連載資金調達の週報
340万人が利用する語学学習Q&Aアプリからアナログ地図をオンライン化するサービスまで──押さえておきたい資金調達ニュース【〜9月16日】
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。
全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週は日本から4社をピックアップした。
2018年9月10日〜2018年9月16日分
- TEXT BY MASUMI OSAKI
- EDIT BY TOMOAKI SHOJI
Lang-8 : ユーザー数340万人超えの語学学習Q&Aアプリ

資金調達概要
調達額 |
---|
6.5億 |
調達先 |
---|
YJキャピタル |
大和企業投資 |
FFGベンチャービジネスパートナーズ |
千葉功太郎氏 |
サービス概要
外国語学習者向けのQ&Aプラットフォーム「HiNative」を開発。
HiNativeは、語学や文化について気軽にネイティブスピーカーへ質問できるのが特徴だ。ユーザーは2018年8月時点で341万人を超え、対応言語も110言語、240の国と地域で利用されている。登録ユーザーの97%は日本以外の国々のユーザーだという。
今回調達した資金を基に、海外ユーザーの新規獲得や、回答の品質や回答率・スピードの改善、YouTuberを起用してのマーケティング施策などを強化する方針だ。
Payke : バーコードを活用した商品の多言語対応支援サービス

資金調達概要
調達額 |
---|
10億 |
調達先 |
---|
Eight Roads Ventures Japan |
SBIインベストメント |
沖縄振興開発金融公庫 |
SMBCベンチャーキャピタル |
INTAGE Open Innovation Fund |
サービス概要
訪日外国人向けのショッピングサポートアプリ「Payke」を開発。
Paykeの特徴は、商品についているバーコードをアプリでスキャンするだけで、パッケージには記載のない商品の情報をユーザーの母国語で閲覧できること。現在は英語や繁体字、タイ語など7ヶ国語に対応。アプリのダウンロード数は約70万に及ぶ。
店舗側にとっては、Paykeを通じて多大な人件費やコストをかけずとも訪日外国人に対して商品を訴求できる点がメリットだ。スキャンの状況から来店者の行動を可視化することもでき、現在約1200社に導入されているという。
クラスター : バーチャルイベントプラットフォーム

資金調達概要
調達額 |
---|
4億 |
調達先 |
---|
XTech Ventures |
グローバル・ブレイン |
KDDI |
サービス概要
バーチャル上でイベントやライブ、カンファレンスを開催できるVRプラットフォーム「cluster」を開発。
clusterは誰でも気軽にバーチャルルームを作ることができるサービスだ。複数人で集まるイベントやミーティング、バーチャルタレントによる音楽ライブなどで活用されている。2018年8月には人気バーチャルYouTuber「輝夜月」のライブが開催され話題を呼んだ。
同社は今回調達した資金をプロダクト開発や人材採用強化に活用していく計画。3年で1000億円を超える規模の経済圏インフラを目指していくという。
Stroly : アナログ地図を便利なオンラインマップに変えるサービス

資金調達概要
調達額 |
---|
2.5億 |
調達先 |
---|
大和企業投資 |
山口キャピタル |
りそなキャピタル |
JTB |
サービス概要
位置情報と連動したオンラインマップのプラットフォーム「stroly」を開発。
strolyは手書きのイラスト風地図や古地図など、アナログな地図を便利なオンラインマップへと変えるサービスだ。ユーザーは自分で所有している地図データをstroly上にアップロードし、その地図の正確な位置情報を加えることでオンラインマップを作成できる。
公開したマップはQRコードで配布したり、SNSでシェアしたり、Webページに埋め込んだりして活用可能。アナログな地図ならではの魅力を残しつつ、GPSを基に現在地を表示できるといったオンラインマップの良さも取り込めるのが特徴となっている。
同社は調達した資金を開発人員の採用、海外での販路拡大への投資に用いる計画だ。また、調達先のJTBとはオンラインマップを活用して旅行者に地域の魅力を伝える新たなプラットフォーム構築を目指して、包括的業務提携を行うことで合意したことを明らかにしている。
今週は計4社の調達状況を紹介した。今後も、FastGrowは週次で調達状況を発信していく。
こちらの記事は2018年09月19日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
次の記事
連載資金調達の週報
執筆
大崎 真澄
編集
庄司 智昭
ライター・編集者。東京にこだわらない働き方を支援するシビレと、編集デザインファームのinquireに所属。2015年アイティメディアに入社し、2年間製造業関連のWebメディアで編集記者を務めた。ローカルやテクノロジー関連の取材に関心があります。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
おすすめの関連記事
不況に備え、プロダクトをひたすら磨き込め──VC/CVCが本音で語る、スタートアップの生き残り方【イベントレポート】
- グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社 パートナー
SaaS不況、乗り越える術は「地道なシナリオづくり」だ──調達マーケットの現状を、One Capital浅田・DIMENSION宮宗・ジェネシア水谷がオフレコありで大激論!
- One Capital株式会社 代表取締役CEO, General Partner
上場の舞台裏、窮地を救ったのは20年重ねた信頼と実績──IT界の両雄ユナイテッド早川×サイバー・バズ髙村で語る、“投資家”と“経営者”の域を超えたパートナーシップ論
- ユナイテッド株式会社 代表取締役社長 兼 執行役員
なぜベネッセが、TikTokのインフルエンサーマーケに投資?Nateeが挑戦するミッションドリブンな経営と、両社で仕掛ける共同事業の裏側を聞く
- 株式会社ベネッセホールディングス 専務執行役員 CDXO 兼 Digital Innovation Partners本部長
【トレンド研究】あなたの「リスキリング」解釈、間違ってますよ!?──今更きけないDX時代の正しい人材戦略とは
- 株式会社テックピット CEO
「77年分のコンテンツ資産」と「最新テクノロジー」、君ならどう事業化する?──Gakken LEAPプロダクト開発の現場にみる、世代を超えて愛されるプロダクトづくりの肝
- 株式会社Gakken LEAP プロダクトマネジメント部長
「効率化」だけの姿勢では「DX=パラダイムチェンジ」など起こせない──日経・学研という巨大コンテンツ事業のDXをリードしてきた山内氏に訊く、レガシー産業の企業価値を向上させる事業創造術
- 株式会社Gakken LEAP 取締役CTO