連載資金調達スタートアップのヨコガオ

エネルギーの“システム”自体を変革へ──累計276億円調達のシェアリングエネルギーが描く、分散電源社会

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重要なのは、調達額の大きさ?バリュエーション?ラウンド?いやいや、スタートアップの資金調達とは、もっと奥深く、緻密で複雑なものである。

FastGrow編集部では、調達リリースを見るたび、その裏側について思いを巡らせ、その後のビジョンについて予測や仮説立てをしてきた。そのために知りたい情報を、ぜひ外部向けにも記事としてまとめてみよう──そんな想いで始まったこの連載。

今回は、2026年4月に8.62億円の資金調達を発表した株式会社シェアリングエネルギーについて、その「横顔」をまとめる。

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FastGrow編集部が注目するポイント

注目ポイント1:分散電源の社会実装へ、他産業を巻き込む資金調達で加速

脱炭素化が急務の日本において、住宅用太陽光の導入を阻む最大の壁は「高額な初期費用」だった。同社はこのボトルネックを、各産業・業界のプレイヤーを巻き込むプロジェクトファイナンスの手法で突破。さらに今後、エネルギーを巨大電源から解放し、生活者が負担なく参加できる分散型インフラへとアップデートする壮大な構想がある。

注目ポイント2:ハウスビルダー1,900社と挑む、エネ変革

プロダクトの優位性のみならず、全国1,900社超のハウスビルダーと強固な連携を築き、毎期200%成長を実現。海千山千の経営陣が主導する「オペレーションエクセレンス」と「泥臭い現場開拓力」の融合こそが、参入障壁の高いPPA市場における同社の圧倒的な競争優位性を支えている。

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代表を始めとした、同社のメンバーについて

(1)代表取締役 上村 一行 氏

調達に際してのコメント

この度は長きにわたりご支援頂いている既存株主様6社、金融領域で高い専門性を有する三井住友信託銀行様に加え、多岐にわたる分野でご活躍の合計5社の新規投資家様よりご出資を賜り、心より感謝申し上げます。

今回の資金調達は、効果的な各種投資により当社の成長スピードを更に加速させるべく実施させて頂きましたが、当社事業の将来性や、分散型エネルギー社会への貢献に対して強いご期待を頂いている証であると考えております。

今後は「シェアでんき」の更なる品質向上および普及拡大を更に進めるとともに、より柔軟かつ拡張性の高いファイナンスの実現に取り組んでまいります。お客様・パートナー企業・金融機関の皆さまにとって価値あるサービスをご提供させて頂きながら、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。

シェアリングエネルギーでは、「分散電源の創出により、エネルギーシステムを変革する」というミッションに共鳴し、共にチャレンジしてくれる仲間を常に求めています。スタートアップという環境には、既成の看板や手厚いサポートはありません。一方で、自ら手を挙げて動けば、領域を超えて挑戦できる機会や事業を前に進める実感を得られる場面は数多くあります。だからこそ面接の場では当社の魅力だけでなく、課題も含めたリアルな現状を包み隠さずお伝えし、入社後のミスマッチをなくすよう心がけています。

「どんな挑戦をしたいのか」「経験を活かして何を成し遂げたいのか」といった皆さんの「熱い想い」や「ありたき姿」もぜひ率直に聞かせてください。当社には、未整備の領域を自ら改善し、変革を起こすチャンスが数多くあります。変化を楽しみ、困難を乗り越えて何かを成し遂げたいという情熱を持つ方にとって、当社は大きく成長できる環境だと思っています。圧倒的なスピードでの成長を体現・体感しながら、次世代のエネルギーシステムを共に創り上げていきましょう。

プロフィール

アビームコンサルティング株式会社にて大手総合商社の経営改革プロジェクト等に従事した後、2008年、株式会社アイアンドシー・クルーズを設立、代表取締役に就任。トーマツ日本テクノロジーFast50で3年連続Top5を受賞。2018年1月に株式会社シェアリングエネルギーを設立。2020年2月、株式会社アイアンドシー・クルーズを株式会社じげん(東証一部)に譲渡、当社取締役ファウンダーに就任。2021年3月、当社代表取締役に就任。


(2)取締役CFO 田原 正崇 氏

調達に際してのコメント

昨年12月のシリーズC資金調達のファーストクローズに続き、この度長きにわたりご支援頂いている既存株主様3社に加え、多岐にわたる分野でご活躍の合計5社の新規投資家様よりご出資を賜り、心より感謝申し上げます。

今回の資金調達は、効果的な各種投資により当社の成長スピードを更に加速させるべく実施させて頂きましたが、当社事業の将来性や、分散型エネルギー社会への貢献に対して強いご期待を頂いている証であると考えております。

今後は「シェアでんき」の更なる品質向上および普及拡大を更に進めるとともに、より柔軟かつ拡張性の高いファイナンスの実現に取り組んでまいります。お客様・パートナー企業・金融機関の皆さまにとって価値あるサービスをご提供させて頂きながら、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。

プロフィール

公認会計士。神奈川県立横浜緑ヶ丘高校卒業。慶應義塾大学卒業後、EY新日本有限責任監査法人国際部、Ernst&Young LLP NewYork Officeにて計16年間勤務し、日本/米国/IFRSの会計監査、アドバイザリー業務、デューデリジェンス業務等に従事。その後、キングソフト株式会社にて執行役員CFO、Japan Taxi株式会社にて財務経理部長、Kyoto Robotics株式会社にて執行役CFOとして、経理財務、経営企画、人事、法務総務を統括すると共に、多数の資金調達、M&A案件、上場準備等に従事。Kyoto Roboticsのバイアウトミッションを終え、2021年4月よりシェアリングエネルギーに参画。

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調達の概要

プレスリリース
シェアリングエネルギー、総額8.62億円の資金調達を完了──累計調達額は276.52億円に
調達額
8.62億円
ラウンド
シリーズC
主な使途
サービス・プロダクトの機能強化
サービス・プロダクトのプロモーション強化
採用強化
投資家からの評価
第一生命ライフグループ 専門役員 オルタナティブ投資ユニット長 片岡正史氏
弊社は、長期的な資金供給を通じて、イノベーションの力により社会と暮らしを豊かにするスタートアップの成長を支援してまいります。シェアリングエネルギーは、住宅屋根置き型太陽光発電の第三者所有(PPA)モデルを通じて、初期費用の負担なく再生可能エネルギーを導入できる仕組みを構築し、全国のビルダーや施工会社と連携しながら着実に事業を拡大してきました。
住宅分野における脱炭素化やエネルギー自給率向上は、今後の日本社会において極めて重要なテーマであり、同社の取り組みは、エネルギー転換を生活者にとって身近で実装可能な形で推進するものと考えております。強固な事業基盤とファイナンススキームを背景にした高い成長ポテンシャルに加え、再生可能エネルギーの普及という社会課題の解決と持続的な企業成長を両立する点を高く評価し、今回の資金調達への参画を決定いたしました。
シェアリングエネルギーの挑戦が、より良い社会の構築に寄与することを、心より期待しております。
グローバル・ブレイン株式会社 Investment Group Director 鵜飼卓哉氏
日本が抱えるエネルギー自給率向上やGXという課題に対し、太陽光発電の普及を加速させ、エネルギーの地産地消を推進するシェアリングエネルギーの事業は、極めて高い社会的意義を有しています。同社は上村CEOを筆頭に高い専門性と実行力に優れたチームを擁し、住宅事業者との強固な連携を支えるオペレーションエクセレンスの構築を通じて急成長を遂げており、業界No.1の競争力があると確信しました。シェアリングエネルギーのさらなる成長にむけて全力で支援してまいります。
三井化学株式会社 新事業開発センターCVC部門統括 岡部晃博氏
このたびのシェアリングエネルギー社への投資を通じて、同社が取り組む再生可能エネルギーの普及や分散型電源の高度化に貢献できると考えております。
三井化学がこれまで培ってきた太陽光発電所の診断・解析に関する知見を生かし、シェアリングエネルギー社の事業拡大を支援していく所存です。
同社との連携を通じて、新たな価値創出を図り、持続可能なエネルギー社会の実現に貢献してまいります。
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主なサービス・プロダクト

シェアでんき

「シェアでんき」は、初期費用ゼロで太陽光発電システムを設置し、お得な料金で電気を利用できるPPA(電力販売契約)モデルを展開しています。契約期間中の保守・メンテナンスは所有者であるシェアリングエネルギーがすべて担うため、ユーザー様に手間や費用をかけることなく手軽に再生可能エネルギーを取り入れ、その普及を加速させることができます。

最大の特徴は契約終了後の「所有の民主化」にあり、システムはそのままユーザー様へ無償譲渡されます。譲渡後は発電した電気を無料で使えるだけでなく、余剰電力を売電して収入を得ることも可能です。さらに、停電時であっても太陽光が発電する日中の時間帯であれば、最大1,500Wまで非常用電源として電気を利用できるなど、次世代のレジリエンス(防災力)を備えた安心な暮らしを、家計に優しく実現する新しい仕組みを提供します。

サービスサイト

FastGrow編集部の注目ポイント

  • 高度な金融スキームの活用
    アセットマネジメントのような金融スキームを活用し、生活者がリスクなく再エネを使える構造を確立
  • 圧倒的なパートナー網
    全国1,900社超のビルダーと提携し、住宅購入時に「再エネが標準装備される」動線を構築
  • インフラの再定義
    単なる太陽光発電設備の設置に留まらず、分散電源を統合した新たなエネルギーマネジメントの基盤まで創出

こちらの記事は2026年04月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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