連載資金調達スタートアップのヨコガオ

「社会の毛細血管」にスマートメンテナンスを──半導体生産から重要インフラまでを“ミミズ型ロボ”で守り抜く、5.0億円調達のソラリスが描く「予防保全」のグローバル標準とは

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重要なのは、調達額の大きさ?バリュエーション?ラウンド?いやいや、スタートアップの資金調達とは、もっと奥深く、緻密で複雑なものである。

FastGrow編集部では、調達リリースを見るたび、その裏側について思いを巡らせ、その後のビジョンについて予測や仮説立てをしてきた。そのために知りたい情報を、ぜひ外部向けにも記事としてまとめてみよう──そんな想いで始まったこの連載。

今回は、2026年5月に5億円の資金調達を発表した株式会社ソラリスについて、その「横顔」をまとめる。

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FastGrow編集部が注目するポイント

注目ポイント1:社会の「毛細血管」を救う新市場の開拓

都市や工場などの社会インフラに無数に張り巡らされ、人手不足と老朽化により維持が困難を極める小口径配管。同社はこの「社会の毛細血管」に対し、世界唯一の技術で挑む。半導体生産などの基幹産業の稼働を守り、巨大なスマートメンテナンス市場を創出する。

注目ポイント2:世界唯一のミミズ型ロボと歴戦の経営陣

複雑な配管を走行・清掃するミミズ型ロボ『Sooha®』。大手やロボットベンチャーで豊富な実績を持つ経営陣が、中央大学発の高度な学術技術を強力に社会実装へ牽引。RaaS展開により、資金調達と同時に「国内大手半導体メーカーへの導入」も正式発表されるなど、その圧倒的な推進力に期待が高まる。

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代表を始めとした、同社のメンバーについて

(1)代表取締役CEO 市橋 徹 氏

調達に際してのコメント

工場や社会インフラで多く利用されている小口径配管は、清掃・点検などのメンテナンスが必須とされる中、人手に頼る作業はいまだ多く、労働環境や人手不足の問題も重なり、喫緊の課題を抱えています。

当社はこの課題に対して、ソフトロボティクス技術を活用した世界で唯一無二のソリューションとなるミミズ型管内走行ロボットSooha®の提供を2025年からRaaS(Robot as a Service)で開始し、既に複数の工場で活用されています。

Soohaの活用で小口径配管の清掃・点検を実現、さらに今後は配管のデジタルマップ化・配管内部の状態の可視化・将来予測なども実現、デジタルの中で常に配管状態を把握できる世界を実現し、半導体工場をはじめ多くの工場・社会インフラが抱えている課題を解決していきます。

今回の資金調達により、以下の施策を推進します。

  1. Soohaの複数モデルの開発を進め、対応できる配管サイズを拡大するなど、適用可能な環境を拡大していきます。
  2. 販売・施工メンテンナンス・製造装置などの様々な国内外企業との事業連携を進めることにより、事業を拡大させていきます。
  3. これらの施策を推進するために、エンジニアをはじめとする優秀な人材の採用を行います。

この度ご出資いただいた投資家の方々のご期待に応え、この未踏の領域に新たな市場を切り拓くとともに、世界の配管メンテナンスを支えるリーディングカンパニーを目指してまいります。

プロフィール

東京大学工学部卒業。大企業での経営経験と、複数のスタートアップをExit・成長を実現させたスタートアップ経営者

東芝で米国新規事業の立上げ・クロージングの現地責任者、及び事業部長・統括責任者等の経営幹部を歴任。その後ロボットベンチャーに転身。ZMPで取締役として事業拡大を牽引。イクシスでは取締役CSOとして12億円の資金調達、メルティンMMIでは取締役COO/CFOとしてM&AによるExitを成功。直近では売却先のFrontAct(住友ファーマ子会社)の取締役副社長としてPMIを主導。2025年5月、当社代表取締役CEOに就任。


(2)取締役COO 北林 綾子 氏

プロフィール

慶應義塾大学総合政策学部卒業。複数のスタートアップで戦略的アライアンスやJV設立による事業拡大のプロフェッショナル

東芝での営業・新規事業経験を経て、ロボットベンチャーに転身。ZMPにて丸紅とのJV立ち上げやデジタルハーツとのJV社長を歴任。イクシスでは鹿島建設、ENEOS、JFEエンジニアリング等の大手企業との資本業務提携を実現。メルティンMMIでのM&A Exit、FrontActでのPMI推進を経て、2025年に当社に参画。


(3)執行役員CTO 渡部 格生 氏

プロフィール

中央大学理工学部卒業。キヤノンで培った高度な技術開発と品質管理を、スタートアップで実装。

キヤノンにて、先行要素開発室長、R&D本部主幹研究員、調達本部取引先品質推進統括主幹などを歴任。研究開発から調達、品質保証まで、製造業における一気通貫を経験。2024年に当社に参画。

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調達の概要

プレスリリース
ミミズ型管内走行ロボットを開発・提供するソラリス、第三者割当増資で総額5.0億円の資金調達を実施
調達額
5億円
ラウンド
シリーズE以降
主な使途
サービス・プロダクトの機能強化
事業連携の強化
採用強化
投資家からの評価(抜粋)
Spiral Innovation Partners株式会社 Associate 石井 幹人氏
半導体などの基幹産業において、生産ラインの安定稼働と保守メンテナンスの効率化は、産業の持続可能性を左右する重要課題です。手作業に頼らざるを得なかった配管メンテナンスという難所において、独自のソフトロボティクスで挑むソラリス社の優れた技術力と顧客ニーズとの適合性を高く評価しています。
既に半導体工場で導入が進みつつある『Sooha』は、現場改善を加速させる実効的なプロダクトです。今回の出資を通じ、同社が国内外の未解決課題を解消し、グローバル標準を確立することを支援してまいります。
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社 投資担当マネージャー 川島 奈子氏
この度は、ロボットの経験豊富な経営陣が、小口径配管メンテナンスという独自の市場を開拓しつつある点を高く評価し、ソラリス社への出資に至りました。
現在省人化の流れは幅広い業界で進んでいますが、小口径配管はロボットが入り込めず、人の手によるメンテナンスが行われております。特に半導体製造では、小口径配管の汚れが生産に影響することもあり、大きな課題となっています。ソラリス社はまさに今、実際の半導体工場で、この課題を解決しようとしています。
ソラリス社が小口径配管スマートメンテナンスでニッチトップとなっていけるよう、力強く支援してまいります。
Abies Ventures株式会社:General Partner 長野 草太氏
半導体は国家競争力を支える基幹産業であり、その生産基盤の高度化・安定化は不可欠です。配管清掃・点検は生産継続に直結する必須業務でありながら、依然として人手依存が強い構造課題を抱えています。ソラリス社の『Sooha』は、独自技術によりこの領域に実装可能な解を提示する存在です。既に国内外の主要メーカーで実証・導入が進んでいる点は、技術的優位性のみならず、事業としての成立性を示すものと評価しています。
当社は本投資を通じて、製造インフラの高度化・安定化を支える同社の挑戦を後押しし、日本発の技術が世界標準となることを支援してまいります。
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主なサービス・プロダクト

ミミズ型管内走行ロボット「Sooha®(ソーハ)」

中央大学発の独自のソフトロボティクス・人工筋肉技術をベースに開発された、世界で唯一無二の管内走行ロボットです。

直径100mm以下の小口径配管において、複雑な曲がりや垂直登り、劣悪な汚れ環境でも安定した自律走行と清掃・点検を実現します。

ハードウェアの提供に留まらず、RaaS(Robot as a Service)モデルとして展開。さらには配管のデジタルツイン(可視化・将来予測)までを見据え、半導体工場をはじめとする社会インフラのスマートメンテナンスを強力に支援します。

すでにその実効性は高く評価されており、2026年5月には「国内大手半導体メーカー」への正式導入を発表。現場の安定稼働を支える強力なソリューションとして、社会実装が加速しています。

サービスサイト

FastGrow編集部の注目ポイント

  • 唯一無二の走破性
    従来のロボットでは進入不可能だった、100mm以下の複雑に曲がりくねった小口径配管や垂直配管を、しなやかな「ミミズ型」の動きで完全に走破。
  • 配管内部データの民主化
    これまでブラックボックスだった配管の内部状態を可視化・デジタルマップ化し、誰でも常に状態を把握して突発トラブルを防げる環境を構築。
  • デジタルツインへの拡張
    単なる「清掃・点検ロボット」に留まらず、管内データの収集を通じて配管の将来予測を実現し、インフラ全体のDX(デジタルツイン)を推進。

こちらの記事は2026年05月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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