あらゆる「使いこなせない」は、テクノロジーでなくせる──テックタッチによる、SaaSとAIの“その先”を生む戦略を独自考察【特別連載:ホントにすごいベンチャー】
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「うちの会社、SaaSは山ほど入れたけど、結局、一部の機能しか使ってないんだよね……」
「最近流行りのAIも導入してみたけど、なんか結局、業務の役には立たないし、どう使えばいいか分からないんだよな……」
結局は、これが現実だ。そう簡単に、社会は変わらない。一人ひとりの業務レベルの話なら、なおさらだ。
数年前から「業務効率化そしてDXの切り札」と喧伝されてきたSaaS。多くの企業が導入したものの、その真価を発揮しきれていないケースが山積している。そして、最近になって「ゲームチェンジャー」として脚光を浴びるAIもまた、「結局、絵に描いた餅」と化している現場が少なくない。高額な投資をして最新ツールを導入しても、現場の従業員がその機能を十分に活用できず、結果として「デジタル負債」だけが積み上がっていく──。そんな「もったいない」現実が、実は多くのビジネスパーソンの生産性をひっそりと蝕んですらいる。
だが、この「誰もが気づきつつも見て見ぬふりをしてきた”見えない壁”」を、真正面からぶち破り、誰もがデジタルツールを自在に操れる世界を創り出している、とんでもないスタートアップも実は存在する。それがテックタッチ株式会社だ。もしかしたら、「社名は知っているけれど、実態をまだ詳しく知らない」という読者が、実は多いのではないだろうか?
安心してほしい。そんなあなたに向け今回、公開情報を基に、スタートアップ・ベンチャー企業の記事を2,000本以上つくってきたFastGrow編集部が、考察をまとめた。
この記事を読めば、テックタッチは「単にSaaSやAIを導入するお手伝いをするだけの会社ではない」ともわかるはず。私たちが伝えたい真実とは、まさに“デジタル変革の仕掛け人”として多方面で実績を積み上げているということ。具体的には、「使いこなせない人」が明確に変わる“仕組み”を提供し、日本企業全体の業務を根底から効率化させ、新たな価値がどんどん生み出される環境を生み出しているのだ。
知る人ぞ知る優良企業として、「ぜひここで働きたい」という熱い視線をも広く集め始めたテックタッチの凄さの核心に迫る本記事。間違いなく、ベンチャーパーソン必読だ。
「SaaSを使いこなせない人」こそを、最強にする──テックタッチによる真のデジタル変革
「AIは難しい」「SaaSは使いこなせない」という固定観念。これがスタートアップのグロースを阻む壁となっている部分もある。だが、それならむしろ、これを逆手に取るように、誰でも、意識することなくAIの恩恵を享受し、SaaSを自在に操れる世界を現実のものにできればいい。おそらく、テックタッチはそう考えているのだろう。
もはや、単なるツールの導入支援ではない。デジタルツールと人間が真に手を取り合い、互いの価値を最大限に高め合う、まさに「抜本的なDX」の推進に他ならないのだ。
さて、導入で煽りに煽ってきたが、具体的にはどうやって、「使いこなせない」というデジタル化の壁を打ち破っているのか?まずはその事業戦略の真髄を、FastGrowなりに考察していく。
初めに、端的にその答えをまとめていく。同社の圧倒的なユニークさは、独自開発した「デジタルガイド」ツールと、最先端AIとの、先進的な統合戦略にある。
生成AIをシームレスに業務システムやブラウザに組み込める新サービス「Techtouch AI Hub」をリリースしました。昨日日経新聞で掲載されたこともあり、既に多数の問い合わせをいただいていて嬉しい限りです。https://t.co/y5RM4LpS3l pic.twitter.com/aDWfU29XyD
— なかがま@テックタッチ Head of PR/ Marketing (@YukikoNakagama) March 13, 2024
創業当初から開発・提供してきた「デジタルガイド」としてのSaaSプロダクト。Webシステムやサイトの操作画面に直接、まるで熟練のナビゲーターのように、リアルタイムで操作ガイドやナビゲーションを表示するものだ(このようなサービスを、専門用語でDigital Adoption Platform、略してDAPと呼ぶ)。これにより、ユーザーは分厚いマニュアルと格闘することなく、迷うことなく正しい操作をサクサクと進めることができる。
これは単なる操作補助ではない。ユーザーの行動データを賢く分析し、最適なタイミングで必要な情報を提示することで、デジタルツールへの苦手意識を払拭。これがテックタッチの提供価値の神髄だ。そうして、誰もが迷わず操作できる「超効率化」を可能にしてきた。
さらに、テックタッチは生成AIをはじめとする最先端のAI技術を、この中に驚くほど自然に統合し始めている。つい最近(2025年8月)も、新たな機能を実装した。
【お知らせ】
— テックタッチ株式会社 (@techtouch_inc) August 8, 2025
「#テックタッチ」に【AIアップデート】を実装!#AI機能 がさらに進化しました。
操作ガイドの自動修復
最適なガイド作成支援
ガイドの修復コストを大幅削減し、持続可能で効率的なシステム運用を実現
詳細はこちらhttps://t.co/1J036C1LsH pic.twitter.com/9fl6rgPnNO
先ほどの図でも示した、最新プロダクトとも呼べる『Techtouch AI Hub』は、既存のWebページやシステムを一切改修することなく、その画面上に直接ChatGPTなどのAI機能への導線をスムーズに設置し、的確なアシストがすぐに実現される世界をつくり出している。例えば、経費申請の際にAIが社内規定に反していないかを瞬時にチェックしたり、顧客からの問い合わせ対応時にAIが質問内容を的確に要約したりと、具体的な活用事例が次々と生まれている。
売上高成長は平均3倍以上、4年連続シェアNo.1、ユーザー増加率は4年で16倍
ここまでの説明で「なるほど」と思う読者もいてくれるかもしれない。しかしその一方で「本当にすごいの?証拠は?」と食らいつく読者もいるだろう。
安心してほしい。その強みは、数字となって明確に表れている。テックタッチは、DAP市場において4年連続で国内No.1。国内での利用者数は2021年末に50万人ほどだったところから、2025年5月時点で800万人にまで拡大。導入企業にはトヨタ自動車や三菱UFJ銀行、鹿島建設、東京ガス、LINEヤフーなど名だたる大企業が並ぶ。また、官公庁・自治体でも導入が広がっている。
特筆すべきは、従業員数1万人以上の大手企業における導入比率は50.6%という点。すでに市場の約半数を占める圧倒的なマーケットリーダーシップを発揮しているのだ。デロイトが発表する「Technology Fast 50 2023 Japan」では、過去3決算期の売上高成長率468.6%を記録し、50社中8位にランクインしている。
これらの数字は、テックタッチが単なるツール提供者ではなく、企業の根幹を揺るがすDXを現実のものとしている揺るぎない証拠だとも言えよう。
テックタッチの成長ファクトまとめ
- DAP市場で4年連続国内No.1
- 国内利用者数は2021年50万人→2025年800万人と急増中
- 導入先はトヨタ、三菱UFJ銀、鹿島建設、東京ガスなどエンプラ多数
- 過去3決算期の売上高成長率は468%(2023年公表値)
このように、日本経済の主要プレイヤーたちを相手に、デジタルツールと人間が真に手を取り合い、互いの価値を最大限に高め合う、まさに「抜本的なDX」の推進を進めているのがテックタッチなのだ。
驚異の成長を支える「人」
そして組織・人の面も見ていこう。ここまでに整理してきたテックタッチの世界観と、目覚ましい事業成長は、「人の壁」を乗り越えることに特化したユニークな事業戦略に支えられているともいえる。
従来のITソリューションがシステムの導入や機能提供に注力していたのに対し、テックタッチは「導入後の使いこなし」という、これまでほとんど手つかずだった領域に目をつけた。これは、まさに「見過ごされてきた巨大なニーズ」を発見し、市場における新たなフロンティアを切り拓いたことを意味する。
そしてそれを実践していくために、多様なバックグラウンドを持つメンバーたちの採用にこだわってきた。例えば商船三井、マッキンゼーを経てカスタマーサクセス領域を統括してきた執行役員VP of Success / Operationsの垣畑陽氏は、“稼ぐCS”を合言葉に組織拡張に取り組んでいる(詳細は以下のnoteを参照)。
また、最先端の技術を追求し続けるエンジニアの存在も重要であり、牽引するのはCTOの日比野淳氏だ。4,000万ダウンロードのアプリ開発をゼロからリードした経験を持つ同氏は現在、テックタッチの新たな成長エンジンともいえる「AIとDAPの超融合」を推し進めている(FastGrowでAIについて語ってもらった記事が以下)。
そしてプロダクト開発を牽引するもう一人が、CPOを務める中出昌哉氏。そもそもはMBAホルダー/元野村證券/元カーライルというきらびやかな経歴を持つCFOとしての中出氏について知る読者の方が多いだろう。スタートアップファイナンス界隈でも、中出氏の優秀さはよく話題に上がっていた中、2024年1月にCPOを兼務することが発表された。その動き方についてはこちらのnoteで「CFOとしては、経営戦略を先に考えた上で、どれぐらい資金が必要で、どれぐらいどこに資金を投下して、どれぐらいのリターンを狙うのかを本気で考えますし、CPOとしても、経営戦略を先に考えて、その経営戦略を達成するために必要なプロダクトは何かを考え、そのあと機能について考えます」など自ら発信も進めている。
また、2025年3月に参画したVP of innovationの岩渕聖氏は、テックタッチの新たな展開を牽引する重要人物だと言えよう。SAP Japanでテクノロジー・プラットフォーム事業の責任者として戦略立案・事業運営を担い、新領域の市場開拓やM&A製品の日本展開をリードしてきたという経験が、テックタッチのAI関連の新規事業でどう活かされていくのか、楽しみで仕方がない。
このように経営・マネジメントレイヤーには多様な経験が持ち込まれており、コラボレーションによって既存の枠にとらわれない斬新なイノベーションが生み出されていると考えられる。
また、組織(働く環境)の魅力についても、外部から評価を得ている。以下も合わせて参照したい。
【アワード受賞】#テックタッチ が、Great Place to Work®調査2025年版「#働きがいのある会社」若手ランキング2位獲得
— テックタッチ株式会社 (@techtouch_inc) July 31, 2025
34歳以下の若手も働きやすいよう、テックタッチは挑戦を後押しするカルチャーや成長できる環境を整えています。
詳細はこちらhttps://t.co/8SDnmiSBEu pic.twitter.com/pq8bo8Gk9q
【アワード受賞】
— テックタッチ株式会社 (@techtouch_inc) August 28, 2025
Great Place to Work® Institute の2025年版アジア地域の「#働きがいのある会社」中小企業部門で67位選出!
当社の「自由と挑戦」の風土への評価を受け止め、引き続き #働きやすい環境 整備に努めます。
詳細はこちらhttps://t.co/2CpJxzbt36 pic.twitter.com/Zb2npdQ4xx
企業文化と人材:なぜ「ここで働きたい」と惹きつけられるのか
テックタッチを今回、いわば「ヒト・モノ・カネ」を出来るだけ網羅するような観点でまとめてきた。まず初めに「モノ」という観点から、セクション1でプロダクトとその裏の戦略について緻密に考察。そしてセクション2では「カネ」に近い観点で、売上高成長率に加えてユーザー数の急成長ぶりや、大企業の導入が多い点に触れた。そして最後に「ヒト」の観点で、経営・マネジメントレイヤー一人ひとりの強みにフォーカスした。
全体のストーリーがわかるよう、ここまでの話を統合するイメージで、FastGrowが重要だと感じた要素を沿革のように表にまとめた。
時期 | 出来事 | 内容 |
---|---|---|
2018年3月 | 創業 | 井無田仲氏と日比野淳氏が共同でテックタッチ株式会社を設立。デジタルアダプションプラットフォーム事業の基盤を構築 |
2019年9月 | シード資金調達 | 総額1.2億円をArchetype Ventures、DNX Ventures、その他個人投資家から調達(プレスリリース) |
2020年7月 | シリーズA資金調達 | 総額5億円を調達。DNX Venturesがリード投資家。プロダクト「テックタッチ」の本格的な市場浸透と事業拡大を推進。この時点でユーザー数8万名超(プレスリリース) |
2020年8月 | 垣畑陽氏が参画 | 商船三井、マッキンゼーを経て入社。カスタマーサクセス領域を管掌(現執行役員VP of Success / Operations) |
2021年3月 | 中出昌哉氏がCFOとして参画 | 中出昌哉氏がCFOに就任。財務戦略とガバナンス体制を強化し、その後の大型資金調達の基盤を構築(その後2024年1月に取締役に就任) |
2022年10月 | ユーザー数200万人突破 | 国内利用ユーザー数が200万人を突破。デジタル庁発足によるDX推進の追い風を受け、大企業での導入が加速。DAP市場で2年連続国内シェアNo.1を獲得(プレスリリース) |
2023年1月 | シリーズB資金調達 | 総額17.8億円を調達。累計調達額は24億円。DNX Venturesがリード投資家(プレスリリース) |
2023年2月 | 日本政策金融公庫からの調達 | 日本政策金融公庫より2.5億円の新株予約権付融資を実行。シリーズBを補完し、長期運転資金を確保。日本政策金融公庫からの調達は3回目、累計5.2億円(プレスリリース) |
2023年7月 | 大企業のSaaS導入率74.7%を確認 | テックタッチが実施した2023年度SaaS活用実態調査にて、大企業におけるSaaS導入率が74.7%に達していることが判明。同社の事業の重要性を裏付けた(プレスリリース) |
2025年2月 | 岩淵聖氏 参画 | 元SAP Japanの岩淵聖氏が執行役員 VP of Innovationに就任。AI機能開発とエコシステム拡大に注力へ(プレスリリース) |
2025年4月 | AI Central Voiceの発表 | データ戦略AIエージェント「AI Central Voice」の提供開始。企業内の定性データをAIで分析し、意思決定をサポートする新サービス。AI領域への事業拡大を示す(プレスリリース) |
2025年6月 | ユーザー数800万人突破 | 国内外の利用ユーザー数が800万人を突破。DAP市場における圧倒的なリーダーシップと、国内外でのサービス浸透の加速を示す(プレスリリース) |
いかがだっただろうか。まさに、スキのないスタートアップと言えるのではないだろうか。
もしあなたも、デジタル変革の最前線で、自らの手で未来を創り出すことに興味があるなら、テックタッチが歩んできた道のりが大いに参考になるだろう。あるいは、これから参画したり、協業を検討したり、というのもいいだろう。
この記事が、あなた自身のキャリアを次のステージへと押し上げる一歩につながれば幸いだ。
こちらの記事は2025年09月03日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。