連載資金調達スタートアップのヨコガオ

ARR前年比1,230%成長のSCMスタートアップ、17億円調達──株式会社リチェルカ

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重要なのは、調達額の大きさ?バリュエーション?ラウンド?いやいや、スタートアップの資金調達とは、もっと奥深く、緻密で複雑なものである。

FastGrow編集部では、調達リリースを見るたび、その裏側について思いを巡らせ、その後のビジョンについて予測や仮説立てをしてきた。そのために知りたい情報を、ぜひ外部向けにも記事としてまとめてみよう──そんな想いで始まったこの連載。

今回は、2026年4月に資金調達を発表した株式会社リチェルカについて、その「横顔」をまとめる。

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FastGrow編集部が注目するポイント

注目ポイント1

代表が別途経営するバイク輸入商社で社員も実務を行い、現場の「痛み」を肌感覚で理解する高い解像度

注目ポイント2

難易度の高い大企業向けで、ARR前年比1,230%の急成長実績

注目ポイント3

コンサル×プロダクト×BPOの三位一体で、泥臭い実務代行まで一気通貫

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代表を始めとした、同社のメンバーについて

(1)代表取締役CEO 梅田 祥太朗 氏

調達に際してのコメント

この度、弊社のビジョンとビジネスを信じていただいた皆様に、まずは感謝申し上げます。インターネットの波に並ぶ、世の中の形を大きく変えるAI時代に、皆様と一緒に事業を推進できることに非常にワクワクしております。

国産ERPの提案を通じて、標準化が大きな価値を生む一方、どうしても標準化しきれない業務が現場に残り続ける現実を見てきました。その後、AIを数千社に届ける経験をし、自らオートバイの輸入業を営む中で、ERPが届かない現場にこそ人の判断と手作業が詰まっていることを知りました。創業以来、その現場に入り込み、お客様と共にプロダクトを磨いてきた3年間が、今のRECERQAの土台になっています。

この原体験が重なり、「AIが業務を自律的に遂行する新しいERPを作るべきだ」という確信が生まれました。人がシステムに合わせるのではなく、システムが業務に合わせる。それがAgentic ERP「RECERQA」であり、私たちが実現したい未来です。

この挑戦を、最高の仲間と、素晴らしいお客様と、投資家・金融機関の皆様と進められることを心から嬉しく思います。受発注領域から、日本の企業活動を変えていきます。

プロフィール

大学卒業後、株式会社みずほ銀行を経て株式会社ワークスアプリケーションズにて国産ERP「COMPANY」「HUE」の会計・SCM領域の営業に従事。最年少マネージャーとして、総合商社グループ、大手製造業、物流企業等を支援。2017年11月、AI inside 株式会社に入社。2019年4月より同社執行役員CROとしてビジネスを管掌し、IPOを実現。その後、東京大学エッジキャピタル(UTEC)のベンチャーパートナーとして出資先のAIやIoTスタートアップ企業の支援に従事。2021年に株式会社HashPortに取締役COOとして参画し、ブロックチェーン・NFT事業のBtoBビジネス立ち上げ、IPO準備、組織拡大をリード。2022年4月、当社設立。2022年6月、イタリア製オートバイの輸入業を営む株式会社うえさか貿易を事業継承し、同社代表取締役社長に就任。


(2)共同創業者 取締役COO 幸田 桃香 氏

プロフィール

2012年株式会社ワークスアプリケーションズにて法人営業、AI搭載型ERP「HUE」の新規事業推進チームのマネジャーに。その後、株式会社ユーザベースグループの「FORCAS」でSaaSセールスの経験を経て、AI inside株式会社に入社。ビジネス企画部長として、アライアンス、マーケティングの責任者として従事。2021年には株式会社HashPortにPR、マーケティング責任者として参画。リチェルカではCOOの職務と併行して製品開発、導入プロジェクトをマネジメントする。


(3)執行役員CTO 平松 拓 氏

プロフィール

京都大学大学院修了。株式会社フリークアウトにて広告配信システム開発・新規事業立ち上げに従事。2020年、株式会社カケハシに参画し、AI在庫管理システム「Musubi AI在庫管理」の立ち上げをリード。その後、新規プロダクト開発チームのシニアエンジニアとして複数の事業開発を推進。2026年、株式会社リチェルカに執行役員CTOとして参画。

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調達の概要

プレスリリース
株式会社リチェルカ、シリーズAラウンドで総額17億円の資金調達を実施— 累計調達額20億円。受発注領域を最適化するAgentic ERP「RECERQA」の本格展開を加速 —
調達額
総額17億円
ラウンド
シリーズA
主な使途
受発注領域を最適化するAgentic ERP「RECERQA」の製品開発強化
AIエンジニア・FDEを中心とした組織拡大
大手製造業・商社を中心とした本格的な事業展開
投資家からの評価
Angel Bridge株式会社 パートナー 林正栄 氏(リード投資家/社外取締役)
リチェルカが取り組む受発注・サプライチェーン領域は、あらゆる産業の根幹でありながら、依然として属人性や非効率が残る巨大な未解決市場です。同社はこの構造課題に対し、データの正規化から業務判断・実行までを一貫して担う、新たな業務基盤の構築に挑んでいます。
創業者の梅田氏は、ERP導入現場と実業の双方を深く理解しており、その経験に裏打ちされたプロダクト思想と実装力は極めて稀有です。既に大手企業との実証を通じて有効性が確認されている点も高く評価しています。
今後は社外取締役として、プロダクトの高度化とエンタープライズ展開を支援し、リチェルカが日本発で次世代のERPのあり方を提示し、産業全体の生産性向上に貢献していくことを期待しています。
Angel Bridge株式会社 シニアアソシエイト 三好洋史 氏(リード投資家)
企業間取引の現場には、フォーマットの不統一や業務の属人化といった構造的非効率が残り続けています。特に、紙や非定型帳票が中心でデータ化自体が困難だった領域は、これまでDXの進展から取り残されてきました。リチェルカは、高精度なOCR技術を起点にこうした領域のデータ化を可能にし、本質的な業務変革に踏み込んでいる点に大きな可能性を感じています。
加えて、AI insideでのOCR領域、ワークスアプリケーションズでのERP領域の知見を併せ持つ経営陣が、ドメイン理解と高い事業推進力をもってこの難易度の高い領域を突破している点も高く評価しています。導入を通じて蓄積される業務テンプレートが横展開の再現性を高め、競争優位が積み上がっていく構造にも強い魅力を感じています。
受発注領域における新たなスタンダードを確立する挑戦を、ぜひご一緒していきたいと考えています。
株式会社ジェネシア・ベンチャーズ 黒崎直樹 氏(既存投資家)
この度シードラウンドに引き続きSeriesAラウンドでも追加出資をさせて頂きました。
SCM領域のERP構築という難易度の高い山に挑戦中ですが、AIの先端テクノロジーと強度の高い組織カルチャーの両輪が同時に回り出し、アクセル全開で走り出す準備が整いました。
AIの社会実装が本格化する中でソフトウェア価値の前提条件はとても速いスピードで変化しており、セキュアな記録機能を前提にし、AIによる高い付加価値創出が求められる時代です。AI駆動プロダクトであるRECERQAはテクノロジーの波に全面適応し、AI時代のSCM ERPの在り方を具現化していく存在です。
SaaSと比較して役務提供が広範な分、ERPやパッケージビジネスの国内市場は今後も巨大であり続けると信じており、市場の勢力図が大きく塗り替えられるタイミングだと捉えています。同社はその一角を担う存在になると強く信じ、今後も継続的な支援に取り組む所存です。GO RECERQA!
New Commerce Ventures株式会社 代表パートナー 大久保洸平 氏(既存投資家)
初回出資以降、リチェルカ社は組織・事業の両面で着実に進捗を遂げており、梅田さん、幸田さんをはじめとするチームの実行力と成長を間近で見てきました。そして今回CTOとして平松さんが加入されたことで開発体制が一段と強化され、非常に心強く感じています。サプライチェーン領域におけるAIネイティブなERP構築という壮大なビジョンが、着実に形になりつつあることに大きな手応えを感じています。
コマース領域のサプライチェーンマネジメントは、企業経営の背骨とも言える広範かつ複雑な分野であり、だからこそAIネイティブなアプローチで再定義する意義は計り知れません。今回の調達を通じて、リチェルカ社が次のステージへとさらなる飛躍を遂げることを確信しています。New Commerce Venturesとして、引き続きチームリチェルカと共に歩み、全力で支援して参ります。
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主なサービス・プロダクト

Agentic ERP「RECERQA」

在庫・仕入・販売を一元管理し、サプライチェーン全体の効率化と最適化を実現するソリューションです。

サービスサイト

FastGrow編集部の注目ポイント

  • 独自の4層アーキテクチャ。リチェルカが開発した「Quattro」により、ユーザはAI構築に時間をかけることなく、業務に最適化された仕組みを使い始められる
  • AIエージェント単体ではなく、データ基盤・業務ルール・エージェント・実行環境を統合し「自己完結型の業務ソリューション」として設計。これにより、各導入企業の固有ルールを保持し、自己改善し続けることで、常に最適化された業務プロセスを実現
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採用関連情報

主な募集ポジション
FDE(Forward Deployed Engineer)
Senior Software Engineer
プロセス変革コンサルタント

こちらの記事は2026年04月09日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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