数字か、働きがいか──スタートアップが直面する永遠の二項対立に、アーリー期から向き合い続け成長を続ける、any吉田の葛藤と思想

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インタビュイー
吉田 和史

福岡出身。2012年~株式会社アイモバイルでスマホ広告のメディア営業を担当。国内有数のヒットアプリのマネタイズに携わる。2014年~グッディア株式会社にて、アプリディレクター/マーケター、webメディア事業部長を兼任。2016年にany株式会社を設立。

多くのスタートアップが「The Model」をはじめとする成長の「型」を取り入れ、最短距離での上場やユニコーン化を目指してきた。しかし、その過程で組織が疲弊し、人が離れ、成長が止まる──そんな「組織崩壊」の事例は枚挙にいとまがない。

だが、この二項対立を鮮やかに打ち破り、「数字(事業成長)」と「働きがい(組織文化)」の両方を総取りしている企業がある。AIナレッジプラットフォーム『Qast』を提供するany株式会社(以下、any)だ。

直近の成長実績は圧倒的だ。2025年の間に、四半期のMRR純増ペースは5倍もの成長を見せ、受注単価の伸び率も2倍。そして同時に、組織規模(正社員数)も約2倍となっている。

同時に、2025年3月には「Startup Culture Award」で最優秀賞を受賞するなど、事業・組織のつながりで業界の注目を集めている。

その裏には、一般的な「営業管理」や「KPIマネジメント」とは一線を画す、独自の「ニュースタンダード」への挑戦があった。

「エンタープライズ向け」や「カルチャー投資」への逆張り、エンジニア以外の全職種が顧客の最前線に入り込む「FDX」や、垂直的成長と水平的成長を同時に実現する組織設計。本記事では、代表取締役の吉田和史氏に、その独自の経営哲学と具体的な戦略を問う。

「○○人の壁」に直面する経営者や、既存の成長モデルに閉塞感を抱くすべてのビジネスパーソンに贈る、次世代の「勝ち方」の記録である。

  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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どん底からのV字回復。鍵は「営業戦略」ではなく「カルチャーの再定義」だった

あの夜、深夜1時の決断がすべてを変えた──。

今でこそ「MRR純増ペース(*)が5倍」という華々しい数字に加え、「カルチャー経営のモデル企業」としても注目を集め始めたanyだが、その道のりは決して平坦ではなかった。

*……SaaS企業が重視する「NET NEW MRR」という指標。特定の期間(例えば四半期)において、純粋に増加した月額経常収益(MRR)のこと。新規顧客の獲得や既存顧客の受注価格向上(アップセル)などによる増加分から、解約等の減少分を差し引いた純増額を指す

吉田正直、二度と経験したくない瞬間でしたね……。

時計の針を少し戻そう。2023年9月3日、深夜25時。経営合宿では、重苦しい空気が漂っていた。

MRR(月次経常収益)の成長目標への大幅未達──。

スタートアップにとって成長率の鈍化は、死を意味すると言っても過言ではない。多くの場合、ここでなされる経営判断は「営業KPIの管理強化」や「マーケティング予算の投下」、あるいは「低迷するメンバーへの厳しい指導」だろう。

事実、現場責任者は詰められる覚悟で、まさに頭を下げようとしていた。

しかし、吉田氏が下した決断は、そのどれでもなかった。

AM 01:00 経営合宿での意思決定
表面的な「管理」の強化(不採用)

営業KPIの詰めや広告投下。一時的な回復の後に、組織が疲弊し崩壊に向かうこと。

吉田氏
本質的な「文化」の再定義

「営業の問題」ではなく「カルチャーの問題」と捉え直し、組織の強度を鍛え直す決断。

取材内容等を基にFastGrowにて作成

吉田違う。これは営業の問題じゃない。この会社のカルチャーの問題だ、と直感しました。

それまでのanyは「優しさ」や「仲の良さ」が先行してしまっていた。でも、事業を伸ばすためにはそもそも「強度」が必要です。そしてその一方で、単に数字ばかりを追えばいいわけでもない。

いわば「しなやかな強さ」が重要だと思うんです。

彼らが選んだ起死回生の一手は、それまでの「優しさ」を捨て、「戦い続けるための、厳しさ一辺倒ではなく“しなやかな強さ”を持ったカルチャー」へと生まれ変わることだった。

本当にそれでいいのか?営業のKPIは再設計しなかったのか?そんな疑問が聞こえてくるようだが……敢えてそれをしないのがanyなのだ。

一見、数字とは無関係で、かつ、「過去のanyとの決別」のようにさえ思えるこの意思決定こそ、組織の目線を劇的に変え、結果として現在の爆発的な再成長を生み出すトリガーとなった。

具体的には、カルチャーのアップデートに向け戦略的に設計する定例全社MTG「anyDAY」と、戦略実行における最重要目標の設計と行動設計を仕組化する4DX活用が、その中心となった(これらの具体内容は、追って公開する執行役員清水氏のインタビューで紹介予定)。

提供:any株式会社(2025年11月イベント登壇時のスライド)

その背景には、吉田氏が抱き続けてきたスタートアップエコシステム全体への「問い」があった。

吉田最近、伸びている企業とそうでない企業の二極化が、改めて鮮明になってきていますよね。

SaaS業界ではここ数年の間に、成長のための「正攻法」が広く共有され、多くの企業がそれを模倣しています。その実直さや強度ももちろん重要です。

しかし、型通りにKPIを追いかけた結果、組織がついてこずに崩壊し、またゼロから作り直す……そんなケースも後を絶ちません。

吉田氏はこの現状に危機感を抱き、創業当初から「数字だけを追わず、組織も一緒に育てる」という、極めて難度の高い「逆張り」のような成長を志向してきた。

吉田カルチャーがあるのは、「事業を伸ばし続けるため」です。それ以外にあり得ません。

もし、一時的な数字を作るだけなら、組織を犠牲にする方法もあるでしょう。でも、それでは、スタートアップとして目指すべき成長は続かないと考えています。

数字(事業)と組織(カルチャー)は対立しない──そんな確信を、以前から持っていました。だからこそ、あの夜の決断ができたのだと思います。

では、その「組織も育てる成長」は、具体的にビジネスとしてどう成立しているのか?

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理想論で終わらせない。
数字が証明する「逆張り戦略」の勝算

MRRや受注単価といった、重要指標における明確な急成長。その数字は「運」ではない。「組織も育てる成長」と言葉にするのは容易いが、スタートアップとしてビジネスをしている以上、売上やMRRというかたちでの結果が伴わなければ意味をなさない。

同社の爆発的な成長曲線をかたちづくったのは、決して運やまぐれではない。多くのスタートアップが陥る「SaaSの定石」をあえて無視した、計算され尽くした「逆張り戦略」の勝利だった。

創業期を振り返ってみれば、彼らもまた「MRR10万円」の壁に苦しむ、吹けば飛ぶような存在だった。当時のSaaS業界の鉄則は「まずはSMB(中小企業)やITベンチャーから攻略し、実績を作ってからエンタープライズ(大企業)へ」という階段を登ることだ。しかし吉田氏は、突然、勝負に出る。

吉田最初は定石通りSMBを攻めていましたが、競合も多く、なかなか勝てませんでした。そこで、あえて「ナレッジマネジメントに最も苦しんでいる大企業(エンタープライズ)」へターゲットを絞ってみることにしたんです。

ITリテラシーの高いベンチャーや、従業員数が比較的少ない中小企業よりも、情報の属人化が深刻な伝統的大企業こそが、我々を必要としているはずだと。

その読みは的中した。

大企業ほど「あの人に聞かないとわからない」という属人化の課題が深い。ここに深く刺さったのだ。そして、この課題を解決できれば、そのインパクトは巨大になるため、顧客単価の向上も見込める。

『Qast』は、単なる社内Wikiや検索ツールではない。「あの人に聞かないとわからない」という属人化したベテラン社員の知恵(暗黙知)を引き出し、組織全体の共有知に変えるための仕掛けだ。特定の個人に依存していたノウハウを、AIが代理で即答できる状態(組織の資産)にすること。そのために、ツールの提供だけでなく、知識を引き出すための文化醸成やインタビューまで行う──いわば、コンサルティング領域にまで踏み込んだソリューションである。

プロダクトのイメージ(提供:any株式会社)

さらに、時代が追いついた。生成AI、特にRAG技術の登場は大きなターニングポイントになった。

吉田かつてナレッジマネジメントの敗因であった「情報の整理・分類」という手間が、AIによって消滅しました。「情報を放り込めば、AIが答えを出す」。これにより、顧客が価値を感じるまでの時間(Time to Value)が劇的に短縮されたんです。

「逆張りのターゲット選定」×「AIという追い風」。この2つが噛み合った瞬間、anyの理想論は、圧倒的な「勝ち筋」へと変わったのである。

なお、この「バランス」こそ、anyのこだわりでもある。多くのスタートアップが、先行投資型で受注や売上を先に成長させ、その後で人員の補強していくという運営を進めている。これが「人数以上・実力以上の成果を生み出していくべき」という価値観を創ってきた。だが、anyはそれを否定するかの如く「組織が2倍になれば、事業も2倍に」というペースを保とうとしている。

身の丈に合わない成長は、長続きしない。言葉にすれば当たり前のようだが、こと企業運営においては、誘惑も多く、なかなか簡単にそうはいかない。スタートアップ界隈ではなおさらだ。

この観点でカルチャー運営・組織開発などを牽引する執行役員清水氏の単独インタビューをこの記事に続いて公開する予定だ。こちらも乞うご期待。

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ニュースタンダードへの進化。
機能ではなく「意思決定」を支援する

さて少し話が逸れたが、もちろんスタートアップである以上、拡大は至上命題。まさにここからが本番だ。30人の壁はなんなく越えたというが、次の50人・100人の壁、そしてその先へ行くためには、これまでの延長線上ではない「仕組み」が必要になる。

そこでanyが掲げるのが、独自の事業運営OS『FDX(Forward Deployed X)』だ。

昨今、スタートアップ業界では「FDE(Forward Deployed Engineer:顧客の最前線に配置されるエンジニア)」という職種が注目を集めている。しかし、anyのアプローチは少し異なる。エンジニア(E)に限らず、PdMやデザイナー、セールスまで含めた全職種(X)が、顧客の懐に入り込むスタイルをとる。

吉田実はこれ、流行りに乗って導入したわけではないんです。創業期から我々が泥臭くやってきたことに、ようやく名前がついただけなんですよね。

例えば、あるPdM(プロダクトマネージャー)は、顧客企業のベテラン社員に何度もインタビューを重ね、彼らの頭の中にある「暗黙知」を言語化する支援を行っていた。そのプロセス自体が顧客への価値提供となり、やがてそれは『AIナレッジインタビュー』という機能へと昇華された。一般的なSaaS企業が「機能の提供」に留まるのに対し、anyは「顧客内部の意思決定と合意形成」まで踏み込む。それがFDXの本質だ。

吉田我々が対峙しているのは、大企業の組織課題です。機能があるかないか以前に、「誰が決めるのか」「運用ルールをどうするか」でプロジェクトが止まってしまうことが多い。だからこそ、職種を問わず全員が顧客の最前線(Forward Deployed)に立ち、機能提供だけでなく、意思決定そのものを支援する。これがanyの標準的なOSなんです。

こうして事業のOSをアップデートするならば、それを動かす「人」のOSもアップデートしなければならない。anyが現在進めている人事制度の改定は、スタートアップとしては異例とも言える思想に基づいている。キーワードは「成人発達理論」。スキルの獲得(水平的成長)だけでなく、ものの見方や器の拡大(垂直的成長)を、制度として支援しようという試みだ。

水平的成長
「アプリ」を増やす
知識やスキルの習得。今のOS(自分)を維持したまま、できることを増やすこと。
↑↓
垂直的成長
「OS」を刷新する
視座や器の拡大。自分というOSそのものをアップデートし、見える景色を変えること。

スキルの追加だけでなく、視座を高めることで、
事業フェーズが変わっても活躍し続けることができる。

取材内容等を基にFastGrowにて作成

吉田「anyで働くこと自体が、人生の成長体験になる」。そんな組織でありたいと考えています。

一般的に、急成長するスタートアップでは「フェーズが変われば人は入れ替わるもの」と割り切られることも多い。しかし吉田氏は、その常識に抗おうとしている。

吉田もちろん、スキル(水平的成長)は重要です。でも、それだけでは組織の複雑化には対応できません。

「自分」視点から「チーム」視点へ、そして「会社全体」や「社会」視点へ──。そうやって「見える景色が変わる(垂直的成長)」ことを支援できれば、事業フェーズが変わっても人は活躍し続けられます。

会社を踏み台にして卒業するのではなく、人がアップデートし続けることで、何度でもanyを選び直せる関係性を作りたいんです。

FDXによる事業価値の深化と、人事制度による組織の進化。この2つの車輪が噛み合った先に、吉田氏はどのような未来を見ているのか。マイルストーンとして置いているのは、2030年。「TeamWillで、働きがいをアップデートする」を掲げ、国内SaaS事業でARR100億円を目指す。だが、吉田氏の視線はすでにその先、2035年の景色を捉えている。

吉田2035年のビジョンは「TeamWillで、一歩先の世の中へ」です。

そのときには、BtoB SaaSの枠を超えていたい。例えば、教育機関の設立やサッカークラブの経営、あるいはBtoC事業を通じて、人々の生活圏そのものに「TeamWill」の精神を広げていく。そんな、ある種の「街づくり」のような展開を本気で考えています。

SaaS企業が、なぜ教育やスポーツなのか。その問いの答えは、吉田氏が創業時から抱き続けてきた、ある「哲学」にある。

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原点にある「川崎フロンターレ」の哲学。
ただ勝つだけでは意味がない

なぜ、手間のかかるFDXを実装し、人の内面に踏み込む人事制度をつくり、さらには街づくりまで見据えるのか。その問いに対する答えは、吉田氏が創業前から抱き続けてきたある「美学」にある。

吉田氏はかつて、Jリーガーを目指してサッカーに打ち込んでいた。その経験から導き出された理想の組織像は、非常にユニークだ。

吉田エゴや名声には興味がなくて、目指しているのは「川崎フロンターレ」のような組織なんです。

サッカーを知らない人には少し唐突に響くかもしれない。だが、ここにはビジネスの本質を突く強烈なメッセージが込められている。

プロサッカーの世界では、勝利こそが正義とされることが多い。たとえボール支配率が相手の半分以下でも、守備を固めてワンチャンスをものにし、「1-0」で勝てばそれでいい──そう考えるチームも少なくない。しかし、吉田氏の考えは違う。

吉田サッカーを始めたときの原点は「ボールを蹴るのが楽しい」「点を取るのが楽しい」という純粋な喜びだったはずです。「守備をするのが楽しい」と思って始める人はほとんどいません。

それなのに、勝つためにその楽しさを犠牲にするのは、どこか寂しいじゃないですか。

フロンターレは、高い技術を持った選手たちが、ボールを保持し、攻め続ける楽しさを追求しながら勝つ。そのスタイルこそが、私がビジネスで実現したいことなんです。

これをビジネスに翻訳するならば、「勝ち方・成長実感・幸福度に向き合い続けて勝つ」ということになる。数字(勝利)か、働きがい(楽しさ)か。多くの企業がその二者択一に苦しむ中で、anyはその両立を譲らない。なぜなら、そうでなければ「わざわざanyでやる意味がない」からだ。

この哲学は、単なる社内の自己満足では終わらない。むしろ、AIによって機能の均質化(コモディティ化)が進むこれからの時代において、最強の競争優位性になりつつある。

SaaSプロダクトの機能差が縮まれば、顧客が選ぶ理由は「価格」か「人」になる。そのとき、anyの「勝ち方にこだわる姿勢」は、顧客の心を掴む強力な磁力となるのだ。

吉田実際、エンタープライズのお客様から「anyのカルチャーを自社にもインストールしたい」と言っていただくことが増えました。

オフィスを訪問した顧客が、ホワイトボードに手書きされた歓迎メッセージや、社員同士が生き生きと議論する姿を見て、単なるツール導入以上の価値を感じ取る。機能だけでなく、anyという組織そのもののファンになってもらうこと。それが、結果として解約率を下げ、LTV(顧客生涯価値)を高めることにつながっている。

吉田「この会社と取引したい」「この人たちと一緒に仕事をしたい」。そう思ってもらえることこそが、AI時代における究極の差別化要因になると信じています。

事業を伸ばすためにカルチャーがある。そして、そのカルチャーがまた事業を伸ばす。創業時の苦難も、深夜の経営合宿での決断も、すべてはこの哲学を貫くための必然だったのだ。

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「2:6:2の法則」へのアンチテーゼ。
全員が熱狂する「10:0」の組織へ

「勝ち方」と「働きがい」の両立。この理想を実現するために、anyは組織論の常識に対しても挑戦状を叩きつける。一般的に、組織が数百人、数千人規模になれば「2:6:2の法則」が働くと言われる。上位2割が成果を出し、6割が平均的で、下位2割は貢献度が低い──。多くの経営者がこれを不可避な現象として受け入れているが、吉田氏は首を縦に振らない。

吉田目指しているのは「10:0」です。

全員が成果を出し、成長実感を持って生き生きとしている状態。もちろん理想論だと言われるかもしれません。でも、少なくとも8割が熱狂していて、残りの2割もそこに必死に食らいつこうとしている──それくらいの密度は十分実現できると信じています。

事業の難度 エンプラ向け×FDX

大企業の属人化した知を「組織の資産」へ変えるため、機能提供に留まらず、顧客内部の合意形成や運用ルール構築まで深く踏み込む

深い介在には、個人の「垂直成長」が不可欠
組織の視座 熱狂する「10:0」のプロフェッショナル集団

全員が成果と働きがいに本気で向き合うチームへ、「ものの見方」や「器の拡大」までカルチャー・制度で支援

「anyで働くこと自体が、人生の成長体験になる」

取材内容等を基にFastGrowにて作成

そのためには、誰を仲間にするかが極めて重要になる。anyが掲げるハードルは決して低くない。単にスキルが高いだけ、あるいはカルチャーに共感して「馴染もうとする」だけの人は求めていないのだ。

吉田変化に「馴染む」のではなく、自ら変化を「つくる」人であってほしいですね。そして何より重要なのは、働く目的の主語が「自分」ではないことです。

「自分の市場価値を上げたい」という個人のエゴではなく、「チームのために」「顧客のために」という他者への貢献欲求が原動力になっている人。そういう利他性を持った人たちが集まるからこそ、10:0の熱量が生まれるのだと思います。

パーパスに掲げる「個の幸福と組織の実利を両立する」も、この姿勢に妥協しないという思想の表れと言えるだろう。

取材の最後に、吉田氏は未来の仲間に向けて、静かに熱いメッセージを投げかけた。それは、安易な「働きやすさ」をアピールする言葉とは対極にある、プロフェッショナルへの招待状だった。

吉田仕事に魂を燃やして、年に数回は涙するくらいの熱量で働きたいかどうか──と、自分に問うてみてほしいです。

それは悔し涙かもしれないし、仲間と何かを成し遂げたときの嬉し涙かもしれない。大人になると、仕事で泣くなんてことは減っていきます。でも、本気で向き合えば、心は震えるはずなんです。そんなヒリヒリするような充実感を、人生のど真ん中に置きたい人と、僕は一緒に働きたい。

どん底の夜に「カルチャー」を選び取ったあの日から、anyの快進撃は始まった。FDXによる顧客への深い介在、成人発達理論による人の器の拡大、そして2035年に見据える街づくり──。これらすべては、「数字か働きがいか」という問いに対する、anyなりの回答だ。

anyは今、SaaSという枠組みを超え、日本企業が失いかけていた「働く喜び」と「勝つ強さ」を取り戻す存在を目指す。先述のように、カルチャー・組織を鑑賞する執行役員の清水氏が、続く記事で、さらに具体的なanyのユニークネスを紹介する。是非合わせてお読みいただき、「この時代におけるスタートアップの最適解とは?」という問いに、一緒に向き合ってみてほしい。

こちらの記事は2026年03月13日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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藤田 慎一郎

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