連載ベンチャー人事報

【ベンチャー人事報Vol.19】三菱UFJ銀のアジア戦略企画ヘッド、スタートアップへ転身──22年4~5月の注目人事情報

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ベンチャー・スタートアップの成長に影響する変数はさまざまあれど、最も重要なものは果たして何か。

それを「人」に見るのがFastGrowだ。月刊で「ベンチャー界隈の注目すべき人事情報」として、転職や異動、その他人事施策を取り上げていく。企業のスケールを推進するのは、起業家や事業家だけではない。対象は幅広く扱う。

第19回目となる今回、取り上げたのは、下野弘雅氏、辻和幸氏、藤﨑研一朗氏、森本千賀子氏、大谷真史氏の計5氏。

  • TEXT BY MISATO HAYASAKA
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三菱UFJ銀のアジア戦略企画ヘッド下野氏、UPWARDのCSOへ

メガバンクの大物戦略家が、セールスエンゲージメントサービスを展開するUPWARDにジョインした。三菱UFJ銀行の戦略企画で敏腕をふるった下野弘雅氏だ。セールスエンゲージメント領域のリーディングカンパニーを目指す同社で、Chief Strategy Officer(最高戦略責任者)を務める。さらなる事業拡大と企業価値の最大化を狙うための招聘だ。

下野氏は2005年に三菱UFJ銀行に入社し、外国為替トレーディングや市場部門の戦略企画業務に従事した。国内のみならずアジアの市場ビジネスの戦略策定を得意とする。

参画に際し、「UPWARDが先駆者として取り組むセールスエンゲージメントの領域は、国内外を問わず今後営業現場のDXの本丸になると見込まれます」とコメント。「DXの本丸」と力強く語る事業をいかにして加速させるのか、注目だ。

下野 弘雅氏
一橋大学→三菱UFJ銀行→UPWARD CSO(2022年4月)
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HashPort、新組織体制と会社分割を発表

もはや目にしない日はない「Web3」というワード。勢いが止まらないのはブロックチェーン領域のコンサルティングや製品開発などを手掛けるHashPortだ。4月には執行役員VPoEとして開発をリードしてきた林孝之氏が取締役CTOへ。さらには、社外取締役に元Bain Capital Japanの田中宏延氏が就任した。これらの体制強化で「何かが起こるのでは?」と予感したビジネスパーソンも多かったはずだ。

満を持して発表されたのが、会社分割による新たな子会社、HashBankの設立。同社はHashPortのウォレットシステム事業を承継し、暗号資産の安全な決済に関するトータルサービスを展開する。代表取締役CEOはHashPort取締役CBDO(最高事業開発責任者)を務める辻和幸氏が兼任。辻氏はFinTech領域において国内トップクラスの知見を有する人物である。

「デジタル通貨やNFT、メタバースなどブロックチェーン技術の活用領域の拡大と共に、産業や生活様式におけるパラダイムシフトの可能性が、少しずつ現実になってきていると感じています」。辻氏のコメントには共感せざるを得ない。Web3時代の到来は、確実に我々の生活にインパクトを与えていく。同社の動向を引き続きチェックしよう。

辻 和幸氏
ヤフー→みずほ銀行→pring(2021年7月にGoogleが買収)取締役→ディーカレット→HashPort取締役CBDO(2022年1月)
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CAMPFIRE、元メルカリ執行役員の藤﨑研一朗がCOOに就任

日本を代表するクラウドファンディング・プラットフォームのCAMPFIRE。代表取締役の家入一真氏のツイートには「大胆に攻めていきます」という言葉が。

元メルカリ執行役員の藤﨑研一朗氏がCOOに就任したのだ。藤﨑氏はアプリ開発に強みを持ちつつも、組織作り、マーケティングなど多岐にわたって活躍してきた、正真正銘のオールラウンダーだ。メルカリ、ソウゾウでは執行役員として主に新規事業開発を担当。同氏が長年培ってきた経験はCAMPFIREの事業成長を牽引するに違いない。

併せて、CxO職の拡充、共同CEO体制や上級執行役員制度が導入された同社。共同CEOには、代表取締役Co-CEOに家入一真氏、取締役Co-CEOに中島真氏が就任。新たな経営体制にシフトチェンジしたCAMPFIREに引き続き注目したい。

藤﨑 研一朗氏
アビームコンサルティング→DeNA→コミュニティファクトリー取締役兼COO→ヤフー→動画関連スタートアップCOO→メルカリ/ソウゾウ執行役員→CAMPFIRE COO(2022年4月)
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森本千賀子氏SHE・コクーの社外取締役へ

女性活躍、ダイバーシティ推進に関心が集まる昨今。「女性活躍推進法」の改正により、中小企業も大企業レベルで女性活躍に取り組むよう義務づけられている。そんな時代背景のもと脚光を浴びるのは、キャリア支援のプロフェッショナルであるmorich代表取締役の森本 千賀子氏だ。

25年間リクルートに在籍し、人材戦略コンサルティング、採用支援、転職支援の経験を積んできた。在職時に設立したmorichでは、転職エージェントの枠を超えた「オールラウンドエージェント」として活動し、のちに独立。2022年にはテレビ東京『ガイアの夜明け』にも出演した。直近では、働く女性のための統合プラットフォームを運営する SHE、人財×デジタル事業のコクーで社外取締役に就任。

森本氏のウェブサイトの記載から、理事や社外取締役、顧問などの立場でかかわる企業・団体は約50にのぼることがわかる。引っ張りだこ、という言葉がまさに相応しい森本氏。同氏の活躍によって各社がどのように変化するのか、気になるところだ。

森本 千賀子氏
リクルート人材センター(現リクルート)→リクルート在籍時にmorichを設立→独立
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トリニティ・テクノロジー大谷 真史氏がCOOに就任、CTOと兼務へ

CxOの兼務は、特段珍しいトピックではないだろう。しかし、COOとCTOの兼務は少々耳新しい。

トリニティ・テクノロジーは、高齢者の財産管理を安心・便利に行う『スマート家族信託』を提供。同社で取締役CTOを務めるのが大谷真史氏だ。東京大学大学院工学研究科在学中には東大最優秀賞受賞。FiNCを経て、BuySell Technologies取締役CTOに就任。独立後は、PR TIMES社外CTOなど、ベンチャーから大手まで幅広く社外CTOや技術顧問を歴任した。

2021年にはトリニティ・テクノロジーの取締役CTOに就任したが、その活躍は開発にとどまらず、マーケティング、広報PR、採用などの幅広い分野で事業をリードした。そして今回、COOに抜擢された。

大谷氏は「スタートアップにおいてCOOとCTOを兼任するということ」というタイトルでnoteも公開。兼任の経緯には意外な理由があった。他の経営陣が対応できない落ちているボールを拾い続けた結果「なんでもやってくれるCTO」として社内に認識されるようになった、と語る大谷氏。しかし、オーナーシップ観点での課題も浮き彫りになったという。COO兼任までの背景に興味を持った読者は併せて読んでみてほしい。

大谷 真史氏
FiNC→BuySell Technologies取締役CTO→fundbook取締役CTO→独立→株式会社PR TIMES社外CTOなど→トリニティ・テクノロジー取締役CTO→取締役COO兼CTO就任(2022年4月)
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旅のサブスク『HafH』、アフターコロナを見据えグローバルチーム発足

「アフターコロナ」というワードから、「旅」へ思いを馳せる読者は少なくないだろう。旅のサブスク『HafH』を提供するKabuK Styleが、海外旅行需要回復を見込んで急発進した。

コロナ禍以前は海外宿泊が30%以上を占めたという同社だが、この2年は海外事業拡大の足止めを食らっていた。今回、アフターコロナに向けてグローバル戦略チームの立ち上げを発表。ホテル業界で豊富な経験を積んだディレクターを新たに迎えた。海外事業チーム責任者兼執行役員の矢内寿枝氏は、ホスピタリティ業界で20年以上の経験を積み、セールス&マーケティング、PRなどを歴任してきた人物だ。

グローバル戦略チームでは、日本の旅行客に人気の台湾、韓国などの拠点拡大や、海外旅行客の受け入れを再開した東南アジアへ展開していく。中長期的には欧米各国への進出も見据えているという。旅行市場の発展と同社の動きに今後も期待したい。

こちらの記事は2022年05月18日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

早坂 みさと

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