT領域の構造変革をチームで達成しようという、創業代表・齋藤氏のFounder-Market-Fitに対する高い評価・期待
注目ポイント3
“IT企画業務の標準化”で基盤構築後、ITマーケットプレイス展開への展開を予感させる戦略性
代表を始めとした、同社のメンバーについて
(1)代表取締役CEO 齋藤 大和 氏

調達に際してのコメント
「今後10年のエンタープライズIT領域の新しい在り方を提示する存在として、巨大な産業をデータとテクノロジーで変革していきます。 既に創業1年半で、上場企業を含む複数の大手企業での導入が進んでおり、この仕組みが、今後の大企業AX(AI-Transfromation)やDX(Digital-Transformation)、BPR(Business Process Re-engineering)推進におけるインフラになると信じています。 また既存投資家のSSS Capital、インキュベイトファンド、個人投資家として西和田浩平氏(アスエネCEO)に加え、本ラウンドにて、新たにジェネシア・ベンチャーズにも参画いただき、この歩みをさらに加速できることを大変嬉しく思います。今回の資金調達を活用し、さらなるプロダクト開発と組織強化を進め、業界におけるプレゼンス向上を図っていきます。」
プロフィール
公務員のキャリアを経て、IT総合商社にてITコンサル営業に従事。メドレーで医薬業界向けのSaaS事業立ち上げに携わる。アスエネにて大企業向けのサプライチェーン調達におけるESG評価事業の立ち上げ及び営業統括を経て、Entaarを共同創業。
(2)取締役COO 北山 明親 氏
プロフィール
東京大学大学院修了後、新卒でSMBC日興証券投資銀行部門に入社、IPO及びM&Aアドバイザリー業務に従事。メドレーで複数の新規事業立ち上げに携わる。MakipにてSaaS事業の統括と海外事業の立ち上げを経て、Entaarを共同創業。
(3)執行役員CFAO 加納 敬一 氏
プロフィール
慶應義塾大学卒業後、新卒でSMBC日興証券投資銀行部門に入社、IPO及びM&Aアドバイザリー業務に従事。Bonds Investment Groupにて、SaaS系スタートアップへ複数投資実行。ニッセイキャピタルにて投資業務を経て、Entaarを共同創業。
(4)CTO 新宮 圭 氏
プロフィール
慶應義塾大学卒業後、新卒でヤフーにエンジニアとして入社。自身での起業、SaaS企業でのフルスタックエンジニアを経て、アクセンチュアにて大手IT企業を顧客としたAI関連PJのコンサルティング業務へ従事。その後、EntaarへCTOとして参画。
調達の概要
プレスリリース |
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巨大なエンタープライズIT市場の構造変革に挑むEntaar、1.5億円のプレシリーズAの資金調達ラウンドを実施 |
調達額 |
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総額1.5億円(累計2.1億円) |
ラウンド |
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プレシリーズA |
主な使途 |
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既存サービスの強化 |
採用の強化(特にPdM・開発・営業責任者) |
他領域への参入(ITマーケットプレイス事業など) |
投資家からの評価(抜粋) |
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株式会社ジェネシア・ベンチャーズ(代表取締役/General Partner 田島 聡一、Investment Manager 黒崎 直樹) この度ジェネシア・ベンチャーズからリード投資をさせて頂きました。国内SaaS市場の数倍・数十倍の規模を誇るエンタープライズIT領域。同領域は複雑な既存システム群の管理難易度が高い中、これからAX(AI-Transfromation)や専門人材の人手不足などの時代変化の波が訪れる中で、新しい事業機会が生まれてくる領域だと捉えています。 代表の齋藤さんはアスエネ・メドレー出身で高い営業実績を残し起業に至った実践派の人物です。エンタープライズ領域知見、高い営業力、そしてその人柄を含めて本事業領域におけるFounder-Market-Fitを強く感じる起業家です。チームEntaarは今後10年のエンタープライズIT領域の新しい在り方を提示すると信じております。齋藤さん、Entaarの皆様、共に頑張っていきましょう! |
アスエネ株式会社 代表取締役CEO 西和田 浩平氏 Entaar社とCEOの齋藤さんが挑戦するIT市場の構造変革は、長期で急成長していく領域であり非常に大きな可能性を秘めています。アスエネの卒業生で、新事業の立ち上げを一緒にやってきた仲間であるCEOの齋藤さんが、その中心で強いオーナーシップを発揮しており、最初の事業のゼロイチ立ち上げが一番難しい中で、短期間で順調に多数のエンタープライズのお客様を獲得できており、今回も追加投資をさせて頂きました。ここから更に大きな視座で突き抜けてもらうべく、Entaar社のさらなる飛躍と急成長をガンガン応援していきます! |
関連ポスト
Entaarは、株式会社ジェネシア・ベンチャーズから1.5億円のプレシリーズAラウンドの資金調達を実施いたしました!
— 齋藤大和@Entaar CEO&Founder (@yamato_sait) September 29, 2025
既存投資家のSSS Capital、インキュベイトファンド、個人投資家としてアスエネCEOの西和田さん(@Nishiwada_Kohei… pic.twitter.com/WktMAlfHs4
主なサービス・プロダクト
大企業IT企画向けAI共創型エグゼキューションサービス
ITコンサル出身者を中心とした非常駐型のコンサルタントチームと、IT企画業務に特化したAIエージェントを組み合わせた「共創型エグゼキューションサービス」で構成される。ユーザー企業は、IT投資ポートフォリオの分析やRFP作成、システム更改計画、ROI試算、ベンダー選定などを、通常のコンサルティング費用の約4分の1のコストで依頼でき、同時に業務データやナレッジが自動的に蓄積される仕組みになっている。
FastGrow編集部の注目ポイント
- ナレッジ蓄積とAI活用をセットにすることで、「使って終わり」にならない知識資産化のモデルを提示できる可能性。
- 大企業IT企画市場は未整理で非効率も多く、構造転換フェーズでの参入余地がある。
- 将来的にITマーケットプレイス化を狙うなら、他プレイヤーとの連携やプラットフォーム戦略が鍵になる。

提供:株式会社Entaar
採用関連情報
主な募集ポジション |
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機械学習エンジニア/データエンジニア |
こちらの記事は2025年10月03日に公開しており、
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