「予算がない」は嘘──創業1年半でエンタープライズ導入30社超。Entaar代表 齋藤氏にきく巨大IT市場の攻略法

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インタビュイー
齋藤 大和
  • 株式会社Entaar 代表取締役 CEO 

公共機関でのキャリアを経て、大手IT総合商社でITコンサルティング営業に従事。メドレーで医薬業界向けのSaaS事業立ち上げに携わる。アスエネにて大企業向けの非財務情報開示におけるESG評価事業の立ち上げ、営業統括を経て、Entaarを共同創業。

「こんな起業家との出会いを待っていた」──。

ジェネシア・ベンチャーズ・General Partnerの田島 聡一氏は、Entaar代表の齋藤 大和氏と初めて会った際、即決で投資を決めた。田島氏が評価したのは、齋藤氏の市場選定の思想だけではない。メドレー、アスエネで培ったエンタープライズ営業の実績、そして消防官時代に「力がないと何も変えられない」と痛感した覚悟。実績と覚悟を兼ね備えた実践派の起業家だと見抜いたのだ。

齋藤氏が発見したのは、推定7,500億円規模の空白市場だ。前職のアスエネで商談のたびに耳にする「価値はあるけど予算がない」という言葉に違和感を覚え、IT予算の使途を調べると、年間数十兆円がSIer・コンサル・IT代理店への外注費として消えていた。「予算がない」は真実ではなかった。

「この空白市場を足がかりに、数十兆円規模のエンタープライズIT市場全体へと事業を拡大できる」──齋藤氏はそう確信し、2024年5月に株式会社Entaarを創業。創業1年半でキリンホールディングス、中国電力、オリックス生命など大手企業30社以上が導入を決めた。

先の連載記事「「IPOラッシュのITコンサル領域に、数千億円のホワイトスペース──事業家集団Entaarが挑む、エンタープライズITの構造改革」では、同社が挑む課題や市場、そこでどのような戦略で事業を展開しているのかを解剖した。本記事では、元消防官という異色の経歴を持つ齋藤氏の起業ストーリーに迫る。「小さな市場で勝負しても意味がない。影響の範囲を広めたい」──その視座はどこから生まれたのか。齋藤氏の原体験と覚悟を紐解いていきたい。

  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY TAKUYA OHAMA
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「予算がない」は嘘だった。年間数十兆円の外注費市場

齋藤大企業の方々と商談すると、必ず「価値はあるけど予算がない」と言われます。でも僕は違和感がありました。本当にそうなのかと──。

齋藤氏が約7,500億円の未開拓市場を発見したのは、前職のアスエネ在籍時だった。アスエネは企業のCO2排出量削減を支援するスタートアップで、齋藤氏は大企業向けの非財務情報開示におけるESG評価事業で営業統括を担当していた。

大企業のIT予算は年間で数百億円規模だ。予算がないわけがない。齋藤氏は、その予算がどこに消えているのかを徹底的に調査した。

齋藤調べてみると、年間数十兆円がSIer・コンサルティングファーム・IT代理店への外注費として消えていました。IT部門の予算の大半は、既に大手プレイヤーとの既存契約で埋まっている。新規のシステム導入や改善に回す「自由に使える予算」は、ほとんど残っていませんでした。「予算がない」は、正確には「自由に使える予算がない」という意味だったのです。

齋藤氏が調査を深めると、IT部門が抱える根本的な課題も見えてきた(Entaarの事業モデルや市場構造の詳細については、本連載の1記事目「IPOラッシュのITコンサル領域に、数千億円のホワイトスペース──事業家集団Entaarが挑む、エンタープライズITの構造改革」で詳述しているので、そちらをチェックしてほしい)。

取材等を基にFastGrowで作成

先の解剖記事で詳述した、Entaarが挑むエンタープライズITの市場課題

  1. IT人材の不足
    2030年には79万人のIT人材不足が予測される中、大企業のIT部門は慢性的な人手不足に陥っている
  2. システム情報のブラックボックス化
    外注依存が続いた結果、社内にシステムの仕様や構造を理解している人材がいなくなり、さらに外注に頼らざるを得ないという悪循環が生まれている
  3. 適切な委託先が存在しない
    IT担当者の日常業務を代替支援する適切な外注パートナーが存在せず、高額な費用をコンサルティングファームに支払う状態が続いている

齋藤IT部門がいま本当に必要としていると考えられるのは、従来のITコンサルタントではなく、日常的なIT企画業務をサポートしてくれるパートナーです。しかし、既存プレイヤーはこの領域を満たせていません。戦略立案を担うべきコンサルタントが実務を代行する形になり、本来は月に数十万円程で対応できる業務に対して、数百万円という高額なフィーを支払うといった状態が続いているのです。

なぜこのような非効率が生まれるのか。上述の解剖記事で記した通り、大手ITコンサルティングファームにとって、月数十万円程度の案件は利益率が合わない。一方、BPO事業者にとっては、要件定義やRFP作成といったIT企画業務は専門性が高すぎて参入障壁となる。

こうして生まれた空白の市場に齋藤氏は気づいた。

2030年に不足すると予測されるIT人材は79万人(経済産業省調べ)。この人材不足が生み出す市場規模は膨大だ。齋藤氏は、大企業のIT部門が抱える日常業務の支援ニーズだけでも約7,500億円規模の市場が存在すると試算している。

しかし、なぜ齋藤氏はこの市場を主戦場として選んだのか。そこには明確な思想があった。

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「影響力を最大化したい」。10年向き合える巨大市場を選ぶ思想

齋藤「世の中に対し、僕が与えられる影響の範囲を広げたい」という想いが軸にあります。サイバーエージェントの藤田さん、ソフトバンクの孫さんのように、規模の大きな会社を作って個人としても大きく成長する。そうすれば、自分が助けたい人を助けることができますよね。

齋藤氏の起業の根底には、「影響力を最大化したい」という明確な思想がある。この思想は、メドレー時代の経験が色濃く反映されている。

2023年頃、齋藤氏が起業を決意した当時のスタートアップ界隈では、多くの起業家が「今ない市場を作っていく」と語っていた。新規市場の開拓を目指す起業家が多い中、齋藤氏は異なる選択をした。既に存在する巨大市場に“新しい価値を加える”戦略だ。

齋藤多くの起業家が1兆円企業を目指すと言います。もちろん、僕も本気で思っています。しかし実際には、選んでいる市場やアプローチでは到達が難しいケースも多いのではないかと感じています。そんな中、僕は既存の巨大市場に挑むことで、大きな影響を与えられるのではと考えました。

メドレー在籍時、齋藤氏は医療という巨大市場に向き合う姿勢を学んだ。医療もエンタープライズITも、10年、20年、30年と向き合える市場だ。齋藤氏は代表の瀧口氏から学んだ「長期視点で市場と向き合う姿勢」を、エンタープライズIT市場に当てはめた。

齋藤エンタープライズIT業界は変革に30年かかると言われる市場です。しかしその分、変革に成功した際にはとてつもない影響力を持つことができます。これはあくまで僕の見解ですが、現時点において「スタートアップがこのエンタープライズIT領域の構造を変えた」と言える結果は出ていないと思っています。なので、Entaarとしてこの市場に10年、20年と向き合い、初めて市場構造を変えた存在だと言われるようになりたいんです。

短期的な売上ではなく、10年後、20年後を見据えて事業を作る姿勢。齋藤氏は瀧口氏の起業家としての在り方に強く影響を受けた。

齋藤瀧口さんに初めて会った時、これが本物の起業家なのだと感じました。圧倒的な存在感とカリスマ性。こういう人間が世の中を変えるのか、と──。変わっていたり、尖っていたり、異様な雰囲気を出していたり。個人が持つ「偏り」を形にしていく。それが起業家なのだと、当時25歳の自分は強く感じました。

この思想にジェネシア・ベンチャーズの田島氏が反応した。

齋藤田島さんは初回の面談で僕のことを「あの巨大市場に一石を投じた◯◯の起業家に似ている」と言ってくださいました。そのスタートアップも、メドレーのように既に存在する巨大市場に新しい価値を加えて成長してきた企業です。

そして僕に対し、「まさにこういう起業家を待っていたんだ」と、即決で投資を決めてくれました。しかも、ジェネシア・ベンチャーズとしては異例の、単独で1.5億円です。シード期かつ単独投資でこの規模は異例でした(投資にあたってのジェネシア・ベンチャーズのコメントはこちらより)。

事業の詳細はもちろんですが、何より僕のパーソナリティと、エンタープライズITという領域の大きさ、挑戦の方向性が間違っていないという理由で投資を決めてくれたことが印象深かったです。

消防官、大手IT総合商社、メドレー、アスエネという経歴の中で、齋藤氏はエンタープライズ営業の実績を積み、IT部門の課題を深く理解していた。市場と起業家の相性が完璧に合致していたのだ。

巨大市場への挑戦。長期視点での事業構築。そして即決で投資を決めたVC。条件は揃った。そこで次に齋藤氏が直面したのは、創業1年半でキリンホールディングス、中国電力、オリックス生命など大手企業30社以上との契約という「実績ゼロからの初期顧客獲得」という難題だった。

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創業1年半で大手30社以上を獲得。CVCを含む150社へ「部門を繋いでほしい」と依頼

エンタープライズIT市場には、新規参入者特有のジレンマがある。実績がないと契約できない。しかし契約がないと実績が作れない。

齋藤やはりスタートアップで新規事業、そしてエンタープライズという組み合わせは本当に売れないです。顧客からの信頼もない、実績もない中で、実績がないものを売るというのは本当に難しい。

そこで齋藤氏が取った戦略は、「創意工夫」だった。創業初期はお金がなく、手段も限られ、リード(見込み客)もない。売上が作れない言い訳はいくらでもできる状況だ。

齋藤投資を検討してくれる可能性のある企業、つまり事業シナジーを理解してくれそうな大手のCVCを含む企業を約150社リストアップしました。そして、この150社すべてに一社ずつ連絡を入れたんです。投資の依頼ではありません。「我々のサービスが御社のIT部門に刺さるか、直接該当部門に提案したいので繋いでほしい」という地道なお願いを全社に対して行いました。

これは一石二鳥の戦略だった。投資検討の文脈で接点を持ちながら、同時に事業部門への導線も確保する。結果は驚くべきものだった。約40%の企業が実際に担当部門を紹介してくれた。そこから派生して、先述の大手企業群の受注に繋がった。

取材等を基にFastGrowで作成

マーケティング費用ゼロ、華々しい実績があったわけではない。それでも約150社に地道にアプローチし続ける徹底した実行力が、創業初期の成長を支えた。しかし、これは齋藤氏一人の力だけではない。創業メンバーの存在が、Entaarの成長を加速させたのだ。

COOの北山 明親氏は、メガベンチャーやスタートアップで複数の新規事業を立ち上げた経験を持つ。事業をゼロから立ち上げ、スケールさせるオペレーション構築の専門家だ。そしてCFAOの加納 敬一氏は、投資銀行とVCで多数の案件に携わった。企業の成長ステージを見極め、ファイナンス戦略を描く力を持つ。

北山氏のオペレーション力、加納氏のファイナンス力、そして齋藤氏の営業・事業開発力。この3つの専門性の掛け合わせが、急速な事業成長を現実のものとしたのだ。

齋藤創業から1年半、Jカーブで売上は作れています。まだまだこれからではありますが、エンタープライズ企業との契約も1年半で30社を超え、売上も順調に伸びてきています。

取材等を基にFastGrowで作成

スタートアップとして急速な成長を主導した齋藤氏。この実行力の原点はどこにあるのか。それは意外にも、IT業界とは遠く離れた場所にあった。

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消防官時代の挫折。
「ほとんどの命は救えない」という現実

齋藤氏のキャリアは、なんと消防官から始まった。5歳からサッカーを続け、高校では全国高校サッカー選手権大会に出場。その実績で大学に進学したが、想像していた大学生活とは違い、遊んでいる日々に意味を見出せなかった。そんな中、近所で大型の火事が発生。活動する消防官の姿を見て、「人の役に立ちたい」という想いが芽生えた。

齋藤家を失った、家族を失った方々が一歩踏み出すときに、消防という存在はとても大きな拠り所になるのかもしれないと、当時は思いました。そこから大学を中退し、消防官の道へと進みます。

20歳で大学を中退し、消防官へ。誰にも相談せず、一人で決めた。しかし、現場で齋藤氏は残酷な現実に直面する。

齋藤入局当初はものすごい熱量で消防の仕事に臨みました。「人の命を救うんだ」「人の人生を変えるんだ」と迷うことなく思っていました。しかし、実際に現場を見る中で感じたのは、“ほとんどの命が救えない”ということです。少なくとも僕の経験では、消防が駆けつける現場の9割5分が事後の現場。その多くは亡くなっていることが多い──。自分が想像していた以上に救えない命があるんだなと、当時21歳でしたが痛感しました。

消防の仕事は、1秒でも早く現場に駆けつけ、一人でも多くの命を救うこと。しかし、現実にはそれが叶わない。この体験をきっかけに、齋藤氏の関心は「予防」へと切り替わる。病気であれば防ぎたい。事故であれば起きないような状態を作りたい。それは消防の延長線上にはなかった。

そして齋藤氏は、より根本的な問題へと行き着く。

齋藤僕の人生観を形作る上で最も大きかったことは、消防の中で臨死体験に近い経験をしたことです。

僕自身も現場で命を落としそうになったことがありますし、日々、災害や急病、事故の現場など人の生き死にに関わる中で価値観が塗り変えられました。人は簡単に死んでしまうし、脆い生き物。実体験上、ほとんどの命は救えないと痛感しました。そこで気づいたのです。

「既存の社会の仕組みや構造を大きく変えていかないと、救えるものも救えない。しかし消防官という立場では、それを変えることはできない」と。

既存のあり方を大きく変えていかないと、救えるものも救えない。しかし公務員という立場では、それを発言することすらNGになる。

齋藤僕1人の力では1人の人生の責任すら負えない。

金銭的にも社会的にも、自身が与えられる影響力が足りなすぎると感じました。そんな自分自身の弱さに腹が立ち、社会を変えるためには僕自身が、財力、権力、名誉など、手に入れられる力を全て手に入れて変えていかないといけない。そのためには、起業家という選択肢でこれらの力を手に入れ、自分が救いたい人を救えるようになりたいと思うようになっていきました。

この21、22歳の時の意思決定が、今の齋藤氏の原点となっている。

その後、齋藤氏は7年間のキャリアを積み重ね、Entaar創業に至る。消防官として「力がないと何も変えられない」と痛感し、大手IT総合商社 で「商売の基礎」を学び、メドレーで「長期視点」を知り、アスエネで「巨大市場の存在」に気づく。7年間のキャリアすべてが、Entaar創業への布石となった。

年齢 所属 / 役割 得た学び
21〜
23歳
埼玉東部消防組合 消防局にて消防官として従事(消火・救急・救助) 「力がないと何も変えられない」という原体験
23〜
25歳
大手IT総合商社にてITコンサルティング営業として従事 「商売の基本原理」「予算の流れ」への洞察、1年目で2億円の売上
25〜
26歳
メドレーにて医療機関向けSaaS『Pharms』立ち上げに従事 「本物の起業家の在り方」と長期視点での事業構築
26〜
28歳
アスエネにてESG評価事業の立ち上げ 兼 営業統括として従事 「巨大市場の存在」の発見、「予算がない」の真実
28歳〜 Entaarを創業、代表取締役CEOとして経営 エンタープライズIT市場の構造変革に挑戦
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「死ぬこと以外はハードシングスじゃない」。命の現場が研ぎ澄ました覚悟

こうしたキャリアを経て、齋藤氏の覚悟はさらに研ぎ澄まされていく。

齋藤死ぬこと以外は、ほとんどハードシングスではないと思っています。

プライドとか、誰かが辞めたとか、誰かに裏切られたとか、そういうことで悩む時間がもったいないと感じてしまいます。本当に変えていきたいと思う大きな課題がある時に、そんなレベルで悩んでいるようでは世の中は絶対に変えられない。

自分1人の心すら扱えない者が、他人の人生など絶対に負えませんからね。

齋藤氏は、PMFまでの道のり、組織の課題、エンタープライズ営業の困難さ──どれも「思い悩む程のことではない」と言い切る。消防官として命の現場を見てきた齋藤氏にとって、それらは乗り越えるべき壁でしかない。

齋藤救いたい人を救えるとか、不条理を変えたいとか、僕自身がたくさんそういう辛い体験もしてきましたし、変えられなかった、救えなかった人も大勢見てきました。共通するのは、個人の影響力や企業の影響力として、力を持たないものは何も変えられないということです。

だからこそ、齋藤氏は「常に強くあれ」と自分に言い聞かせる。

齋藤組織において、人は弱さを見せた時にいなくなると思っています。立場が弱いと物事が進まない。だからこそ、社会を変えるためには、スキルやマインド含め総合的に強いリーダーたちを集め、結束させていく必要があります。

この「強さ」は、画一的なものではない。齋藤氏が考える強さとは、それぞれが持つ独自の経験や尖った部分──いわば「偏り」から生まれるものだ。

実際、Entaarの組織には以下のような個性豊かなメンバーが集結している。

BizDev

全国高校サッカー選手権大会出場者

  • 高校卒業後、7年半消防官として主に救急・救助の現場で活躍。
  • その後、元メドレーの創業メンバーが立ち上げた医療系スタートアップにて医師向けのメディア事業の立ち上げを主導。
  • Entaar代表 齋藤氏のビジョンに共鳴し、2025年10月にジョイン。
  • 現在は採用担当兼BizDevとしてエンタープライズIT領域の事業立ち上げを推進。
コンサルタント

元プロ麻雀士

  • 一橋大学在学中に麻雀士のプロライセンスを取得。
  • 大学卒業後、日系大手コンサルティングファームにて大手鉄道会社の新規事業立ち上げを主導。
  • Entaarの投資家からの紹介で代表 齋藤氏と繋がる。Entaarのチームの雰囲気やビジョンに共鳴し、2025年8月にジョイン。
  • 現在はBizDev兼コンサルティング事業のマネージャーとして大手顧客支援とデリバリー組織の仕組み化を推進。
エンジニア

世界中の山に挑戦するアルピニスト

  • 中学の部活動で登山部に入部。慶應大学の山岳部では世界中の山々を登頂。
  • 新卒でLINEヤフーにエンジニアとして入社。その後、スタートアップを経てアクセンチュアでAIプロジェクトを主導。
  • その後、Entaar COO北山のリファラルで同社の事業テーマとビジョンに共鳴し、2025年6月にジョイン。
  • 現在はForward Deployed EngineerとしてAI SaaS事業の大手顧客支援とエンジニア組織の拡大を主導。
取締役COO

北京大学学士と東京大学修士を持つトリリンガル

  • 新卒で日興証券IBDで従事した後、メドレーで複数事業立ち上げを行う。
  • 代表の齋藤氏とはメドレー時代に薬局向けのSaaS事業立ち上げを行う。
  • メドレーのように社会課題変革を主導できる影響力のある会社を創ろうと共鳴し、Entaarを共同創業。
  • 現在は取締役COOとして全社事業推進を主導。

もちろん、齋藤氏自身も「偏り」の塊だ。消防官という異色の経歴、大学中退というレールを外れた選択、そして21歳で「人は簡単に死ぬ」という現実を目の当たりにした経験。こうした「偏り」が、誰も手をつけなかった市場への挑戦を可能にしている。

そんなEntaarの組織を、齋藤氏は「事業家集団」と呼ぶ。

齋藤現時点のEntaarは、巨大なエンタープライズIT市場の構造変革をしていく組織です。既存のSIer、コンサル、IT代理店が長年築いてきた市場構造に、新しい選択肢を提示していく。多様な経験と強みを持つ個性的な人材で構成された集団が挑むからこそ、この既存市場に新しいアイデンティティやイデオロギーを形成することができると考えています。

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「事業家集団」が挑む市場変革。10年向き合うエンタープライズIT

今はエンタープライズITという強力な地盤を作っているが、その先にはより大きな展望がある。齋藤氏が描くのは、一つの領域に留まらない組織だ。サイバーエージェントやソフトバンクのように、社会の仕組みや構造そのものを変革し続ける。そんな集団を目指している。

「世代を超えた社会の負を解消し、人の豊かさを追求する」──これがEntaarが掲げるビジョンだ。

齋藤私たちは、上、現役、次世代を横断した社会の負を解消できる企業になっていきたいと考えています。あらゆるバックグランドの方が、あらゆる角度から世の中を捉え、あらゆる角度から事業を創造する。Entaarという箱を通じて多くの社会貢献ができる──。そんな企業アイデンティティーを培っていきたいと思います。

そして少なくとも、10年以上は向き合える市場を常に選び、挑戦していきたいです。短期の売上よりも、市場構造そのものの変革を見据えています。そのために、今は泥臭い実務を一つひとつこなしている最中です。

齋藤氏の視座は常に長期だ。今はエンタープライズITという強力な地盤を作っているが、その先には、さらに大きな挑戦が待っている。空白の約7,500億円の市場は、入り口に過ぎない。同氏が見据えるのは、数十兆円規模のエンタープライズIT市場全体の変革、そしてその先にある彼自身もまだ見ぬ市場への挑戦だ。

そしてこの挑戦をより強固に進めていくために、Entaarは現在、BizDevやコンサルタントを中心に積極的に仲間を募集している。

齋藤求めているのは、事業を創れる人です。指示を待つのではなく、自分で課題を見つけて、答えを出して、形にする。経歴よりも、事業そのものを生み出せるかどうかを重視しています。

そして、何か一つでも尖った強みを持っている人。全員が同じ色である必要はなくて、むしろそれぞれが違う武器を持っているからこそ、いろんな角度で市場を攻略できる。自分のキャリアや個性に強い「偏り」があると自負している人こそ、ぜひ会ってみたいですね。

「まずは共に、エンタープライズITという巨大な市場を変えていきましょう」──冷静かつ淡々と言葉を重ねる齋藤氏だが、その内側に揺るぎない覚悟と高い熱量が感じられた。

では、そんな彼の挑戦を支える両翼の経営陣とはどんな人物なのか。また、現場ではどんなメンバーが日々奮闘しているのか。彼らはなぜ、Entaarで事業家としてキャリアを歩むことを決めたのか──。

こうした疑問に答えるべく、3記事目ではCOO北山氏、CFAO加納氏、そしてコンサルティングファームからEntaarにジョインし、エンタープライズ変革の現場を主導する黒田氏をお迎えし、話を聞いた。

Entaarという組織がなぜ事業家集団と言えるのか。そして彼らが築く組織にはどのようなカルチャーがあるのか。3連載のラストは、「組織」「チーム力」をテーマに同社を紐解いていくので、乞うご期待。

こちらの記事は2025年12月25日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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藤田 慎一郎

編集

大浜 拓也

株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。

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