連載資金調達の週報
勘に頼った人材採用からの脱却。
TRAN.HRが約5,000万円を調達──押さえておきたい資金調達ニュース
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。
全てを追いきれない読者のために、 FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週も日本から4社をピックアップした。
2020年2月10日〜2020年2月16日分 過去の週報はこちら
- TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
- EDIT BY KAZUYUKI KOYAMA
トランス:AIがデータに基づいた人材採用をサポート
資金調達概要
| 調達額 |
|---|
| 約5,000万円 |
| 調達先 |
|---|
| 有安 伸宏 氏 |
| 小泉 文明 氏 |
| 高野 秀敏 氏 |
| 吉田 浩一郎 氏 |
| その他 |
サービス概要
AIが採用候補者の入社後の活躍率、早期退職率を予測する人事支援サービス「TRANS.HR」、100種類以上の適性検査データに対応する「TRANS.適性診断」を展開する、トランス。
勘や経験などの属人的な採用方法ではなく、自社従業員と採用候補者を比較・分析することで、入社後活躍できるか、早期退職しやすいかを予測する。
2019年6月のβ版公開から7ヵ月で、上場企業を中心に120社以上に利用されているという。
今回の調達資金を元に正式版ローンチに向けてAIアルゴリズムの研究・サービスの開発を進める。
Mellow:モビリティを活用した街づくり
資金調達概要
| 調達額 |
|---|
| 5億円 |
| 調達先 |
|---|
| トヨタファイナンシャルサービス株式会社 |
| 株式会社SMBC信託銀行(特定金外信託 PKSHA SPARX アルゴリズム1号) |
サービス概要
ビルの空きスペースとフードトラックをマッチングし、ランチスペースを街中に創造するサービス「TLUNCH」を展開する、Mellow。
オフィス街、大学、病院、物流倉庫、建設現場、音楽フェスといった様々な場所でフードトラックをマッチングし、現在は首都圏および関西エリア合わせて190ヶ所で活動中。全国展開も進めているという。
創業から約4年で月次の流通総額は1億円を突破。提携するフードトラックは790にのぼる。
今後はフードトラックを始めたい人への開業支援にも手を広げる予定とのこと。今回の調達資金は、フードトラックを含めたモビリティ運営拠点の拡大、フードトラック開業者支援体制の強化、ITシステム基盤の拡張をおこなう。
EventHub:イベント会場でのマーケティングを効率化
資金調達概要
| 調達額 |
|---|
| 総額2.3億円(本ラウンドでの総額) |
| 調達先 |
|---|
| Sansan株式会社 |
サービス概要
企業のイベント開催準備とイベント後のマーケティングを効率化できるツール「EventHub」。
イベント参加企業と来場者のマッチング、イベント後にSalesforceと連携して商談の促進などをサポートするツールで、主に、カンファレンス、セミナー、展示会等のビジネスイベントにて利用されている。
今後は、イベントをスムーズに開催するための機能(チケット販売など)を完成する予定。
また、今回の資金調達先である、Sansan株式会社が提供する名刺アプリ「Eight」との連携も進める。過去にEight上で名刺交換をした人とイベント会場から商談に繋げる仕組みを形成予定だという。
Repro:企業と顧客の繋がりを強固に
資金調達概要
| 調達額 |
|---|
| 総額約30億円 (以下の第三者割当増資に加え、デッドファイナンスを含む金額) |
| 調達先 |
|---|
| 【新規投資家】 |
| YJキャピタル株式会社 |
| SBIインベストメント株式会社 |
| 株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ |
| KDDI株式会社 |
| 【既存投資家】 |
| 株式会社DGベンチャーズ |
| 株式会社DG Daiwa Ventures |
| 株式会社ジャフコ |
サービス概要
企業と顧客のつながりを強化するCE(カスタマーエンゲージメント)プラットフォーム「Repro」。
企業が保有するあらゆるデータを活用し、それぞれの顧客に合わせたタイミング、内容、チャネルでのコミュニケーションを可能とする。具体的には、プッシュ通知やオンライン広告、レコメンド機能などを用いて顧客へのアプローチを提案してくれるという。
「Repro」は元々、2015年にアプリの分析ツールとしてリリースされた。その後、2016年にマーケティング機能を追加、2018年にはWeb・アプリのマーケティングプラットフォームへと変革を重ねてきた遍歴を持つ。
実績としては、66ヶ国7,300を超えるサービスに導入。現在は、蓄積されたデータを用いてマーケティング自動化へ向けた研究開発をおこなっている。
今回の資金調達により、グローバル開発体制の強化、2019年に開設したシンガポール法人に続く海外拠点の開設及び体制強化、グローバルマーケティングの強化をおこなう予定。
こちらの記事は2020年02月19日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
小酒井 圭祐
国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。
編集者。大学卒業後、建築設計事務所、デザインコンサル会社の編集ディレクター / PMを経て、weavingを創業。デザイン領域の情報発信支援・メディア運営・コンサルティング・コンテンツ制作を通し、デザインとビジネスの距離を近づける編集に従事する。デザインビジネスマガジン「designing」編集長。inquire所属。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
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- 株式会社操電 代表取締役