連載資金調達の週報
「生産者のこだわりが正当に評価される世界」を目指す。
『食べチョク』運営のビビッドガーデンが6億円を調達──押さえておきたい資金調達ニュース
「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowは、さまざまなコンテンツを通して、いま注目すべき次世代の成長企業と出会う機会を提供している。
『資金調達の週報』では、編集部が厳選したスタートアップの資金調達ニュースをまとめてお届け。資金調達の様子を定点観測していれば、次の成長企業が見えてくるはずだ。今週は4社をピックアップした。
2020年8月3日〜2020年8月9日分 過去の週報はこちら
- TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
- EDIT BY HUSTLE KURIMURA
Findy:テクノロジードリブンのエンジニア採用サービス
資金調達概要
| 調達額 |
|---|
| 7.7億円 |
| 調達先 |
|---|
| グローバル・ブレイン |
| ユナイテッド |
| SMBCベンチャーキャピタル |
| KDDI(KDDI Open Innovation Fund 3号) |
| JA三井リース |
| HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND(博報堂DYベンチャーズ) |
| みずほキャピタル |
サービス概要
GitHub解析によりエンジニアスキルを判断する技術を活かし、エンジニアと企業のマッチングから開発力強化までを一貫して支援するファインディ。同社はハイスキルなエンジニアと企業をマッチングする転職サービス『Findy 転職』をはじめ、独自アルゴリズムを核とした3つのサービスを展開している。
ハイスキルなフリーランス・副業エンジニアと企業の業務委託案件をマッチングするサービス『Findy Freelance』は、スタートアップに加え、大企業の新規事業部門や上場ベンチャーなどの約200社が利用しているという。
代表の山田裕一朗氏は、三菱重工業、ボストンコンサルティンググループを経て、創業期のレアジョブに入社。レアジョブでは執行役員として人事、マーケティング、ブラジル事業、三井物産との資本業務提携等を担当し、2016年にファインディを創業した。
今回の資金調達により、プロダクト開発やマーケティング、営業活動をさらに加速する予定だという。また、新規株主として迎えた各業界をリードする事業会社・CVCとの協業も視野に入れているそうだ。
Carstay:キャンピングカー版のAirbnb
資金調達概要
| 調達額 |
|---|
| 約5千万円 |
| 調達先 |
|---|
| 株式会社サイバーエージェント・キャピタル |
| ライフタイムベンチャーズ |
| 平井誠人氏、田端信太郎氏を含む個人投資家 |
サービス概要
日本初のキャンピングカーのカーシェアサービス『バンシェア』、車中泊スペースのシェアサービス『カーステイ』などのMaaSプラットフォーム事業を展開するCarstay。
『バンシェア』を活用することで、キャンピングカーオーナーは維持に必要な費用を実質的に軽減できるほか、利用者も気軽にキャンピングカーのトライアル利用ができる。『バンシェア』には50台のキャンピングカー、『カーステイ』には200箇所の車中泊スポットが登録されているという。
今回の資金調達に合わせて、CarstayのCMOに株式会社ZOZO元執行役員の田端信太郎氏が就任。マーケティング・PRのプロフェッショナルとして経営に参画し、事業戦略の立案から遂行までを通じて事業の成長を後押しするという。
今回の資金調達により、バンシェアのデザイン改善、システム追加開発、ユーザー獲得のマーケティングをおこなうそうだ。
まちいろ:サブスク時代の次世代会員管理システム
資金調達概要
| 調達額 |
|---|
| 1億円 |
| 調達先 |
|---|
| ALL STAR SAAS FUND |
サービス概要
月謝制サブスク店舗のための次世代会員管理・予約・決済システム『hacomono』を展開する、まちいろ。
『hacomono』はリアル店舗における入会・予約・決済をPCやスマホ端末からオンラインで完結し、店頭事務手続きや支払手続きを簡潔にできるサービス。同サービスを活用すれば、店頭チェックインがタブレットで完結するため、フロント業務が不要となる。また、手続きのオンライン化で手間なくデータを蓄積し、正確な会員属性分析・来店頻度分析・インストラクターやプログラムごとの入会率分析なども可能となる。同サービスを導入する店舗の数は、ここ半年で200%増を記録しているという。
まちいろが創業されたのは2013年7月。これまでにb-monsterやクリスプサラダワークスなど、業界でも話題の人気店舗のデジタル化を推進してきた。
今回の資金調達により、プロダクト開発、UI/UX面のさらなる強化、カスタマーサクセスチームの拡充をおこなう予定だという。
ビビッドガーデン:農家のこだわりが正当に評価される世界を目指す
資金調達概要
| 調達額 |
|---|
| 総額6億円 |
| 調達先 |
|---|
| 株式会社ジャフコ |
| マネックスベンチャーズ |
| VOYAGE VENTURES |
| デライト・ベンチャーズ |
| NOW |
サービス概要
こだわり生産者が集うオンライン直売所『食べチョク』を展開する、ビビッドガーデン。
『食べチョク』は、こだわり生産者から直接食材や花きを購入できるオンラインマルシェ。2020年7月には登録生産者数が2,200軒を突破し、8,000品を超えるこだわりの逸品が出品されているという。
同社は『食べチョク』の他にも、好みに合う生産者を選んでくれる野菜定期便『食べチョクコンシェルジュ』や旬の果物が届く定期便『食べチョクフルーツセレクト』など、定期便サービスの拡充にも力を注いでいる。
同社は今回の調達に合わせて、食べチョク物流構想の第一弾として、9月頃からヤマト運輸とシステム連携を開始することも発表。生産者は今までより簡単に、安く発送作業ができるようになるという。
今回の資金調達により、『食べチョク』をより一層強化するためのマーケティング・人材採用・物流構築をおこなうそうだ。
こちらの記事は2020年08月12日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
次の記事
連載資金調達の週報
執筆
小酒井 圭祐
国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。
編集
ハッスル栗村
1997年生まれ、愛知県出身。大学では学生アスリートを取材し、新聞や雑誌の制作・販売に携わる。早稲田大学文学部在学中。
おすすめの関連記事
出品代行型フリマアプリで「面倒くさい」「安すぎる」を解決へ。国内No.1の古着売買プラットフォームへ、シリーズAで総額4億円を調達──株式会社digdig
経営支援を「誰もがアクセスできるインフラ」に──ジャパンM&Aインキュベーション、プレシリーズAで3億円を調達
「PMFまでの苦しい時に、資金と希望を与えてくれた」──ジェネシア・ベンチャーズ × KAMEREO、Tensor Energy、Malmeの3対談にみる、“シード期支援のリアル”
- 株式会社ジェネシア・ベンチャーズ Investment Manager
データの収集と整理を効率化し、日本のエンプラ企業のデータ・AI活用を変革する。シリーズAで総額7.5億円を調達──株式会社Quollio Technologies
グローバル製造業の調達機能を高度化へ。データを基軸としたイノベーションに向け、シリーズAで総額4億円を調達──A1A株式会社
1プロジェクト、MAX予算数百億円──10年変わらぬSCM市場の顔ぶれにニューフェイス誕生。シード調達1.3億円のリチェルカが挑む「ERP3.0」
不動産・建築・金融を統合的にDX──総額38億円調達。イタンジ創業者がAIインフラ事業で挑む、複数産業の同時変革構想とは
【独占インタビュー】創業3期目で売上28.2億円。異端の経営でエネルギー業界に挑む「操電」飯野塁の全貌
- 株式会社操電 代表取締役