連載資金調達の週報

誰もが抱えるお金の悩みを専門家が解決する、400Fが資金調達──押さえておきたい資金調達ニュース

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「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowは、さまざまなコンテンツを通して、いま注目すべき次世代の成長企業と出会う機会を提供している。

『資金調達の週報』では、編集部が厳選したスタートアップの資金調達ニュースをまとめてお届け。資金調達の様子を定点観測していれば、次の成長企業が見えてくるはずだ。今週は4社をピックアップした。

2020年10月12日〜2020年10月18日分 過去の週報はこちら

  • TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
  • EDIT BY HUSTLE KURIMURA
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400F:お金の悩みを専門家に気軽に相談

株式会社400F

資金調達概要

調達額
非公開
調達先
株式会社グッドパッチ
株式会社マネーフォワード

サービス概要

お金の悩みを専門家に無料相談できるオンラインチャット相談プラットフォーム『お金の健康診断』、お金にまつわるさまざまな知識やノウハウを掲載するWebメディア『オカネコ』を展開する、400F

『お金の健康診断』は、家計や家族構成などの基本情報を登録するだけで、お金に関する健康度合いを診断できるサービスだ。一人ひとりの悩みに合わせて、ファイナンシャルアドバイザーなどがオンラインチャットによるサポートを提供している。正式リリース後、およそ2年で累計利用者数が7.5万人を突破したという。

一方、Webメディアの『オカネコ』は、記事を読んで気になった点や相談したいことをすぐさまプロに相談できる点が特徴だという。具体的には、サービスを『オカネコ』から切り替えることなく、シームレスに『お金の健康診断』によるチャット相談へ移れるよう設計されている。2019年の11月に開始した同メディアは現在、月間で20万以上のUU数を記録しているそうだ。

今回の資金調達により、『お金の健康診断』と『オカネコ』の両事業への投資、採用強化をおこなう予定だという。

代表の中村仁氏は、大学卒業後に野村證券で勤務したのち、2016年4月にお金のデザインへ転職。2017年3月からは同社の代表を務めた。また2018年7月より、400Fの代表を兼任した。

お金のデザインで過ごした4年3ヶ月の時間を「あっという間でした」と表現した中村氏。「野村證券(サラリーパーソン)→ベンチャー転職→ベンチャー社長→MBOしてオーナー経営者」という経歴は、本人の言葉を借りれば「異色のキャリア」と言えるだろう。中村氏が400F設立に込めた想いを語ったnoteも、ぜひご覧いただきたい。

僕がMBO(マネジメント・バイアウト)を行った理由

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neuet:「まちの移動の、つぎの習慣をつくる」を掲げる、自転車シェアリングサービス

neuet株式会社

資金調達概要

調達額
非公開
調達先
F Ventures Fund 2号投資事業有限責任組合
ABBALabスタートアップファンド投資事業有限責任組合
ベータ2020投資事業有限責任組合
株式会社QTnet
SGインキュベート第1号投資事業有限責任組合

サービス概要

シェアサイクルサービス『Charichari(チャリチャリ)』を展開する、neuet

同サービスの特徴の一つは、スマートフォンアプリで専用自転車の鍵を開け閉めできる利便性にあるという。2018年2月から福岡市にて提供を開始した同サービスは、2020年7月から名古屋市、同年9月からは東京浅草エリアでも提供をスタート。これまでに、累計300万回以上、月間25万回以上にわたって利用されているという。

今回の資金調達により、サービスの拡充のために必要となるシステム開発に加え、自転車やスマートロック等の設備への投資をおこなう予定だという。

代表の家本賢太郎氏は、14歳で脳腫瘍の摘出後に車椅子生活となり、しばらくの間病床や自宅での生活が中心となった時期があったという。その際、「自分と社会をつなぎとめてくれたインターネットに貢献できる仕事がしたい」と思い、15歳でクララオンラインを創業。その後、奇跡的に両足の運動神経が回復し、車椅子無しでの生活が可能となった同氏は、「モビリティ×社会」の領域に関心を持ち、neuetと中古スポーツ自転車の流通チェーン『バイチャリ』(ちゃりカンパニー)を創業した。

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Mellia:フェミニンケアをもっとオープンに

Mellia 株式会社

資金調達概要

調達額
累計約3億円
調達先
D2C&Co.株式会社
新生企業投資株式会社
LINE Ventures Japan有限責任事業組合
佐々木康裕氏(株式会社Takramディレクター兼ビジネスデザイナー)
株式会社ポーラ・オルビスホールディングス
NOW株式会社

サービス概要

フェミニンケアブランド『I’m La Floria(アイム ラフロリア)』、女性たちをエンパワーメントするオウンドメディア『my-muse (マイミューズ)』など、「女性の心を少し解放する」をコンセプトとしたプロダクトを展開するMellia

『I’m La Floria』は、女性のデリケートゾーン用スキンケアアイテムブランド。アメリカやヨーロッパの女性にとって、デリケートゾーンを専用のソープで洗うことは当たり前の習慣だが、日本ではまだ浸透しておらず、そうした新たな習慣を国内で根付かせることも見据えたサービスだという。

今回の資金調達により、『I’m La Floria』の商品開発やマーケティング、オウンドメディア運営などの強化に加え、オフラインとオンラインをシームレスにつないだ顧客体験の創造のための投資、さらには人材採用の拡充をおこなう予定だという。

共同代表の原由記氏と和田由紀氏は幼馴染。原氏が化粧品メーカーで活躍していた経験を活かし、女性のための美容プロダクトをつくり始めたのが、起業のきっかけになったそうだ。「日本の化粧品メーカーはたくさんあるが、男性が経営者の会社が多く、女性が経営している会社は実は少ない。女性が使うものだからこそ女性の手でつくり、より一層ユーザーに寄り添えるものにしたい」という二人の想いを実現すべく、今後もサービス拡大に注力していくという。

原氏のTwitterアカウント

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Radiotalk:新しい音声エンターテインメント

Radiotalk株式会社

資金調達概要

調達額
約3億円
調達先
STRIVE株式会社
Gunosy Capital Pte. Ltd.
株式会社オー・エル・エム・ベンチャーズ
マネックスベンチャーズ株式会社

サービス概要

誰でも簡単に始められる音声配信プラットフォーム『Radiotalk』を展開する、Radiotalk

『Radiotalk』は、配信者がワンタップで手軽に収録を開始できることや、収録した音声の速度や声の高さを自由にカスタマイズして、すぐさまSNSへ投稿できる点が特徴のサービスだ。「Radiotalker(配信者)」と呼ばれるリスナーが熱量高くコミュニケーションをとれる場づくりを大切にしてきたという同サービスは、2017年8月の提供開始から約3年が経った現在、月間アクティブユニークユーザー数が昨対比5倍の伸びを記録するまで成長したという。多くのコミュニティが生まれているそうだ。

リアルタイムで相互コミュニケーションができるライブ配信機能や、配信者とリスナーの熱量を可視化できるスコア機能、感動や応援の気持ちをよりダイレクトに表現できるギフト機能など、積極的に新機能をリリースしてきた同社。今回の資金調達により、ライブ配信や音声加工等の新機能の拡充に加え、事業拡大や採用強化のための投資もおこなう予定だという。

代表の井上佳央里氏は、小学生の頃から新聞の投書を始めて読者リポーターになったことをきっかけに、雑誌への投書やラジオのネタ職人やっていたという。その経験から、「日頃から陽の目を浴びていなくても才能ある人にチャンスを作る」ことを目指すようになり、その目標がRadiotalkを起業する決意へとつながったそうだ。

こちらの記事は2020年10月21日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

小酒井 圭祐

国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。

編集

ハッスル栗村

1997年生まれ、愛知県出身。大学では学生アスリートを取材し、新聞や雑誌の制作・販売に携わる。早稲田大学文学部在学中。

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