連載資金調達の週報
アジア最大級のハンドメイドC2Cマーケットプレイス「Creema」が11億円を調達──押さえておきたい資金調達ニュース
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。
全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週は日本から4社をピックアップした。
2019年6月10日〜2019年6月17日分
- TEXT BY HAYATE KAWAJIRI
- EDIT BY MONTARO HANZO
クリーマ:オフラインにも強みを持ったアジア最大級のハンドメイドC2C「Creema」を運営する

資金調達概要
調達額 |
---|
11億円 |
調達先 |
---|
日本郵政キャピタル |
SBIインベストメント |
グローバル・ブレイン |
三井不動産 |
KDDI Open Innovation Fund |
SMBCベンチャーキャピタル |
七村守氏 |
サービス概要
ハンドメイド商品を売買できるCtoCマーケットプレイス「Creema」を運営する。日本だけでなく中国でも展開されており、アジア最大級の規模となる15万人のクリエイターを抱え、700万点以上のオリジナル作品が流通している。
同社の強みは、5万人以上を動員したイベント「ハンドメイドインジャパンフェス in 東京ビッグサイト」の開催など、オフラインの集客力を持っている点にある。現在も年間20回以上のイベントを行い、常設のエディトリアルショップを3店舗展開している。
今回の資金調達により、プロダクト開発や新店舗のオープンなど、さらなるサービス拡大に向けた投資を加速する。また経営基盤の強化を図るべく、全職種での採用を開始していく。
iCARE:MRRは前年度対比で2倍に。健康情報を一元管理する「Carely」を展開

資金調達概要
調達額 |
---|
5.2億円 |
調達先 |
---|
グローバル・ブレイン |
インキュベイトファンド |
Beyond Next Ventures |
みずほキャピタル |
SMBCベンチャーキャピタル |
三井住友海上キャピタル |
サービス概要
健康管理業務をクラウドで効率化する「Carely」を提供。同サービスは、従業員の健康情報を一元管理できるほか、健康診断の予約、ストレスチェックの実施、残業時間の管理にも対応している。不調者がいた場合は、そのまま保健師へチャットで相談し、健康改善に取り組める。
サービスは2016年3月より提供開始。直近1年間では、サブスクリプション事業の重要指標であるMRR(月間経常収益)が前年度対比で2倍に成長しており、獲得アカウント数は2.5倍へと増加している。
今回調達した資金を活用し、プロダクト開発やマーケティング、カスタマーサクセス体制の強化、新規事業の研究・開発を進める。さらなる管理業務の効率化に向けて、サービス成長を促進していく。
アル:マンガ好きのための、マンガ発見サービスを提供している

資金調達概要
調達額 |
---|
2億円 |
調達先 |
---|
ANRI |
East Ventures |
ABBA Lab |
株式会社にしのあきひろ |
中川綾太郎 |
片桐孝憲 |
ほか非公開の企業 |
サービス概要
出版社がウェブで無償公開されているマンガを解析し、コマから逆引き的にお目当てのマンガを探せるサービスを開発。コメントによるユーザー同士の交流や、Gmail情報に紐づいたオススメ漫画のレコメンド機能を持っている。気になった作品は、Amazonリンクからそのまま購入できる仕組みとなっている。
同社のサービスは、これまでウェブ版とiOS版アプリでのみ公開されていたが、今回の調達に合わせAndroid版アプリも登場した。今後も「既存のビジネスモデルやマンガの形態を変えず、漫画家の負担を増やさない」方針のもと、サービス拡充を進めていく。
playground:本田圭佑氏がアンバサダーに就任。世界のスポーツ・エンタメ業界をデジタル化する

資金調達概要
調達額 |
---|
非公開 |
調達先 |
---|
KSK Angel Fund LLC |
サービス概要
ライブ体験に向けたコネクテッドスタジアムプラットフォーム「MOALA」を提供。同社では、アプリ不要の電子チケット発券サービス「Quick Ticket by MOALA」、ライブ関連の商品を販売するマーケットプレイス「MOALA Market」、入場チケットや特典券、思い出の写真といったライブ体験を一元管理できるログサービス「MOALA Pocket」を展開する。
2019年4月には、”エンターテック”に特化したコンサルティング・SI事業を立ち上げ、システム提供から人的観点まで一貫した支援も実施。同社のサービスは、開始から2年間で、累計15,000件以上のイベントに採用されている。
今回の資金調達を受け、投資元の代表・本田圭佑氏をアンバサダーとして起用された。日本国内だけでなく、全世界のスポーツ・エンターテインメント業界に向け、デジタル化推進を目指していく。
今週は計4社の調達状況を紹介した。今後も、FastGrowは週次で調達状況を発信していく。
こちらの記事は2019年06月19日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
次の記事
連載資金調達の週報
執筆
川尻 疾風
ライター・編集者(モメンタム・ホース所属)。在学中に、メルマガ・生放送配信やプロデュース・マネジメント支援を経験。オウンドメディアやSNS運用などに携わったのち、現職へ。起業家やクリエイターといった同世代の才能と伴走する存在を目指す。
姓は半蔵、名は門太郎。1998年、長野県佐久市生まれ。千葉大学文学部在学中(専攻は哲学)。ビジネスからキャリア、テクノロジーまでバクバク食べる雑食系ライター。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
おすすめの関連記事
不況に備え、プロダクトをひたすら磨き込め──VC/CVCが本音で語る、スタートアップの生き残り方【イベントレポート】
- グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社 パートナー
【資金調達の月報】ジールスが50億円、インゲージが10億円、movが7億円──2022年5月まとめ
SaaS不況、乗り越える術は「地道なシナリオづくり」だ──調達マーケットの現状を、One Capital浅田・DIMENSION宮宗・ジェネシア水谷がオフレコありで大激論!
- One Capital株式会社 代表取締役CEO, General Partner
即効性ある策は、知識習得なり──Sozo Ventures・中村氏に訊く、グローバルスタンダードで勝ち抜く秘訣
- Sozo Ventures ファウンダー/マネージング ディレクター
上場の舞台裏、窮地を救ったのは20年重ねた信頼と実績──IT界の両雄ユナイテッド早川×サイバー・バズ髙村で語る、“投資家”と“経営者”の域を超えたパートナーシップ論
- ユナイテッド株式会社 代表取締役社長 兼 執行役員
市況の悪化をものとのもせず──2023年前半、資金調達を実施したバーティカルSaaS 9選
起業家とCVC、理想的な提携検討のかたちとは?事業会社からの調達法の“いろは”を語り合う座談会【イベントレポート】
- 凸版印刷株式会社 事業開発本部 ビジネスイノベーションセンター 戦略投資部長
起業家・CFO必見、「ブリッジファイナンス」がスタートアップに必須となる理由──資金調達を有利に進め、非連続成長を実現するためのファクタリング活用法
- Dual Life Partners株式会社 取締役