連載資金調達の週報
地域のパン屋とパン好きをつなぐサービスから、株価連動のポイント投資サービスまで──押さえておきたい資金調達ニュース【〜10月7日】
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。
全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週は日本から4社をピックアップした。
2018年10月1日〜2018年10月7日分
- TEXT BY MASUMI OSAKI
- EDIT BY TOMOAKI SHOJI
STOCK POINT:株価に連動したポイント投資サービス

資金調達概要
調達額 |
---|
2億円 |
調達先 |
---|
クレディソン |
サービス概要
企業の株価に連動するポイント投資アプリ「StockPoint」を開発。
StockPointは、商品やサービスの購入で付与されたポイントをストックポイントに交換することで、現金や証券口座を用意することなく疑似投資ができるサービスだ。現在は「ドットマネー by Ameba」やクレディセゾンの「ポイント運用サービス」と連携。それぞれのポイントをStockPointへ交換し、対象となる各銘柄に投資をする。
投資したStockPointは株価に連動して毎日価値が代わり、元のポイントに戻して買い物をしたり、実際に株式に変更したりすることもできる。
今回調達した資金を活用して、新銘柄の追加やアプリの改善などに取り組むという。
パンフォーユー: 地域のパン屋とパン好きをつなぐサービス

資金調達概要
調達額 |
---|
非公開 |
調達先 |
---|
F Ventures |
紀信邦氏 |
佐藤裕介氏 |
正林真之氏 |
千葉久義氏 |
山口豪志氏 |
サービス概要
地域のパン屋とパン好きをつなぐプラットフォーム「パンフォーユー」を運営。
パンフォーユーは独自の基準で選定したベーカリーのパンを冷凍して宅配するサービスだ。もともとは個人向けにパンのオーダーメイド宅配サービスを展開する会社としてスタートした後、「パン好きの消費者はいろいろなパンを食べたいという気づき」から現在のように複数のベーカリーが参加するプラットフォームへと変更したという。
9月には同様のサービスを法人向けに展開する「パンフォーユー・オフィス」も開始。今回の資金は、サービス構築や運営体制の強化に向けたものだ。
Lbose : 個人が活躍する時代のプロジェクトシェアサービス

資金調達概要
調達額 |
---|
非公開 |
調達先 |
---|
ANRI、他1社 |
サービス概要
フリーランスなどの個人がプロジェクトをシェアできるプラットフォーム「TEAMKIT」を運営。
TEAMKITは「仕事の依頼が多くきているが、 1人では抱えれきれない」「もっと大きなプロジェクトにも挑戦したいけど、1人でやれることには限界がある」といった悩みを抱えるフリーランスをサポートするためのサービスだ。
具体的にはプロジェクトの仲間を募集したり、他のユーザーがシェアしたプロジェクトに参加することが可能。「Whoop」という他己紹介機能が大きな特徴で、これによってSNSのフォロワー数だけではわからない“信頼”を実績とつながりで可視化するという。
今後はサービスの機能改善に加え、ツクルバが運営するワーキングコミュニティ「co-ba NETWORK」と連携して、地域を越えたフリーランス同士のコラボレーションやコミュニティ作りにも注力する計画だ。
ココン : サイバーセキュリティを中心に複数事業を展開

資金調達概要
調達額 |
---|
28億円 |
調達先 |
---|
YJキャピタル |
住友電気工業など |
サービス概要
サイバーセキュリティを中心に、クラウドソーシングやUIUXデザインなどの事業を展開。
ココンは早くから積極的にM&Aを実施し、事業を多角化させながら成長してきたスタートアップだ。もともとイラスト制作の特化型クラウドソーシングサービス「Panda Graphics」からスタート。その後、複数企業のグループ化や事業譲受などを通じて、クラウドソーシングのほか、サイバーセキュリティや3DCGのモーション制作、UIUXデザイン、動作拡大型スーツの開発などに取り組んでいる。
現在の主力はサイバーセキュリティ事業。モバイルアプリやWebサービスのセキュリティ診断はもちろん、コネクテッドカーや産業制御などにも領域を広げている。今回調達した資金を通じて、人工知能を活用したセキュリティ診断技術に関する研究開発などにも着手する計画。異業種とのオープンイノベーションや、組織強化に向けたM&Aも推進するという。
今週は計4社の調達状況を紹介した。今後も、FastGrowは週次で調達状況を発信していく。
こちらの記事は2018年10月10日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
次の記事
連載資金調達の週報
執筆
大崎 真澄
編集
庄司 智昭
ライター・編集者。東京にこだわらない働き方を支援するシビレと、編集デザインファームのinquireに所属。2015年アイティメディアに入社し、2年間製造業関連のWebメディアで編集記者を務めた。ローカルやテクノロジー関連の取材に関心があります。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
おすすめの関連記事
「なぜウチの広告が反社の利益に…」──事業家の願いを食い物にするアドフラウドとは?サイバーセキュリティ・スタートアップ、Spider Labsの大月氏が警鐘を鳴らす
- 株式会社Spider Labs CEO
不況に備え、プロダクトをひたすら磨き込め──VC/CVCが本音で語る、スタートアップの生き残り方【イベントレポート】
- グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社 パートナー
【資金調達の月報】hacomonoが20億円、park&portが8000万円、9secondsが3.2億円など──2022年3月まとめ
調達額では測れない!FastGrowだから知っている、大型調達スタートアップ経営者4人の知られざる魅力
- 株式会社FLUX 代表取締役CEO
【資金調達の月報】TOKIUMが35億円、mentoが3.3億円、ゲシピが6,000万円──2022年4月まとめ
【資金調達の月報】ジールスが50億円、インゲージが10億円、movが7億円──2022年5月まとめ
即効性ある策は、知識習得なり──Sozo Ventures・中村氏に訊く、グローバルスタンダードで勝ち抜く秘訣
- Sozo Ventures ファウンダー/マネージング ディレクター
上場の舞台裏、窮地を救ったのは20年重ねた信頼と実績──IT界の両雄ユナイテッド早川×サイバー・バズ髙村で語る、“投資家”と“経営者”の域を超えたパートナーシップ論
- ユナイテッド株式会社 代表取締役社長 兼 執行役員