まだまだ成長幅も成長実感もあります。たしかに東京在住でインターネット業界にいる方への浸透率は非常に高いので、そう思われてしまうのもわかります（笑）。ただデータを見ても、全国の未婚男女への浸透率はまだまだなので、サービスとしては当然成長幅が残されている状態です。

また、僕らは100→1000と呼んでいる事業フェーズで、グローバルで突き抜けていくことを目指しています。日本発で、0から始まった事業で、このフェーズを経験できることは貴重なのではないでしょうか。私自身も、今は国内だけでなく台湾と韓国のグロースも見ていて、今までと違ったスキルが求められるので成長実感もありますね。

事業と会社がどのような状況かによって変わると思うので難しいですが、結論としては定量・定性どちらも見ながら都度判断をしなければいけないと思います。ただ一つ言えることとして、はじめに「理想のターゲットとシナリオ」を仮説立てて絞り込んでおくことは重要です。なぜなら想定していなかったターゲットが多く流入してしまう、ということは実際起こり得るからです。

こういったケースでは、「理想のターゲットとシナリオ」がないと最適な打ち手を導き出せません。流入してきたユーザー行動に合わせてターゲット自体をピボットするのか、それともマーケティングチャネルを変えるのか、というのはもともと想定していた仮説と照らし合わせて判断すべきです。この判断においては、よほどEvilなビジネスで無ければ生き残ることが大事だと思うので、どちらが事業スケールするのかで決めるのが良いのではと思います。

まずは、世の中の大きな流れを意識した上で、世代ごとの具体的な困りごとを結びつけるように考えています。例えば飲食であれば、フードロスの課題意識、ノンアルコール飲料志向、昆虫食や代替肉といったトレンドが新しく出てきていますよね。

そして当然ですが、私のようなY世代とZ世代と呼ばれるような年代の人では価値観が全く異なるので、大きな社会の流れから生まれる課題を想像して、熱量高く反応する世代やターゲットを絞り込んでいくイメージです。

やるべきか否か、という議論や意思決定を全くせずに、プロデューサーが出すアイデアを全部形にしようとしてしまった社会人1年目が一番の失敗ですね。たしかにどれも良さそうなアイデアではあったものの、「それはユーザーが求めているものなのか？」といった本質的な議論をしないまま進もうとしてしまい、結局エンジニアもうまく巻き込めず形にならなかった。

根本的な原因として、プロダクトを作っていく職種の人って、「それはできない」と言うこと自体が「負けた」感じがするし、無能感があってきちんと言えなかったというのが大きいです。でも限られた予算と納期の中で「やることとやらないこと」を決め、チームや組織としっかりコミュニケーションをとって、顧客に最高の価値を提供するのが良いPdM（ないしはプロダクトチーム）の責務であると学びました。

わたし個人の話でいえばやりたくなったらやれば良いと思います（笑）。そして一般的な話に戻りますが、レベル感の違いはあれど、プロダクトの成長をリードできる人であれば、起業の成功確度も上がるとは思います。起業した方がいいか、それとも企業に所属した方がいいかについては起業したいのであればすれば良いし、そこはご自身のモチベーションによると思います。

また別の観点だと希少性というのも考えてもいいかもしれません。特に国内だと今は資金調達環境も整ってきており、起業しやすいので、起業家の数も増えています。一方で、プロダクトを大きなフェーズまでリードさせられる人材はあまりいないので、希少性は遥かにある、という見方もできると思います。