連載資金調達の週報

AIで旅行の格安タイミングを提案するattaが約3億円を調達──押さえておきたい資金調達ニュース

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資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。

全てを追いきれない読者のために、 FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。

今週も日本から4社をピックアップした。

2020年1月6日〜2020年1月12日分 過去の週報はこちら

  • TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
  • EDIT BY KAZUYUKI KOYAMA
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atta:航空券が格安になるタイミングをAIで予測

atta

資金調達概要

調達額
約3億円
調達先
サンエイト・PS1号投資事業組合
サンエイトOK組合
三生6号投資事業有限責任組合
名古屋テレビ・ベンチャーズ合同会社
株式会社マイナビ
三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合
31VENTURES Global Innovation Fund1号

サービス概要

世界218カ国・地域の230万軒を超える航空券、ホテル・旅館などを最安価格で予約できるようサポートするトラベルサービス「atta」を運営。

料金が格安になる時期をAIで分析、今後更に安くなる確率を数値で伝える。料金が下がった時にリアルタイムにスマートフォンのプッシュ通知で料金情報を提供する「プライスアラート機能」、格安時期が一目で分かる「カレンダー機能」を搭載。現在、iOS・Androidアプリでリリースしており、日本語・英語対応で展開している。

アジア最大級のテックイベント”RISEカンファレンスイベント2019”のピッチバトル参加53社に日本から唯一選出、”ASEAN RICE BOWL STARTUP AWARDS”の最終5候補に選ばれる他、”SLINGSHOT2019”にてmediacorp特別賞を受賞している。

今回調達した資金は、エンジニア採用のほか、日本と東南アジアでのマーケティングやPR活動に投下されるようだ。

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cluster:VRだけでリアルなイベントのような臨場感を提供

cluster

資金調達概要

調達額
8.3億円
調達先
KDDI Open Innovation Fund 3号
株式会社テレビ朝日ホールディングス
株式会社Wright Flyer Live Entertainment
31VENTURES Global Innovation Fund 1号

サービス概要

誰もがVR上で音楽ライブなどのイベントを開催できるアプリ「cluster」を運営。イベント主催者は、用意されているテンプレートから選ぶだけで簡単に作成、イベントページのURLをシェアするだけで、数百~数千名のユーザーが参加できる。

イベント参加者は、3Dアバターとして表示されるので、イベントにリアルで参加しているような臨場感を楽しめる。VRと聞くと、専用のデバイスを準備しなくてはならないのかと考えてしまうが、clusterはパソコンだけでも参加できることが特徴だ。

今回の資金調達と同時に、テレビ朝日、WFLEと業務提携を締結。バーチャルイベント事業や映像配信事業、アバターの機能拡張などにおいて連携を行い、コンテンツの企画・開発を検討していくという。

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Anyflow:定型業務で使用するSaaSアプリどうしを簡単に連携

Anyflow

資金調達概要

調達額
約2.2億円
調達先
グローバル・ブレイン株式会社
株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ
Coral Capital

サービス概要

プログラミング不要・簡単な操作で、定型業務用SaaSを連携させるWebアプリケーション「Anyflow」を運営。

一般的に、SaaSアプリケーションを連携するには、API仕様の理解が必要となり、プログラミングの知識がないと難しいと言われていた。

Anyflowでは、用意されているテンプレートを用いて、「どんな場面でどのような業務を実行するのか」という具体的な条件をWeb上でドラッグ&ドロップで簡単に連携できるという。

2019年10月のβ版リリース以降、Anyflowが対応するSaaSは国内のものを中心に10程度としていたが、その後、Slack、G Suiteなどに加え、kintone、SmartHR、Sensesなど国内SaaSのバリエーションを増やしている。

実績としては、Infinity Ventures Summit 2019 Summer in 神戸のピッチでファイナリストに選ばれたり、Incubate Camp 12thで総合順位1位、審査員賞、スポンサー賞を獲得。また、B Dash Camp Fall 2019 in 福岡のPitch Arenaで優勝した。

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タイムバンク:スキルやノウハウを持っている人の時間を販売

Timebank

資金調達概要

調達額
39.5億円
調達先
LINE Ventures株式会社
株式会社ジャフコ
インキュベイトファンド等

サービス概要

余裕のある時間や商品在庫を活用するマーケットプレイス「タイムバンク」を運営。

当初は売りたいスキルやノウハウを持つ人と、それを買いたい人を繋ぐサービスとしてスタートしたが、事業内容をピボット。現在は、スキルを持つ人だけにとどまらず、個々人の余剰時間や商品在庫も含めて取り扱うサービスへと拡大した。「世の中の“もったいない”を有効活用するシェアエコノミーのマーケットプレイス」と同社ではサービスを紹介している。

2019年11月末時点でタイムバンクを利用しているユーザーはIDベースで150万人。元々は、メタップスでの新規事業としてスタートしたが、代表の佐藤氏が2018年にMBOを実施。今回が初の外部からの資金調達となる。調達した資金は、広告や出品者の拡大に使用されるようだ。

こちらの記事は2020年01月15日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

小酒井 圭祐

国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。

編集者。大学卒業後、建築設計事務所、デザインコンサル会社の編集ディレクター / PMを経て、weavingを創業。デザイン領域の情報発信支援・メディア運営・コンサルティング・コンテンツ制作を通し、デザインとビジネスの距離を近づける編集に従事する。デザインビジネスマガジン「designing」編集長。inquire所属。

デスクチェック

長谷川 賢人

1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。

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