AIとコーチと認知行動科学で、社員の行動変容を仕組み化する──「人への投資」を経営言語に翻訳するBoost Health
FastGrowが実施した特別アンケートでは、シード〜シリーズAの140社のうち51.8%がCOOを、66.0%が「将来の幹部候補」を募集していた。
だが、同じ肩書を掲げていても、実際に委ねられる経営課題や意思決定の範囲は会社ごとにまったく異なる。本連載「事業開発のその先へ──アーリー期スタートアップ140選」では、アンケートに回答した企業を一社ずつ取り上げ、その会社がいま抱える経営課題と、そこに参画する人材がどこまでの意思決定を担うのかを具体的に見ていく。今回紹介するのは、Boost Health株式会社だ。
この会社の魅力を一言でいうと?
認知行動療法をベースにAIと専任コーチを組み合わせ、社員一人ひとりの行動変容とパフォーマンス向上を仕組み化し、成果を可視化・数値化する事業。
募集中の経営ポジション
プレAで1.5億円を調達したBoost Healthで、代表・芳賀彩花氏とともに事業を牽引する将来のCOOやVPoE、VP of Sales、事業責任者候補。マッキンゼー出身の代表が日本の大企業経営陣と向き合う中で痛感した「社員のパフォーマンスへの投資効果が見えないまま後回しにされる」という構造的課題を、人事の現場論ではなく経営アジェンダとして解いていく。電通、日立製作所、DeNAといった数万人規模の大企業ですでにPoCから制度導入・拡大フェーズに入っており、日本企業全体の生産性に直結する事業の最前線に関与できるポジションだ。
事業概要
認知行動療法などの心理科学とAI技術を組み合わせた、企業向けタレントサクセスサービス「BOOST」を開発・提供する。AIが日常的に社員の行動変容を支援し、専任コーチが定期的に介入することで、社員の自律的な成長と成果創出を後押しする。介入・支援の質、個別最適、再現性という3要素を同時に満たす仕組みを「タレントサクセス」と定義し、社会実装を進めている。電通では異動後の社員を対象にコンディションスコアが47%改善し、3ヶ月間の実証では生産性指標が平均8pt向上する結果も確認された。2026年には日立製作所で大規模組織向けの自律型人材育成モデルとしてテスト導入が始まっている。
FastGrow的「ここがすごい!」
「モバイルアプリだけでは誰にも使われなかった。失敗から導き出したAI×人のハイブリッドモデル」
Boost Healthは創業当初、SaaSだけの方がスケールすると考え、モバイルアプリのみを開発したが、ほとんど使われなかったという。理由は明確で、「人がいないと続かない」ということだった。誰でも自分で筋トレできるのに、多くの人がトレーナーにお金を払うのは、人が隣にいてくれるからこそ頑張れるからだ、という気づきから、AIと専任コーチを組み合わせたハイブリッド型モデルにたどり着いた。この失敗から学ぶ姿勢と、心理科学に基づく設計力が、電通や日立製作所といった大企業での実証成果にもつながっている。
いま若手経営人材が飛び込むべき理由
「人への投資効果は、これまで誰も定量化できなかった」
生成AIの普及によりルーティン業務の自動化が進む一方、企業の競争力は「自律的に動ける人材」の比率に左右される傾向を強めている。しかし従来の人材育成は管理職の経験や属人的な1on1に依存し、組織全体で再現性を持って人材活躍を促進する仕組みはほとんど存在しなかった。Boost Healthは、行動ログ・ストレス指標・生産性指標を統合し、人への投資が企業価値に与える影響を経営が投資判断できる言葉に翻訳しようとしている。まだプロダクトもオペレーションも完成していないフェーズだからこそ、自分の意思決定がそのまま会社の標準になる、ゼロから市場をつくる手応えがある。
もっと知りたい!と思ったら見ておきたいコンテンツ
【FastGrow掲載情報】
【その他関連リンク】
こちらの記事は2026年10月26日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。