連載資金調達の週報

尿から健康に必要な栄養バランスを測定する
ユカシカドが総額約15億円を資金調達──押さえておきたい資金調達ニュース

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「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowは、さまざまなコンテンツを通して、いま注目すべき次世代の成長企業と出会う機会を提供している。

『資金調達の週報』では、編集部が厳選したスタートアップの資金調達ニュースをまとめてお届け。資金調達の様子を定点観測していれば、次の成長企業が見えてくるはずだ。今週は7社をピックアップした。

2020年12月21日〜2021年1月10日分 過去の週報はこちら

  • TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
  • EDIT BY YUI TSUJINO
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ユカシカド:一人ひとりにあった栄養改善体験

株式会社ユカシカド

資金調達概要

調達額
総額約15億円
調達先
株式会社前澤ファンド
日本政策金融公庫

サービス概要

尿から栄養検査・栄養改善に関する“ソリューション”を総合的に展開する、ユカシカド

現代、多くの人が偏食/過食/欠食などを要因とした栄養課題を抱えているという。そこでユガシカドは、栄養検査により栄養バランスを定量的に測定し、適切な栄養改善をサポートする。

現在3つのサービスを展開している。『VitaNote(ビタノート)』『VitaNote Quick(ビタノートクイック)』は、尿から栄養推定吸収量や栄養バランスを測定するパーソナル栄養検査セット。

VitaNote FOR(ビタノートフォー)』は、検査結果からオーダーメイドでつくるサプリ。

今回の資金調達により、大規模プロモーションの実施やパーソナライズされた栄養改善体験の進化、人材採用による組織力強化/研究開発の推進をおこなう予定だという。

「ホテルの一室をお借りして受託業務の傍らステルスでサービスを開発。色々な人に白い目で見られながらも自分たちと仲間と未来を信じて走ってきた6年間です。」そう語るのは、代表 美濃部慎也氏だ。美濃部氏が同社を創業して7年目で何を思うのか詳細に記されたnoteをぜひご覧いただきたい。

会社設立から6年間を一気にまとめてみました。

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KURASERU:要介護者と介護施設をマッチング

株式会社KURASERU

資金調達概要

調達額
非公開
調達先
株式会社前澤ファンド

サービス概要

退院後や在宅療養が困難な要介護者と介護施設をマッチングするサービスを展開する、KURASERU

現在3つのサービスを展開している。『SAGASERU by KURASERU』は、介護施設は入居希望者にダイレクトオファーをオンライン上で行う事が可能なマッチングサービス。

医療介護コンシェルジュサービスは、KURASERUコンシェルジュが介護施設検討者に向けに、介護保険、身体状況、家族の意見など付随する悩み相談を行い、その人にあった介護施設を提案する。

入院連携シート作成ツールは、入院時に担当ケアマネージャーが、入退院連携シートをオンラインで容易に作成できるサービス。今回の資金調達により、営業体制の強化やサポート体制の強化、サービス対応エリアの拡張をおこなう予定だという。

代表 川原 大樹氏は、医療・介護の現場で起きている介護・看護疲れによる自殺や心中、過酷な老介護で起こる事故など悲惨な課題を解決すべく、ITを活用した介護施設マッチングサービス同社を起業したという。

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アングラーズ:釣りを楽しく、面白く

株式会社アングラーズ

資金調達概要

調達額
非公開
調達先
株式会社前澤ファンド

サービス概要

魚釣りSNS『アングラーズ』を展開する、アングラーズ

『アングラーズ』は「釣り道具」や「いつどこで何を釣れたか」を釣れた魚を写真に撮るだけでそういった釣果情報を簡単に記録することができる。

取得できる釣果情報は、写真撮影をした場所の位置情報や時刻や日付だけではなく、気温や風速、気圧、タイドグラフなど。写真を撮るだけで、誰でも簡単に釣果を記録できる。

今回の資金調達により、マーケティングや既存事業の開発だけでなく、主に人材の採用をおこなう予定だという。

代表 若槻 嘉亮氏は、大学を卒業後、IT関係の企業に勤務していましたが、特定の領域で成果を上げるような人材になるよりも、どんな場所でも事業を興すことができる力を身につけたいと思い、同社を創業したという。

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ラフール:従業員のメンタルを知り、組織を強くする

株式会社ラフール

資金調達概要

調達額
12.3億円
調達先
i-Lab3号投資事業有限責任組合
Aslead Capital Pte. Ltd.
AGキャピタル株式会社
株式会社ゼンリンデータコム
個人投資家
など

サービス概要

従業員のメンタルヘルス診断ツール『ラフールサーベイ』を展開する、ラフール

『ラフールサーベイ』は、通常のストレスチェックだけでは見えづらい心の状態が可視化することで、従業員が安心して働ける職場環境をつくり、人材の定着と組織改善に繋げる。

最大の特長は、約3,000社の従業員18万⼈以上のメンタルヘルスデータから、⼤学や臨床⼼理⼠の知⾒を取り⼊れた独⾃の調査項⽬を従来のストレスチェックに追加。よって、多⾓的な分析が可能になっている。

今回の資金調達により、『ラフールサーベイ』のプロダクト開発、セールスマーケティング活動、カスタマーサクセス体制やコーポレート機能をさらに充実させる予定だという。

「働き方が多様化するこれからの社会においては、自社にどんな思想をもった社員がいるのか、どんな価値観のもとで働いていているのか、どのようなコミュニケーションが起きているのかなど、組織状態の把握をしなければなりません。」そう語るのは、代表 結城啓太氏。なぜ同社を創業したか詳細に記されたnoteがあるのでぜひご覧いただきたい。

代表結城が語る『ラフールサーベイ』への想い

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おてつたび:地方の人材不足を旅人が解決

株式会社おてつたび

資金調達概要

調達額
非公開
調達先
株式会社NOW
栖峰投資ワークス株式会社
地域創生ソリューション株式会社
食の未来ファンド(kemuri ventures)
第一勧業信用組合
フューチャーベンチャーキャピタル株式会社
小林 俊仁氏
など

サービス概要

旅先で地域の困りごとをお手伝いすればするほど旅費がリーズナブルになるマッチングプラットフォーム『おてつたび』を展開する、おてつたび

『おてつたび』は、地域の人手不足等の困りごと(収穫時の農家やハイシーズン時の宿泊施設等)をお手伝いする事により報酬を得ながら旅行をする事が可能なため、行きたかった地域にいく際のボトルネックになりがちな旅費を軽減する事が可能な点が特徴。

お手伝いを通じて地域の方と関係性を作ることにより全体の6割の人たちが再び同じ地域へ訪れいるという。

今回の資金調達により、サービスの拡大、機能追加を積極的に行う予定だという。

代表 永岡里菜氏は、三重県の尾鷲市(おわせし)という地域出身。そこで感じた人手不足を解決するため同社を創業した。永岡氏のサービスに対する熱い気持ちがまとめられたnoteがあるのでぜひご覧いただきたい。

おてつたび、という会社について

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グリラス:新たなタンパク源としてのコオロギ

株式会社グリラス

資金調達概要

調達額
総額2.3億円
調達先
Beyond Next Ventures
産学連携キャピタル(AIAC)
HOXIN株式会社
など

サービス概要

食用コオロギ量産の自動生産システム開発に取り組む、グリラス

今後30年で20億人の増加が見込まれており、急激な人口増加に伴った飢餓や栄養不良といった食料問題への対応が緊急課題と言われている。と言われているそうだ。その中でタンパク質をはじめ多くの栄養素が含まれている昆虫食への関心が高まっている。

特にコオロギは、他の畜産に比べ生産する過程で必要となる飼料やその食品残渣、生育のために必要な水分が極めて少なく、環境への負荷も低いことから、近年注目を集めている。

そこでグリラスは食用コオロギの量産の自動生産システム開発に取り組み、世界規模の課題解決に取り組んでいる。

今回の資金調達により、食用コオロギを量産する自動生産システムの導入を進めることで、食用コオロギの量産体制の構築・強化をおこなう予定だという。

代表 渡邉 崇人氏は、昆虫の発生·再生メカニズムの専門家であり、コオロギの大規模生産・循環エコシステムの開発を行う。徳島大学大学院社会産業理工学研究部・助教という経歴を持つ。

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コールドクター:夜間・休日でも気軽に往診を

株式会社コールドクター

資金調達概要

調達額
総額2億円
調達先
株式会社サイバーエージェント
XTech Ventures株式会社等
など

サービス概要

夜間・休日の往診サービス『コールドクター』を運営する、コールドクター

『コールドクター』は、健康保険が適用可能な夜間・休日の往診サービス。アプリで簡単に予約でき、最短30分でご自宅へ医師が診察。その場で薬を渡すことが可能。『コールドクター』には、医療機関との連携により約100名の医師が登録しており、急な体調不良時にも安心して相談可能。

今回の資金調達により、東京・神奈川・福岡・佐賀に続くサービス提供エリアの拡大、新型コロナウイルスで利用者が増える中での安定した事業基盤の強化、そのための採用強化等に取り組み、サービスの向上を目指していく予定だという。

こちらの記事は2021年01月13日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

小酒井 圭祐

国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。

編集

辻野 結衣

1997年生まれ、東京都在住。関西大学政策創造学部卒業し、2020年4月からinquireに所属。関心はビジネス全般、生きづらさ、サステナビレイティ、政治哲学など。

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