連載資金調達の週報

スタートアップのファイナンスを法人カードで支える
UPSIDERが総額約10億円を資金調達──押さえておきたい資金調達ニュース

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「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowは、さまざまなコンテンツを通して、いま注目すべき次世代の成長企業と出会う機会を提供している。

『資金調達の週報』では、編集部が厳選したスタートアップの資金調達ニュースをまとめてお届け。資金調達の様子を定点観測していれば、次の成長企業が見えてくるはずだ。今週は4社をピックアップした。

2021年3月8日〜2021年3月14日分 過去の週報はこちら

  • TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
  • EDIT BY YUI TSUJINO
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UPSIDER
上場を目指す企業向け法人カード

株式会社 UPSIDER

資金調達概要

調達額
総額約10億円
調達先
DNX Ventures​
ANRI​
Global Brain​

サービス概要

上場を目指す企業を主要ターゲットに、独自の法人カードを発行する、UPSIDER

成長著しいが十分に法人カードを利用してこなかったベンチャー企業に対して、同社は最大1億円の利用限度額法人カードを提供。また、効率的な支出管理やガバナンスに欠かせない機能を提供。会計SaaSなどの周辺サービスとの連携により、会計処理や支払い管理などの財務や業務をスムーズにする。

今回の資金調達により、サービス進化や採用への注力、ユーザー拡大など全方位に取り組んでいく予定だという。

代表 宮城 徹氏は、マッキンゼー・アンド・カンパニー東京支社・ロンドン支社にて、銀行オープンAPI等のデジタル戦略策定、手数料体系や店舗配置の最適化等、大手金融機関の全社変革プロジェクトに携わった経験を持つ。

宮城氏のTwitterアカウント

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Oishii Farm
アメリカの植物工場で日本の高品質農産物を

Oishii Farm

資金調達概要

調達額
総額約55億円
調達先
未来創⽣2号ファンド(トヨタ⾃動⾞及び三井住友銀⾏出資)

サービス概要

日本人CEOが経営するニューヨーク発の植物工場スタートアップ、Oishii Farm

現在の主力作物はいちご。自社開発した世界最先端の自動気象管理システム(気温・湿度・二酸化炭素・風・日長・光の波長・培地・灌水等の完全制御)により、圧倒的なスピードで植物研究開発を継続中。

収穫したいちごの中でも最高品質のものを詰め合わせた『Omakase Berry』も展開。現在は収量が限られているため主にD2C販売を行っているが、今後の増産分に関してはマンハッタンにある高級スーパーへ展開を予定している。

今回の調達資金により、世界最大のいちごの植物工場の建設を完了。さらに、世界進出を進める予定だという。また、生産の自動化とCO2排出ゼロを目指した次世代工場の開発にも取り組む。

代表 古賀 大貴氏は、コンサルティングファームを経て、UCバークレーでMBAを取得。在学中に同社を設立し、日本人として初めて同大学最大のアクセラレーターであるLAUNCHで優勝した経験を持つ。

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Allganize
従業員の業務を削減するAIチャットボット

Allganize, Inc.

資金調達概要

調達額
総額10億円
調達先
Atinum Growth Fund 2020
Smart Korea Naver-Stonebridge Rising Fund
株式会社三井住友銀行
KDDI Open Innovation Fund 3号
Sparklabs Ventures Ignition Fund, LP

サービス概要

米日韓において高度な自然言語理解・ディープラーニング技術をベースに企業向けAIソリュ ーションを展開する、Allganize, Inc.

Allganizeの主要サービスは以下の2つ。

・『Alli(アリィ)

AIが音声やチャットで、従業員からの問い合わせ対応やレポーティングを自動化。業務を効率化する。従業員がメイン業務に集中できる環境を構築。

・『Cognitive Search(認知検索)

エンドユーザーの自由入力による問い合わせや質問に対して、規約・マニュアル・ガイドなどのドキュメントから機械読解等のAI技術が直接回答を探し出し、エンドユーザーに提示。

今回の資金調達により、AIソリューションの更なる高度化、そしてグローバル展開を加速、AI人材の積極採用をおこなう予定だという。

日本法人代表 佐藤 康雄氏は、大学卒業後、Yahoo! JAPAN、楽天、nifty等に在籍。その後、韓国5Rocks社の日本代表を歴任し、事業売却を経験。2017年、仲間とサンフランシスコにてAllganizeを設立。

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ハッチ・ワーク
月極駐車場のDX推進化を図る

株式会社ハッチ・ワーク

資金調達概要

調達額
総額10億円
調達先
イノベーション・エンジン株式会社
株式会社環境エネルギー投資
みずほキャピタル株式会社
株式会社クラウドワークス
株式会社ベクトル

サービス概要

月極駐車場の管理効率化とユーザーの利便性向上を図るプロダクトを展開する、ハッチ・ワーク

現在、以下2つのサービスを展開している。

・『at PARKING

月極駐車場情報を約35,000箇所(約52万台分)掲載する、月極駐車場検索ポータルサイト。現在、年間問い合わせ数60,000件以上、月間PV数150万以上。これまで累計約26万件の月極駐車場探しをサポート。

・『at PARKING月極パートナーシステム

月極駐車場のオンライン検索、ハンコ不要のオンライン契約が可能になるクラウドによる月極駐車場管理システム。

今回の資金調達により、『at PARKING 月極パートナーシステム』の新サービス設計やシステム開発、営業体制及びマーケティングの強化、他業種との連携をおこなう予定だという。

代表 増田 知平氏は、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社グラントコーポレーションを経て現在の株式会社ハッチ・ワーク(旧社名:アットオフィス)に入社。その後、同社内の事業承継で同サービスの代表を務める。

こちらの記事は2021年03月17日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

小酒井 圭祐

国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。

編集

辻野 結衣

1997年生まれ、東京都在住。関西大学政策創造学部卒業し、2020年4月からinquireに所属。関心はビジネス全般、生きづらさ、サステナビレイティ、政治哲学など。

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