連載資金調達の週報

オンライン薬局を医療のスタンダードに。
ミナカラが3億円を調達──押さえておきたい資金調達ニュース

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「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowは、さまざまなコンテンツを通して、いま注目すべき次世代の成長企業と出会う機会を提供している。

『資金調達の週報』では、編集部が厳選したスタートアップの資金調達ニュースをまとめてお届け。資金調達の様子を定点観測していれば、次の成長企業が見えてくるはずだ。今週は4社をピックアップした。

2020年8月17日〜2020年8月23日分 過去の週報はこちら

  • TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
  • EDIT BY HUSTLE KURIMURA
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ミナカラ:セルフメディケーションを促進するオンライン薬局

株式会社ミナカラ

資金調達概要

調達額
3億円
調達先
Spiral Innovation Partners
インキュベイトファンド
STRIVE
朝日メディアラボベンチャーズ
カイゲンファーマ株式会社

サービス概要

オンライン薬局『minacolor(ミナカラ)』を展開する、ミナカラ

『minacolor』は、ユーザーが正しい知識とともに医薬品を購入できるオンライン薬局だ。薬剤師が保有する情報から自分の症状にあった薬を簡単に知ることができるほか、薬の購入や服薬管理までを同一サービス上で行える点が特徴だという。薬剤師への無料チャット相談も可能であり、サービスとしては、主に体調不良によって薬を店舗で購入できない患者や、育児中で外出しにくい人に利用されているそうだ。

同社は、2018年から製薬メーカーと共同でプライベートブランドの医薬品開発および販売を開始。既存サービスとの差別化については、アフターフォローの充実やECデータの有効活用を挙げている。

今回調達した資金を活かし、複数の製薬メーカーとの連携に加え、メンバーの採用活動を積極的に行っていく予定だという。

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alma:デザインを身近に感じる学習サービス

株式会社alma

資金調達概要

調達額
7,000万円
調達先
THE SEED
KVP
元メルカリ分析チーム責任者 樫田光氏
株式会社FiNC Technologies CCO 小出誠也氏
田中裕一氏
その他機関投資家
融資

サービス概要

デザインプロジェクトや学習コンテンツを活用した実践的なデザイン学習サービス『Cocoda!』、『Cocoda!』に集まるデザイン人材を活用した法人向けサービス『Cocoda! team』を展開する、alma

『Cocoda!』は、デザイナーとして働く中でデザインの幅を広げる機会が不足している人や、デザインをこれから学び始めたい人向けのサービスだ。お題に基づいたデザイン学習や、ポートフォリオ作成、参考になるデザイン資料の閲覧機能などの機能を無料で利用することができる。2018年9月のサービスリリース以来、国内のデザイナーを中心にユーザ数を伸ばし、2020年8月現在で累計2万人を突破したという。

『Cocoda! team』は、法人向けにプロダクト開発シーンでのリソース・ワークフローの課題に対するソリューションを提供するサービス。具体的には、デザイナーが集まる『Cocoda!』と連携し、デザインプロジェクトのチーム立ち上げから実施の運用までを包括的に支援するという。現在は無料トライアル期間中で、順調に利用企業数を伸ばしているそうだ。

リリースによれば、『Cocoda!』は、創業チームの友人の「デザイナーになりたが、本当になれるか分からない。助けて欲しい」という言葉を受けて始まったサービスであり、「今後はより一層デザインの機会と知見を増加させ、デザイナー・法人双方に愛されるプラットフォームを目指したい」と意気込みが綴られている。

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stand.fm:誰でもかんたんに配信できる音声配信プラットフォーム

株式会社stand.fm

資金調達概要

調達額
5億円
調達先
YJキャピタル株式会社

サービス概要

簡単操作で誰でも音声コンテンツを配信できる音声プラットフォームアプリ『stand.fm』を展開する、stand.fm

stand.fmでは、エンタメからスポーツ、ライフスタイル、美容、ビジネスなど幅広い音声コンテンツが毎日配信されており、通勤や通学、運動中など様々なシーンで楽しむことが可能だという。

また今回の調達に合わせ、配信者の収益化を支援する「stand.fmパートナープログラム(SPP)」の開始も発表。同プログラムを活用することで、審査を通過した配信者は、再生時間に応じた収益を受け取ることができるようになるという。

その他にも、ユーザーが収益化を行いやすいよう「コンテンツ販売」や「サポーター機能」の開発も進めているという。「コンテンツ販売」はユーザー自身が価格を自由に設定し、音声コンテンツを販売できる機能、「サポーター機能」は応援してくれる有料月額ユーザー(サポーター)向けに限定コンテンツを配信できる機能を想定し、提供の準備を進めているそうだ。

同社の共同代表である河合真吾氏と中川綾太郎氏はかつてペロリを創業し、僅か3年で2,000万人ユーザーを超えるメディア『MERY』を創り上げた経歴を持つ。同社が今後のどのような成長曲線を描くのか、今後の動向に注目したい。

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ジェニオ:Slackの会話をリアルタイム翻訳するツール

株式会社ジェニオ

資金調達概要

調達額
6000万円
調達先
エンジェル投資家3名
株式会社キングダム
借入

サービス概要

Slackと連携できる、リアルタイム100ヶ国語AI翻訳ツール『Kiara(キアラ)』を展開する、ジェニオ

『Kiara』は、100ヶ国語の翻訳に対応するSlack上で使用可能なAI翻訳プラグインアプリだ。同サービスの強みは、約1億文字の自然言語ビッグデータを保有する点だという。今後もアジアの言語を中心にチャットデータを集め、他社と異なる自動化機能で差別化を計るそうだ。

同サービスはユニコーン企業のスマートニュースや大手自動車会社、通信会社のFinTech部門、政府の研究機関などで利用されており、導入企業の数はすでに1,500社まで広がっているという。

CEOの石井氏は、自身が伊藤忠商事ミラノ駐在時代に大量の翻訳作業で苦労した経験をもとに、『Kiara』の開発を決意。また同氏は、起業家育成組織である500Startups神戸やY Combinator Startup Schoolなどを卒業した実績も持つ。

今回の資金調達により、追加機能開発や営業の強化、Slack以外のグループチャットとの提携を行う予定だという。

こちらの記事は2020年08月26日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

小酒井 圭祐

国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。

編集

ハッスル栗村

1997年生まれ、愛知県出身。大学では学生アスリートを取材し、新聞や雑誌の制作・販売に携わる。早稲田大学文学部在学中。

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