連載資金調達の週報
押さえておきたい資金調達ニュース──1200万のユーザーが利用するカレンダーアプリや累計調達額が約114億円となった名刺管理サービスなど
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。今週は日本から4社をピックアップした。
2018年12月3日〜2018年12月9日分
- TEXT BY MASUMI OSAKI
- EDIT BY TOMOAKI SHOJI
Asobica : コミュニティ活性化プラットフォーム
資金調達概要
| 調達額 |
|---|
| 非公開 |
| 調達先 |
|---|
| KSK Angel Fund |
| East Ventures |
| Japan Angel Fund |
| みずほキャピタル |
| 朝倉祐介氏 |
| 今泉卓也氏 |
| 金靖征氏 |
| 塩田元規氏 |
| 内藤裕紀氏 |
| 中川綾太郎氏 |
| 箕輪厚介氏 |
| 他個人投資家3名 |
サービス概要
コミュニティ活性化プラットフォーム「fever」を運営。
コミュニティが独自のコインを発行することで、経済圏を作れるサービスだ。メンバーはコインを感謝の気持ちとして送り合ったり、サービスへの貢献に対するインセンティブとして発行可能。受け取ったコインは、コミュニティ内で提供するサービスの決済に活用できる。
2018年4月のサービス開始から半年で、250以上の企業や団体が運営するコミュニティで導入済み。今後は開発やマーケティング面をさらに強化するほか、年内には法人向けに特化したプラットホーム「fever for business」の提供も本格的に開始する予定という。
ケップル : 未上場株の管理ツール
資金調達概要
| 調達額 |
|---|
| 2.7億円 |
| 調達先 |
|---|
| 日本経済新聞社など |
サービス概要
FUNDBOARDは、ベンチャーキャピタルや事業会社、エンジェル投資家をサポートするサービスだ。従来はエクセルやドロップボックスなど複数のツールを使って整理していた投資先に関するファイルを一箇所で管理できるのが最大の特徴といえる。
また、ジャンルごとにタグをつけて分類したり、「投資検討中」「投資済み」などステータスに応じて検索したりといった投資先のデータベースとして活用できる。
今回のラウンドでは、日本経済新聞社との業務提携も発表。開発体制の強化だけでなく、スタートアップ関連のイベント開催やコンテンツ制作などの協業も見据えているという。
JUBILEE WORKS : 1200万ユーザー突破のカレンダーアプリ
資金調達概要
| 調達額 |
|---|
| 9.2億円(株式譲渡を含む) |
| 調達先 |
|---|
| KAKAO VENTURES |
| みずほキャピタル |
| SMBCベンチャーキャピタル |
| 個人投資家 |
サービス概要
登録ユーザー数が1200万を突破したカレンダーシェアアプリ「TimeTree」を開発。
TimeTreeの特徴は「家族」「恋人」「仕事」など、相手や目的に応じたグループ専用のカレンダーを複数作成して、気軽にシェアできることだ。カレンダーをシェアしてコミュニケーションを取ることを前提にしているサービスのため、予定ごとにコメントのやりとりができるチャット機能や日程が決まっていない予定を共有できるキープ機能などがある。
今後は調達した資金も活用しながら「予定による人と情報のマッチングプラットフォーム」を目指して、開発やプロモーションなどに力を入れる方針としている。
Sansan : クラウド名刺管理サービス
資金調達概要
| 調達額 |
|---|
| 30億円 |
| 調達先 |
|---|
| 日本郵政キャピタル |
| T. Rowe Price Japan Fund |
| SBIインベストメント |
| DCM Ventures |
サービス概要
法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」、個人向け名刺アプリ「Eight」を開発。
2007年から“名刺”を軸にしたプロダクトを開発する同社。主力サービスの法人向けクラウド名刺管理サービスSansanは、大手企業を中心に7000社以上が導入。名刺をスキャンするだけで「人脈のデータベース」が作成され、社内で活用できるのが特徴だ。
2012年からは個人向け名刺アプリEightもスタート。登録者数は200万人を突破している。
シリーズEラウンドとなる今回の調達を踏まえて、同社では引き続きプロダクトの強化を進める計画。なお、今回のラウンドを含めると累計の調達額は約114億円となる。
今週は計4社の調達状況を紹介した。今後も、FastGrowは週次で調達状況を発信していく。
こちらの記事は2018年12月12日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
次の記事
連載資金調達の週報
執筆
大崎 真澄
編集
庄司 智昭
ライター・編集者。東京にこだわらない働き方を支援するシビレと、編集デザインファームのinquireに所属。2015年アイティメディアに入社し、2年間製造業関連のWebメディアで編集記者を務めた。ローカルやテクノロジー関連の取材に関心があります。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
おすすめの関連記事
出品代行型フリマアプリで「面倒くさい」「安すぎる」を解決へ。国内No.1の古着売買プラットフォームへ、シリーズAで総額4億円を調達──株式会社digdig
なぜ“東京の視座”を説くDNXが、京都のランプに賭けたのか?──起業家・河野氏の「変化率」と、SaaSの死の谷を越えた「素直さ」
- 株式会社ランプ 代表取締役
経営支援を「誰もがアクセスできるインフラ」に──ジャパンM&Aインキュベーション、プレシリーズAで3億円を調達
有力VC3社が2度の投資実行。エンプラに支持されるESG・サステナビリティ開示SaaSのシェルパ・アンド・カンパニーに、WiL、グローバル・ブレイン、ジェネシア・ベンチャーズが徹底支援する理由
- シェルパ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役CEO
VCも起業家も、“常識外れ”な挑戦がまだ足りない!大企業コンサルやデータ基盤提供に加え、ビルや街まで構想する「欲張り」なVC・HAKOBUNE木村・栗島の構想とは
- HAKOBUNE株式会社 Founding Partner
日本発グローバルスタンダードは、“介護”から──「複雑×長期×規制」極まる社会課題。ユナイテッド × KAERU / CareFranはどう挑む?
- ユナイテッド株式会社 投資事業本部 キャピタリスト マネージャー
不動産・建築・金融を統合的にDX──総額38億円調達。イタンジ創業者がAIインフラ事業で挑む、複数産業の同時変革構想とは
AIエージェント時代のカスタマーサポート大革命──RightTouch×GMO VenturePartnersが切り拓く金融DXの新潮流
- 株式会社RightTouch 代表取締役