連載資金調達の週報
生体認証システムやアート×ブロックチェーンなど──押さえておきたい資金調達ニュース【〜7月8日】
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。
全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週も日本から4社、海外から2社をピックアップした。
2018年7月2日〜2018年7月8日分過去の週報はこちら
- TEXT BY MASUMI OSAKI
- EDIT BY KAZUYUKI KOYAMA
HiCustomer : カスタマーサクセス管理ツール

資金調達概要
調達額 |
---|
6000万円 |
調達先 |
---|
500 Startups Japan |
BEENEXT |
アーキタイプベンチャーズ |
サービス概要
サブスクリプション(定期課金型)サービスにおけるユーザーの行動を管理し、定着率を高める支援をする「HiCustomer」。
サブスクリプション型のサービスではユーザーの解約を防ぎ、いかに継続利用をしてもらえるかが成長のポイント。その専門家と言えるカスタマーサクセスという職種が近年注目を集めている。HiCustomerはその仕事を支援するサービスだ。
サービスの利用状況に応じて解約兆候やアップセルの可能性を検知したり、データから顧客のライフサイクルを自動で分類したりできるのが特徴。顧客ごとに適切な打ち手を見極め、サービスの成功をサポートする。
エフ・コード : 次世代型Web接客ツール「CODE Marketing Cloud」

資金調達概要
調達額 |
---|
1.4億円 |
調達先 |
---|
複数の個人投資家 |
サービス概要
これまでフォーム最適化ツールやWeb接客サービスを通じて、500社以上のWebサイトのCVR改善をサポートしてきた『エフ・コード』。
同社が7月中旬にリリースする予定の「CODE Marketing Cloud」は、自社のCVR改善ノウハウを詰め込んだ新しいWeb接客ツールだ。
Webサイト来訪者の訪問回数や訪問ページといった行動履歴、連携した外部データソースの情報を元に、ひとりひとりに最適な接客を実現。業界別に接客テンプレートを用意することですぐに実践できるのも特徴だ。
スタートバーン : アート×ブロックチェーン

資金調達概要
調達額 |
---|
1億円 |
調達先 |
---|
UTEC |
サービス概要
ブロックチェーン技術の活用によってアート市場の課題解決を目指している『スタートバーン』。
作品のタイトルやサイズ、制作年、作者情報、来歴情報、真贋情報といったデータをブロックチェーン上で共有するネットワークを構築中。これによって参加機関が独自の作品証明書発行サービスを開発したり、作品売買・管理ができる環境を作ろうとしている。
ネットワークに参加するサービスのひとつとしてオークション機能を搭載したアート専用SNSも開発。これはもともと同社が提供していたサービスを改良したもので、ユーザー同士で作品を売買した際にオリジナルの作者へ還元金が支払われるのが特徴だ。
Liquid : 生体認証システムの開発

資金調達概要
調達額 |
---|
33億円 |
調達先 |
---|
農林中央金庫 |
東京海上日動火災保険 |
森トラスト |
大和証券グループ本社 |
上田八木短資株式会社 |
SBI AI & Blockchain投資事業有限責任組合 |
その他国内事業会社 |
サービス概要
生体情報にフォーカスした画像解析技術とビックデータ解析技術を基に、複数のサービスを展開している『Liquid』。
現在提供しているものには、独自の指紋センサーを用いることでカードや現金なしで決済できるレジアプリ、オフィスやマンションのドアの解錠ができる指紋スキャナー、ゆびや顔から得られる生体情報で本人認証や決済ができるサービスがある。
今後は顧客の顔画像のデータから、オンライン上で本人確認が完結するサービスも提供予定。
Storyline(アメリカ): Alexaスキルの開発プラットフォーム

資金調達概要
調達額 |
---|
77万ドル(約8,500万円) |
調達先 |
---|
Boost VC |
サービス概要
Amazonの提供する音声サービス「Alexa」のスキルをプログラミングの知識なしで作れる『Storyline』。
Webサイトやモバイルアプリをドラッグ&ドロップで作れるサービスのAlexa版だと思ってもらうとイメージしやすいかもしれない。
国内でもAmazon Echoを含むスマートスピーカーの注目度が上がってきていて、専用のアプリも増加傾向にある。Storylineではすでに約2,500名の開発者が参加し、同社のサービスを通じてさまざまなAlexaスキルが生み出されているということだ。
こちらの記事は2018年07月11日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
大崎 真澄
編集者。大学卒業後、建築設計事務所、デザインコンサル会社の編集ディレクター / PMを経て、weavingを創業。デザイン領域の情報発信支援・メディア運営・コンサルティング・コンテンツ制作を通し、デザインとビジネスの距離を近づける編集に従事する。デザインビジネスマガジン「designing」編集長。inquire所属。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
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